映画『きれっぱしの愛』より、小林聡美がナレーションを務めた本予告と新場面写真が解禁された。

 第78回カンヌ国際映画祭への正式出品を経て、第98回アカデミー賞アイスランド代表作としても選出された本作。アイスランドのフリーヌル・パルマソン監督が描くのは、片田舎に暮らす、ごく普通の家族のささやかな日常。アーティストでシングルマザーの母、3人の子どもたちと愛犬、そして時々、元夫。大きな事件は起こらない。移りゆく四季とともに、ときにブラックに、シュールに、ユーモラスに紡がれる日常のスケッチが映し出すのは、変わりゆく夫婦、家族、そして失われてもなお残る愛の行方―。

アイスランド出身のサーガ・ガルザルスドッティルとスベリル・グドナソンが絶妙な距離を保つ元夫婦役を演じるほか、パルマソン監督の3人の実子と愛犬パンダが、そのまま“子ども役と愛犬役”として出演。ありのままの家族の風景を切り取ったかのような、ナチュラルでエネルギッシュな魅力を放っている。アイスランド・シープドッグのパンダは、第78回カンヌ国際映画祭のパルム・ドッグ賞を受賞した。

予告映像は、食後に映画鑑賞を提案する母アンナと子どもたちの会話から始まる。家族団らんのひとときの中、みんなで食器を片付けながら、「お菓子も?」「いいわよ」「ソーダも?」「いいわ」とやりとりが続き、「パパは?」という子どもの問いに、アンナが「いない方が嬉しい」ときっぱり言い放つ一言から、夫婦の複雑な関係性が垣間見える。別れた後も情を捨てきれず何かにつけて元あった家族の形に戻ろうとするマグヌスに、アンナは冷たい態度を取り続けるが、そんな両親の様子をむしろ冷静に観察する大人びた子どもたち。単なるハートフルなだけではない家族ドラマであることを予感させる。

アイスランドの雄大な自然と移ろいゆく季節を背景に、それでも“家族”として続いていく時間を、何気ない日常の断片の積み重ねで紡いでいくビターでハートフルな物語。ラストに映し出されるコピー「愛おしい 私たちの生活(ときどき、殺意)」が、その世界観を象徴している。

本予告のナレーションを務めたのは、俳優の小林聡美。家族をそっと見守るような視点で披露されるナレーションにも注目だ。

さらに、フリーヌル・パルマソン監督にしか描けない、アート作品のような新場面写真も解禁。CGなど特殊技術に頼らず、日常の何気ない風景を魅力的に切り取り、心に響くシーンを描き出すパルマソン監督の映像作家としての才能が光る場面写真の数々となっている。

映画『きれっぱしの愛』は、7月3日より全国順次公開。

映画『きれっぱしの愛』本予告