怪獣造形のレジェンド・村瀬継蔵さんを8年にわたり追った中野伸郎監督のドキュメンタリー『怪獣と老人』のDVDが11月3日に発売決定。10月31日・11月1日に開催される熱海怪獣映画祭で先行販売されます。

1935年北海道に生まれた故・村瀬継蔵さんは、1957年に上京。映画会社・東宝に入社し『大怪獣バラン』(1958年/本多猪四郎監督・円谷英二特技監督)や『ゴジラ』シリーズなどの特撮映画に造形スタッフとして参加したのち、大映の『大怪獣ガメラ』(1965年/湯浅憲明監督)や「大魔神」シリーズ、東映の「仮面ライダー」(1971年)や円谷プロの「ウルトラマンA」(1972年)など、制作会社や映画・テレビの垣根を越えて特撮作品で造形を手がけ、日本特撮の伝統である着ぐるみ造形の礎を築きました。
長年にわたり映画の特殊美術造形の第一人者として活躍した功績により、2021年には令和3年度文化庁映画賞映画功労部門を、2024年には第47回日本アカデミー賞協会特別賞を受賞。
そして2024年には、長年あたためた構想を実現した特撮ファンタジー映画『カミノフデ ~怪獣たちのいる島~』が公開され、89歳にして総監督デビューを果たしましたが、惜しくも映画公開間もない10月14日に病気のより世を去られました。

『怪獣と老人』は、村瀬継蔵さんが総監督としての映画づくりという新たな仕事に取り組む姿を8年にわたり密着取材。80歳を越えて新たなチャレンジをおこない、挫折し悩みながらも夢を追い続ける「美術造形家・村瀬継蔵」の生き方の記録となっています。

監督は、フリーディレクターとして「情熱大陸」などのドキュメンタリー番組やバラエティ番組の演出を担当してきた中野伸郎監督。テレビ番組をきっかけに村瀬さんと交流を持ち、村瀬さんから『カミノフデ』の原案となった「神筆」のプロットを見せられたことをきっかけに取材を開始し『怪獣と老人』を完成させました。
ナレーションはテレビドラマ「はぐれ刑事純情派」シリーズの今井刑事役などで知られる若林哲行(わかばやし・てっこう)さんが担当。東京を拠点に活動するバンド・ペリカンオーバードライブのボーカル&ギターの増岡謙一郎さんが主題歌を担当しています。

2025年10月に村瀬さんの一周忌記念上映として東京の池袋HUMAXシネマズで上映されたのを皮切りに、大阪、名古屋など各地のミニシアターで上映をおこなってきた『怪獣と老人』が、待望のDVD化。
村瀬さんにも縁の深い「ゴジラの日」である11月3日より、AmazonやUE-shopなどのECサイトを中心に発売されます。

『怪獣と老人』DVD

  • UEF-25005
  • 本編映像83分+特典映像6分/片面1層/カラー/ステレオ/16:9
  • 定価:4400円(税込)
  • 発売日:11月3日(火・祝)
  • Amazon、UE-shopなどで販売予定

 また、10月31日と11月1日の2日間にわたり静岡県熱海市で開催される第9回熱海怪獣映画祭にて先行販売が決定しています。
熱海怪獣映画祭は、『キングコング対ゴジラ』(1962年/本多猪四郎監督・円谷英二特技監督)でゴジラとキングコングの激闘の舞台となるなど、数々の怪獣映画に縁の深い「怪獣映画の聖地」熱海市で有志によりスタートし、2018年に初開催された映画祭。9回目となる今回は、劇場公開作や公募による自主映画などの上映、ゲストが登壇するイベントなどが、2日間にわたり熱海市の熱海芸妓見番(あたみげいぎけんばん)でおこなわれます。

第9回熱海怪獣映画祭

 夢を追うことの喜びと苦悩、そして人生の終盤になにを成し遂げようとするのか、観る者自身の生き方をも問いかける『怪獣と老人』は、11月3日火曜日にDVDリリースされます。

『怪獣と老人』ストーリー

昭和32年、農業青年・村瀬継蔵は北海道から上京。映画「ゴジラ」で特撮の礎を築いた円谷英二監督のいる東宝映画特殊美術部に入社。デザイン画から「立体像にし生き物化させていく」怪獣造形の世界に浸かることになった。そこで誰もが驚く身近な素材を用いたり、独自の手法を披露し若くして一目置かれる存在に。当時は特撮全盛期で過酷な労働環境…心のモチベーションは「我々は子供たちの夢を造っている」。昭和・平成・令和と年号は代わり特撮ブームは終焉し、数少ない作品もC Gがメインの時代となり、村瀬たちが築いてきた「アナログ怪獣造形」の需要は大幅に減少。過去に手がけた作品の裏話をマニアたちに忌憚なく話す日々に喜びと同時に苛立ちも抱いていた。「俺はまだ引退していない、現役だ」。怪獣造り・アナログ特撮映画への熱量はまだ高いままだった。そして82歳…約半世紀前に自分で書いた「神筆」という怪獣物語を、未経験の監督として映画化することでアナログ特撮の技術を後進に伝えていく使命に駆られ1人動き始める。そこから自信を持ったり失くしたり…思春期の少年のように「挫折」「苦悩」に悩まされながら信じた道を走り続けた男の、80歳代で迎えた青春ドキュメンタリー作品である。