映画『東京逃避行』公開初日舞台挨拶
本作は、都の条例により“トー横”が封鎖された後の歌舞伎町を舞台に、居場所を失った4人の若者の姿を描いた完全オリジナルの逃亡サスペンスであり、監督自身の経験に基づいて制作されている。イベントでは、秋葉監督が本作誕生の経緯について、インターネットの匿名掲示板で出会った女性が亡くなったことを記録として残すことを、自身の宿命のように感じたと語った。
寺本は孤独を抱える女子高生・飛鳥役を演じ、東京・新宿の歌舞伎町にある「トー横」を訪れる人物として描かれている。池田は自伝的ネット小説『東京逃避行』の著者・日和役を担当する。若者を保護するエド役は綱啓永、トー横の若者たちのリーダーであるメリオ役は高橋侃が演じる。なお、本作は秋葉にとって長編映画初監督作品であり、自身の経験を基に脚本も手がけている。
イベント終盤には、撮影現場のメイキング映像などを編集したサプライズムービーが上映され、秋葉監督からキャスト陣へ、共に作品を作り上げたことへの感謝を込めた花束が贈られた。これにより、キャストや監督が涙を見せる場面もあった。
寺本は「新宿・歌舞伎町には普段足を踏み入れていなかったことや、飛鳥と同様に新宿への憧れや逃避の気持ちを表現するため、あえて新宿に近づかないようにしていた」と語っている。また、「本作を通じて大きく成長できたと感じており、苦労や困難もあったものの、最後までやり遂げられたことに満足感を示している」と述べている。
池田は、「日和という役を演じるにあたり、自身が完全に役として生きる必要があると考え、撮影前から幼少期からの日和の日記を書くことでその人生を疑似体験した」と語っている。また、「日和は自身とは異なる境遇で生きてきたものの、人前でつらさや苦しさを笑ってごまかし、虚勢を張って生きる点で自分とほとんど同じ人間だと感じている」と述べ、「役の背景を考えると強い苦しさを感じ、早く撮影が終わってほしいと思うこともあった」と語っている。一方で、「多くの人に作品を観てもらえたことに対して大きな喜びを感じている」とも述べ、「当時23歳だった自身について、よく頑張った」と振り返っている。
綱は、「本作に出演する以前は自分の居場所について深く考えたことはなかったが、作品を通じて家族や友人、仕事の現場が自分の居場所であると実感した」と語り、「本作については映画というよりもドキュメンタリーに近い感覚であった」と述べている。
高橋は、「本作を通じて自分の居場所が自然と与えられていたのではないかと感じるとともに、自身も誰かの居場所になれる存在になりたいと考えるようになった」と語っている。また、「スクリーンの中が自分の居場所であるとの認識を示し、日々努力を重ねていきたい」と述べ、「作品が大きな熱量をもって制作されてきたことを、当日キャストたちの表情から実感した」と話している。
秋葉監督は、「『東京逃避行』として形になるまでに5年を要した」と明かし、「その過程で救えなかった人もいた」と振り返っている。また、「そうした思いをキャストに背負わせてしまったことへの複雑な心境」にも言及している。そのうえで、「本作が18歳の頃の自分に対して『映画監督になれて良かった』と言える作品になったことに安堵を示した」とし、「キャストやスタッフへの感謝の気持ち」を述べ、綱は「これまで経験した舞台挨拶の中で、最もカオスな内容だった」と述べつつ、「それだけ全員が本気で向き合って作り上げた作品である」と評価した。高橋は涙をこらえながら、キャスト全員で作り上げてきた作品の熱量をかみしめていた様子であった。
















