公開記念舞台挨拶
日程:10月10日(土)
会場:丸の内ピカデリー
登壇:石橋陽彩、永瀬アンナ、土屋神葉、玉木宏、和田純一監督

映画『どこよりも遠い場所にいる君へ』の公開記念舞台挨拶が、10月10日(土)に丸の内ピカデリーで開催された。前日の10月9日(金)に全国公開された本作。上映を終えた観客の余韻が漂うなか、物語のモチーフである虹をあしらったバックパネルの前に、月ヶ瀬和希役の石橋陽彩、秋鹿七緒役の永瀬アンナ、尾崎幹也役の土屋神葉、高津役の玉木宏、和田純一監督が登壇した。

冒頭の挨拶では、主人公・月ヶ瀬和希を演じた石橋陽彩が、虹にまつわるエピソードを披露。「初号試写を観たあと、本当にきれいなダブルレインボーを見ることができて……! 公開を迎えた今、こうしてダブルレインボーが描かれたパネルの前で舞台挨拶ができることが、本当にうれしいです」と喜びを語った。


秋鹿七緒役の永瀬アンナも、初号試写のあとに石橋からダブルレインボーの写真が送られてきたことを回想。「私もすごくほっこりした気持ちになりました」と、当時の心温まる出来事を笑顔で振り返った。
尾崎幹也役の土屋神葉は、上映後のイベントということもあり、観客に向かって「皆さん、この映画楽しかったですか」と問いかけ、会場からは大きな拍手が送られた。さらに、「今日はネタバレも自由にできるということなので、気兼ねなく楽しみたいと思います!」とユーモアを交えて話し、会場の雰囲気を和ませた。


高津役の玉木宏は、本作の魅力について「とても美しい作品で、さまざまな感情や思いが詰まっています。観る人それぞれの心を豊かにしてくれる映画だと感じました」とコメント。最後に、より多くの人に作品を届けたいという思いを込め、「一人でも多くの方に観ていただけたらうれしいです」と呼びかけた。

キャラクターと演じるキャストの共通点に話題が及ぶと、和田監督は「自分が思い描くキャラクターに、声の印象や立ち居振る舞い、醸し出す雰囲気が近い方にお願いしたいと考えて選びました」と、配役に込めたこだわりを明かした。
なかでも玉木の起用については、プロデューサー陣から名前が挙がった時点で「玉木さんにお願いします!」と、出演を強く希望したという。
一方、土屋が演じた幹也については、「親しみやすさに加えて、言動に説得力や真実味を持たせる必要がありました。ただ、演じ方のバランスを少し間違えると、単に軽薄な人物に見えてしまう」と役作りの難しさを語ったうえで、「本当に演じきっていただいてありがとうございます」と土屋に感謝。

続いて、登壇者それぞれがお気に入りのセリフや場面を紹介するコーナーへ。物語の結末に関わるシーンを中心に、キャスト陣が作品に込めた思いを語り合った。
石橋陽彩が選んだのは、和希が手紙を受け取ったあと、ピアノの前に座って演奏を始めるラストシーン。「和希にとっても、簡単に乗り越えられることではないと思います。それでも、手紙を受け取ったことで、七緒に思いを届けるように、そして自分自身も成長していくためにピアノを弾き始める。個人的に一番好きなシーンです」と、その場面に込められた意味を語った。
さらに、完成した映像を観た際にも涙がこぼれたと振り返り、「知っているはずなのに、もう会えないという寂しさと、それでも前を向いて進んでいこうという気持ちが重なり合っている。本当に大好きなシーンです」と熱い思いを明かした。和希の心の変化と成長が表れる場面に、石橋自身も深く心を動かされた様子だった。

永瀬も「七緒と和希がお互いにとって居場所であり、生きる意味にもつながっていることが伝わってくるシーン」とコメント。二人の思いが一方通行ではなく、「渡して、渡されて」と気持ちを通わせているところに、特別な魅力を感じたと語った。


土屋は、物語の終盤に描かれる手紙のシーンに触れ、幹也自身も救われたように感じたと振り返った。「自分のおせっかいが、かえって迷惑だったのではないかと思って、誰かに手を差し伸べるのが怖くなってしまう時期もあると思うんです」と心情を語り、「それでも、おせっかいかどうかにかかわらず、誰かのために手を差し伸べる勇気が、その人にとって必要なものになることもあるのかもしれません」と、本作が伝えるメッセージに思いを寄せた。
さらに、土屋はもう一つ印象深い場面として、虹が登場するシーンをセレクト。「この虹のシーンが美しければ美しいほど、その後のシーンがより心に響いてくると思います」と演出の魅力を語った。自身も虹を見るたびに七緒と同じように感動するそうで、「この虹を見るために、何度でも劇場に足を運びたいです」と作品への愛情をのぞかせた。

