ミュージカル『SHOWMAN~4番目の影武者~』が、9月1日〜9月13日、新国立劇場 小劇場にて上演。
第7回韓国ミュージカルアワーズにおいて大賞・脚本賞・主演男優賞の三冠を受賞し、音楽賞にもノミネート作品。物語は、独裁者の“4番目の影武者”として生きた過去を持つ老人ネブラと、過去の傷を抱えながら生きる若い女性スアの出会いを軸に展開。二人の交流を通して、「自分が自分自身であるとは何か」という普遍的なテーマを問いかける。

主人公ネブラ役を松岡充、スア役を潤花、藤岡正明、万里紗、福井晶一、福室莉音らが出演。小劇場で6人編成という贅沢な生演奏。主演の松岡は、「僕が32年の間、探し、紡ぎ、詩ってきた言葉達がこの脚本の中に、これでもか!とあった事に衝撃を隠せなかった。本当なら見せたくもない、これまでの僕の心の有り様が、果たしてこの作品の中に本当に存在し得るのか?この目で、この身体で、この心で確かめてやろうと思っている」と本作への強い意気込みが伝わってくる。

韓国原作の脚本はハン・ジョンソク、音楽はイ・ソニョン。日本版の上演台本・訳詞・演出をシライケイタ、音楽監督を国広和毅が手掛ける。

あらすじ
2020年、アメリカ・ニュージャージー州の小さな町。大型スーパー「グッデー・マート」の職員である韓国系アメリカ人・スアは唯一の趣味である遊園地巡りをしていたところ、職業ピエロである怪しげな老人・ネブラと出会う。スアをプロのカメラマンと勘違いしたネブラは彼女に自分のポートレートを撮って欲しいと依頼。最初はチップをねだられているのだと勘違いしたスアだったが、小遣い稼ぎになるかもと面白半分でポートレート撮影を引き受ける。しかし、スアの予想とは異なりネブラにはこの撮影に臨む壮大な計画と思いがあった。撮影が始まると、「本当の自分の姿を残したい」と自身の人生を渾身の思いで語りながら演じ始めるネブラ。スアはその姿に拒否感や嫌悪感を感じながらも何故か撮影を止めることができず、やがてネブラの人生の核心に迫る撮影日を迎える。

コメント

松岡充
僕が32年の間、探し、紡ぎ、詩ってきた言葉達がこの脚本の中に、これでもか!とあった事に衝撃を隠せませんでした。なぜなら、僕はその為に人生を捧げて来たからです。そしてそれが、僕がこの作品に参加する動機です。
本当なら見せたくもない、これまでの僕の心の有り様が、果たしてこの作品の中に本当に存在し得るのか?
この目で、この身体で、この心で確かめてやろうと思ってます。知らなければよかったと思うくらいなら、最初から知っては来ませんでした。
ネブラは松岡充のネブラとして生かします。それができる事に、喜びと覚悟を決めてます。

潤花
沢山の出来事に追われていたり様々なことと戦い辛い過去を抱え、ギリギリの状態で生きている人や幸せでも何かしらの辛さを抱えてる人。そんな皆さんがこの作品と出会うことで今まで許せなかった自分や受け入れたくない過去も、優しく自分を認められるそんな温かい魔法をかけてくれるのではないかなと思っています。
スアを演じさせていただくのが今からとても楽しみで仕方ありません。スアと共に皆さんもネブラの人生に触れることで自分自身にも向き合えるのではないかなと。スアがそうだったように。私の人生の中でこの作品に出会いスアとして生きれることで人として大きく気付かされると思います。皆さまもぜひこの作品との出会いを楽しみにしていてください。

藤岡正明
この本を読んだ時に、ふと思い出したことがありました。亡くなった祖父が言った言葉です。太平洋戦争末期、特攻隊『伏龍』の予科練生であった祖父に当時のことを聞いていた際、僕は「特攻で死ぬことになるのは怖くなかったのか」と質問しました。祖父は「怖くはなかった」と答えました。そしてもう一言、こう言ったのです。
「あれが青春だった」。その時、祖父がどんなつもりでそう言ったのか、僕には分かりません。ただ、今でもその時のことが僕の心に焼き付いているのです。”自分は一体何者なのか”。この作品とともに僕自身も考えてみたいと思っています。劇場でお待ちしております。

