カンヌ批評家週間にタイ映画として初選出されグランプリに輝いた『ユースフル・ゴースト』の日本版本予告と新場面写真9点が解禁されました。

粉じん公害が深刻化するタイ・バンコク。最愛の妻・ナット(ダビカ・ホーン)を呼吸器疾患で亡くしたマーチ(ウィサルット・ヒンマラット)は悲嘆に暮れる日々を送っていた。ある日、ナットの魂は掃除機に宿るかたちで舞い戻り、ふたたび愛を確かめ合う二人。その頃、マーチの家族が経営する工場では、死亡した従業員の霊が機械に取り憑き、操業停止に追い込まれていた。霊に悩まされる家族や社会から拒絶されたナットは、工場の除霊に協力することで、夫への真実の愛そして自らの存在を“役に立つ幽霊”だと証明しようとするが──。

到着した場面写真では、マーチのもとへ戻ってきたナットが抱きつく姿をはじめ、掃除機に憑依したナットを愛おしそうに抱きしめるマーチ、その様子を奇異の目で見つめる親戚たちの姿、さらには病院の待合室で夫との面会時間を静かに待つ“掃除機(ナット)”の姿などが切り取られており、シュールな光景の中にもどこか切なさや愛おしさも滲み出るものとなっています。

本予告のナレーションを務めたのは、Netflixシリーズ「地獄へ堕ちるわよ」をはじめ、数々の映画やドラマの名物“夫“役として存在感を放つ俳優・田村健太郎。田村は「幽霊となって帰ってきた妻、その存在を信じ切る夫。まるで彼岸のハネムーンのような美しいシーン。しかし人と幽霊になろうとも、夫婦である限り二人の関係は進んで行きます。幽霊も変わる、夫婦も変わる。儚さと生々しさにたっぷり酔わされました。僕の夢にも出てきてほしいなあ」とコメントを寄せています。

タイでは誰もが知る怪談「メー・ナーク・プラカノーン」(死後も現世にとどまり、夫と禁断の愛を深めていった女性“メー・ナーク”にまつわる物語)に着想を得たという本作は、亡き妻が掃除機に宿って夫の元へ戻ってくるという奇想天外な設定を起点にしながら、記憶と忘却、個人と社会、愛と有用性といったテーマへと静かに深度を増していき、様々なジャンルを軽やかに横断しながら、環境問題や労働、政治的抑圧といった現代社会の歪みに鋭く切り込みます。

主演は、2013年に“メー・ナーク”の怪談をリメイクしタイでメガヒットを記録した『愛しのゴースト』で一躍スターダムにのしあがったダビカ・ホーン。いまやタイだけではなく国際的に活躍するファッションアイコンとして絶大な人気を誇る彼女が、今作では「掃除機に宿る幽霊」というさらなる難役を、その圧倒的な存在感と繊細な表現力で見事に演じきりました。

共演には、ウィサルット・ヒンマラット(ドラマ「運命のふたり」)、アパシリ・ニティポン(『デュー あの時の君とボク』『ハッピー・オールド・イヤー』)ら実力派が名を連ねています。

1987年生まれの新鋭ラッチャプーム・ブンバンチャーチョーク監督の長編デビュー作にして、カンヌでは各国メディアから「ジャンルでは括れない」「驚くほど独創的」「まるでヨルゴス・ランティモスがタイに移住したかのようだ」と異例の注目を集め、ジュリア・デュクルノー『TITANE/チタン』の衝撃、ウェス・アンダーソンの鮮やかで緻密な映像美、アピチャッポンの持つマジックリアリズムを引き合いに語られました。さらに、米アカデミー賞国際長編映画賞のタイ代表に選出され、ショートリスト入りを果たしました。

     

==

『ユースフル・ゴースト』(英題:A Useful Ghost)

監督・脚本:ラッチャプーム・ブンバンチャーチョーク
出演:ダビカ・ホーン、ウィサルット・ヒンマラット、アパシリ・ニティポン、ワンロップ・ルンカムチャット、ウィサルット・ホームフアン ほか
2025/タイ語、英語、イサーン語/タイ、フランス、シンガポール、ドイツ/130分/字幕翻訳:橋本裕充

日本公開:2026年7月10日(金)より全国ロードショー
配給:SUNDAE(Powered by Filmarks)
© 2025 185 FILMS, HAUT LES MAINS, MOMO FILM CO.