玉木も心に残った場面としてラストシーンを挙げた。「脚本を読んだ段階ですでに涙が出ていたのですが、映像になることで物語にさらに深みが増し、同じ場面で一層胸に迫るものがありました」と振り返った。運命に翻弄されながらも、二人が束の間の幸せな時間を共有できたとして、その思いが必ずしも報われるとは限らないという切なさにも言及。「手紙のシーンは、とても奥深いものがあると感じながら観ていました」と、物語の余韻をかみしめるように語った。
一方、虹のシーンについて話題が及ぶと、和田監督が映像表現に込めたこだわりを明かした。劇中の虹の描写は、科学的な観点から見ると実際には成立しない表現だったため、制作スタッフからも指摘を受けたという。それでも監督は「どうしても虹を光の中に存在させたかったので、私の世界では虹が光っているんです!」と、自身のイメージを大切にしたことを告白。最終的には美術スタッフの理解も得られ、思い描いていた演出を実現できたといい、本作ならではの幻想的で美しい映像が生まれるまでの舞台裏を紹介した。

最初に回答した和田監督が掲げたのは、「50代後半の和田様…満足しましたか?」という問いかけ。アニメーション制作の仕事にやりがいを感じ、ジャンルを問わず幅広い作品に挑戦したいと考えている一方、作品を完成させるたびに改善点が見つかり、なかなか満足できないのだという。「毎回毎回、満足しないんです。それがきつくて辛いので、10年ちょっと経ったら、満足して『じゃあ、さよなら』ってできるんじゃないかなと思って(笑)」と、創作活動に向き合う本音をユーモア交じりに語った。
石橋陽彩が未来の自分に向けて書いたのは、「30歳の自分へ、健康ですか? 楽しく仕事できてますか? 僕は今とても楽しいです。未来の僕も健康に気をつけて楽しく生きてください。」という温かなメッセージ。さらに「追伸、病院嫌いだと思うけど行ってね♡」と付け加え、会場の笑いを誘った。現在も健康を意識した生活を送っているという石橋は、青汁や野菜ジュースを飲むなど、日頃から体調管理を心掛けているそう。「仕事は健康が大事なので」と、将来の自分にも元気でいてほしいという思いを明かした。
永瀬アンナは「60歳の自分へ。旅してますか?」と、未来の自分に問いかけるメッセージを発表。将来は理想の温泉宿を経営したいという夢もあるといい、「60歳になった自分が訪れたら、知っている場所でも違った景色に見えるかもしれない。もっといろいろな場所を旅して、たくさんのことを吸収してから、自分の宿を作ってみたいです」と、将来への展望を語った。
一方、土屋神葉が披露したのは、「35歳の神葉へ、今もフリーですか? 30歳の神葉より」という、仕事にまつわる率直なメッセージ。現在もフリーランスとして活動している土屋は、数年後の自分がどのような働き方をしているのか気になっている様子で、未来の仕事事情を確かめたいという思いをのぞかせた

『どこよりも遠い場所にいる君へ』
10月9日(金)全国公開
出演:石橋陽彩、永瀬アンナ、土屋神葉、上坂すみれ、羽多野渉、岡本信彦、松岡禎丞、藤木直人(友情出演)、玉木宏
原作:阿部暁子『どこよりも遠い場所にいる君へ』(集英社オレンジ文庫)
監督:和田純一
脚本:桑村さや香
キャラクターデザイン・総作画監督:へちま
制作:トムス・エンタテインメント/第6スタジオ
音楽:中村弘二
主題歌:とた「オリーブ」(RECA Records)
劇中歌:とた「鳳仙花」(RECA Records)
配給:松竹
製作幹事:松竹、ポニーキャニオン
©阿部暁子/集英社・『どこよりも遠い場所にいる君へ』製作委員会
公式サイト:https://sh-anime.shochiku.co.jp/dokokimi-movie/
公式X(旧Twitter):@dokokimi_movie
公式TikTok:@dokokimi_movie

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