万里紗
事実かどうかは価値基準として通用しない、情報を操る力を持っているかどうかに生存の不可避がかかっている時代を生きているように思います。と同時に、揺るがない自己というものへの疑いは私達俳優の大切な道具の一つだとも思います。人生の節目に、自らを作り直そうとするネブラの行動は微かな抵抗の一歩なのか、もはや通用し得ない「個人」という神話へのすがりつきなのか。この時代を生きる自分の困惑にも素直に向き合いながら、カンパニーの皆様と共に探求していきたい思いです。劇場でお待ちしております。

福井晶一
『SHOWMAN』は韓国のミュージカルアワードでも3冠を達成した話題の作品。実はこれまで韓国産ミュージカルとあまりご縁がなく今回が初挑戦。この舞台は出演者がたった6人。主演のネブラとスア以外は何役か演じることになるのでそれも楽しみの一つですね!ネブラ役を演じる松岡充さんとは初共演となるので舞台上で松岡さんのパッションを浴びることができるのはとっても楽しみですね!ドラマをとても大切にされるconSeptさんなのでシライケイタさんの演出により、必ず誰の心にも響く素敵な舞台になると確信してます。ぜひ楽しみに待っていて下さい!

福室莉音
最初に脚本を読んだとき、わたしはこの気持ちを知っている、と思いました。個性が認められ尊重される現代でも、自分自身が認めてあげられなかったり、そもそも分からないなんて瞬間がいっぱいあります。そんな社会だから、とも言えるかもしれません。けれどそう悩んだとき、必ず誰かによって助けられていて、あるいは助けたりしながら世界が回っていってるのを感じると、どんなものも鮮やかに見えてきたり。痛みが分かるのは、痛みを経験しているから。
誰かを大切にする理由はここにあると、この作品からはそんな匂いがします。今回ご一緒する皆様とは初めましてです。
この贅沢な時間を沢山楽しみたいと思います。是非劇場にてお待ちしております。

シライケイタ(上演台本・訳詞・演出)
これは、年齢も性別も育った環境も全く違う二人の人間が、孤独の淵で出会う物語です。上演台本を作りながら、訳詞をしながら、幾度も二人の孤独に触れ、魂が交わる瞬間に震え、生きようとする姿に涙しました。自分は何者なのか。生きる意味とは?ほかの誰でもない「自分」の存在価値とは?この根源的な問いかけを、美しい音楽とストーリで追いかけます。主演の松岡充さんはじめ、全ての出演者の方々と初めましての現場です。人はみな孤独だとするなら、それぞれの人生が交わり、私たちの「孤独」が共鳴しあう時、どんな花を咲かせるでしょう。自分も孤独を恐れず、最高の出演者・スタッフの皆さんと共に、精一杯創りたいと思います。

国広和毅(音楽監督)
幕開けを告げるトランペットの響きを起点に、ミュージシャンたちの生きた演奏と俳優たちの肉声が激しく交錯するセッションにご注目ください。演出/訳詞のシライケイタさんが時に自ら歌い、言葉に命を吹き込んでいく姿に感銘を受け、私のボルテージは既に最高潮です。
誰しもが複数の顔を使い分け、役を演じながら生きる現代。本作は、多彩な自分を生きる日々の先で、人生を賭けてでも掴み取りたい「納得のいく瞬間」に出会えるのかを問いかけている気がします。
自分らしさを問うことそのものを問う、この物語の核心として音楽が熱く脈動する。劇場でしか味わえない、確かな「生」の響きに、どうぞご期待ください。

概要
ミュージカル『SHOWMAN~4番目の影武者~』
会期会場:9月1日(火)~9月13(日) 新国立劇場 小劇場
出演:松岡充 潤花 藤岡正明 万里紗 福井晶一 福室莉音
脚本・作詞:ハン・ジョンソク  作曲:イ・ソニョン 翻訳:宋元燮
上演台本・訳詞・演出:シライケイタ  音楽監督:国広和毅
演奏:
前田涼子(Pf)、国広和毅(Key)、熊谷太輔(Perc)、大野萌子(Trp)、磯部舞子(Vn)、島津由美/平井麻奈美(Vc)

WEB:https://consept-s.com/showman