『シャドウワーク』完成披露上映会
完成披露上映会
日時: 8月20日(木)
場所: TOHOシネマズ日比谷 SC12
登壇:吉岡里帆、奈緒、美保 純、酒井若菜、ファーストサマーウイカ、佐月絵美、風吹ジュン、𠮷野竜平監督
吉岡が演じる紀子は、夫から繰り返し暴力を受け、常にその存在を意識しながら逃れるように生活する女性。重いテーマを扱った作品だが、吉岡は、「DVというつらい描写もたくさんあるんですけど、悲しい描写と、おうちというシェルターの柔らかい優しくて温かい空気感が混じり合った時に不思議な化学反応を起こして物語の世界にぐっと引き込んでくれる」と語った。
また、実際の撮影では作品の緊張感とは対照的に、終始穏やかな時間が流れていたという。「内容とは反して楽しい。和やかで反対に怖いぐらいリラックスして過ごせました」と振り返り、撮影には実際の一軒家を使用したことも紹介。「おうちの力もかなり大きかったと思います。実家感」と、笑顔で表現した。
奈緒は、薫という人物を演じるにあたり「撮影に入る前に、吉野監督からの『薫さんという人はいい人でなくていいです』と。『正義という仕事をしながらも、いい人として演じなくてもいいです』というふうに演出をいただいた」と振り返った。
その言葉を受け、奈緒は、「正義感を持って警察官を志したけれど、その正義が壊されてしまった背景があるというのを大切に演じさせていただきました」と語った。
北村との共演について奈緒は、「北村さんとは初めて一緒にお芝居をさせていただいた。事前に話し合うことは特になく。今思うと、どちらかと言うとお芝居で初めて対峙する時の緊張感を、2人とも余白を残そうという距離感を作らせていただいたような気がします」と回想。「なので、実際に台本を読んだ以上に北村さんを目の前にした時に『すごく怖い』という気持ちがわいた」と振り返り、北村と対峙することで、想像だけでは捉えきれなかった薫の背景が一気に具体的になったと説明。「自分の中で想像上でしか埋まっていなかった背景が一瞬で埋まるようなシーンを作らせていただけた。感謝しています」と語った。
一方、北村については「穏やかな方でした」と奈緒の印象を和らげるように付け加え、実際の本人と劇中での姿には大きなギャップがあったことをうかがわせた。
美保純は、役になじむための工夫として「女優に見えないように」意識していたことを明かした。劇中では足が不自由な人物を演じており、その演技について「『美保さん、足が悪いんですか?』と心配してくれた。『やった!』となりました」と笑顔で回想。実際に吉岡から心配されるほど役になりきれたことを、うれしそうに振り返った。
これに対し吉岡も「本当に心配になって。完全に騙されました」と驚きを交えてコメント。さらに美保について「色っぽさが隠しきれていなくて。色気、ダダ漏れてました。そこも好きでした」と印象を語ると、美保は「エロいですか?ありがとう」と返し、会場を和ませた。
酒井は「劇中ではしのぶのバックボーンは一切描かれていませんが、撮影の前に監督からしのぶにまつわるプロフィールを頂いて、それを頼りにキャラクターを深めていきました」と説明。画面には直接描かれない設定も踏まえながら、しのぶの内面を組み立てていったことを明かした。
ウイカが演じる奈美は、周囲を思いやる温かさと知性を兼ね備えた人物。イベントの雰囲気については「今日は和やかなイベントになると思いますが、作品の内容との温度差で皆さん風邪を引きそうになるはず」と冗談を交え、明るいトーンで会場を盛り上げた。
自身の役どころについては、「(美保と風吹の)Wじゅんさんが社長と秘書だとするならば、私の役は常務というか現場のリーダー」と説明。さらに「無償の愛や優しさの筆頭が奈美」と人物像を紹介し、「最初はなぜ私にこの話が来たのかと思った」と率直な心境も吐露。これまでとは異なる役柄への挑戦に、期待をにじませた。
佐月絵美は、「ウイカさんの後はしゃべりにくい」と照れたような表情を見せた。その後、「はじめまして。佐月絵美です。このような大きな劇場に立つのが初めてで、緊張しています」と初々しく挨拶する。
劇中では金髪姿を披露している佐月。今回が初めてのブリーチだったといい、「初めてブリーチしました。イェーイという感じでした!うれしいです。お仕事でチェンジできるのが楽しかったです」と、役を通して大胆なイメージチェンジを楽しんだことを明かした。
昭江を演じた風吹は、作品への出演をきっかけに、社会で実際に起きている痛ましい出来事にも目を向けるようになったと語った。本作については、単にエンターテインメントとして楽しむだけでなく、その裏側にある現実にも思いを巡らせてほしいとコメント。「この映画は面白くて魅力的ですが、そこだけではなくて救済しなければいけない人たちが世の中にはたくさんいるという事をイメージしながら観ていただきたい」と呼びかけ、作品を通じて社会に目を向けるきっかけになればとの思いを示した。
イベントではマイルールを語ることに
吉岡は、限られた時間を有効に使うため、日常生活では細かな家事や身支度をできるだけスピーディーに済ませることを心がけているという。「仕事を忙しくしているとすごい時間が惜しいので、簡単な作業はすごい俊足でやるっていうの決めてます」と自身の習慣を紹介した。
具体例として挙げたのが、入浴後の身支度。「例えばお風呂から上がって体を拭くとかはめちゃくちゃ簡単な作業じゃないですか。それを最速でやる」と話し、毎日の何気ない行動にも時間短縮を意識していることを明かした。
さらに、ベッドを整える際も「自分が簡単な作業を全部どれだけ早く終わらせられるかをものすごいこだわり持っていて、例えばベッドメイキングとかも、何回も整えるとかじゃなくて1発でバッて行くとか、そういうところを時短するようにしてます」と説明。小さな作業を効率よくこなすことで、忙しい日々の中でも時間を生み出しているようだ。
奈緒は、家で過ごす際に大切にしている習慣として「香り」を挙げた。普段からお香を焚くなど、香りによって気持ちを切り替えることが多いそうで、「常にお香とかを炊いてて、香りで気分を変えることが多いので『朝起きるとこのハーブのスプレーを振る』とか『寝る前にこれを振る』っていうのもベッドの横に置いてたりして」と日常のこだわりを紹介した。
最近では、京都を訪れた際に購入したお香を愛用しているといい、「最近は京都に舞台の観劇に行く機会があって、その時に京都のお香を買ったので、それを炊いてると吉岡さんを思い出します」と笑顔でコメント。京都出身の吉岡と香りを結び付け、「(吉岡は)京都ご出身なので、お香を炊いてると自然と『吉岡さん何してるかな』って思いながら」と話した。
すると吉岡は「いつもそばにいるよ」と笑顔で応じ、2人の親しげなやり取りに会場からも和やかな空気が広がった。
ウイカは、外食をする際に意識していることとして「食べ残しを出さないこと」を挙げた。店を訪れると、まず持ち帰りが可能かどうかを確認するそうで、「飲食店に行った時に、まず『余ったら、お持ち帰りできますか?』と聞きます」と説明。持ち帰れる場合には少し多めに注文する一方、対応していない店では「腹八分目」を目安に量を調整しているという。
また、料理を持ち帰るための容器代も注文量を左右するポイントだといい、「『50円かかります』と言われたら控えめの注文になります」と告白。実用的な注文方法を明かすと、客席からは思わずうなずくような反応が起こり、会場を和ませていた。
美保は、コロナ禍をきっかけに育て始めたサボテンとの暮らしを紹介した。「コロナ禍の時に小さいサボテンを買ったんです。今は私の身長を超えるぐらい大きくなったの!」と成長ぶりを明かし、日々「お前だけは捨てないよ。大事にするよ」と声をかけながら大切に育てていると話した。
続いて酒井も植物への愛情を披露。「美保さんと被るんですけど、植物が大好きで、エバーフレッシュというネムノキ系の子がいるんです」と切り出し、自宅で育てている植物について語った。「うちの子が大きくて、朝起きた時と夜寝る前に抱きついてます。かわいいんですよ。夜は葉っぱが閉じて、朝は葉っぱが開いて」と、その姿に愛着を感じている様子をのぞかせた。
2人の植物談義が盛り上がる中、美保が「うちのサボテンと交換しよ!」とまさかの提案。これには吉岡里帆が「さっき大事にするって言ったじゃないですか!」とすかさずツッコミを入れ、会場を笑わせた。
イベントの締めくくりに、主演の奈緒は作品を通して観客自身に考えてもらいたいという思いを語った。「1つの答えを提示するような作品ではなく、一人ひとりが観た後に答えを探すような作品が完成しました。そして一人ひとりが自分の答えを見つけることで、傷ついた人たちが一人でも減る、そんな社会が実現できると心から信じています」と呼びかけ、作品が観る人にとって考えるきっかけになることを願った。
吉岡も続けて、「皆さんにとって何が悪で何が善なのか、映画を観終えて考える時間を作っていただけたらとても嬉しいです」とコメント。撮影中を振り返り、「私自身も撮影しながら、何が正しいのかどんどん分からなくなって、頭が混乱していくような時間がありました」と、役と向き合う中で抱いた葛藤を明かした。

2026年全国公開
出演:吉岡里帆、奈緒
監督・脚本吉野竜平
原作:佐野広実『シャドウワーク』(講談社文庫)
制作プロダクション:トリックスターエンターテインメント
配給:ショウゲート
助成:文化芸術振興費補助金
©2026「シャドウワーク」製作委員会
公式Instagram:@shadowwork_jp

























