トークイベント
日時: 2026年8月22日(土)
場所:ジュンク堂書店 池袋本店
ゲスト:沖田修一監督、細田佳央太

有村架純×石田ひかり×姫野花春をトリプル主演に迎え、沖田修一監督・長編映画デビュー20周年となるアニバーサリーイヤーに贈る完全オリジナル新作『さとこはいつも』(9/18公開)。
『さとこはいつも』
8月22日(土)深夜、ジュンク堂書店 池袋本店で開催、丸善ジュンク堂書店の創業50周年を記念して開催された、閉店後の書店を朝まで楽しむ一夜限りのオールナイトイベント「ミッドナイトジュンクラブ」に、映画『さとこはいつも』より、沖田修一監督と劇中に書店員として登場する細田佳央太が登壇した。
『さとこはいつも』ジュンク堂

『さとこはいつも』ジュンク堂
映画公開前、一般試写も行われていないという“最速”のタイミングで行われた今回のイベント。劇中で書店員を演じた縁もあり今回の登壇が決まった細田は、ジュンク堂書店から借りたスタッフエプロンに、劇中さながらの黒縁メガネという姿で登場。
『さとこはいつも』ジュンク堂
「皆さんの前で『こんばんは』と挨拶すること自体なかなかないので、すごく新鮮で、今日ちょっとワクワクしています」と笑顔で挨拶。一方の沖田監督も「本屋さんでイベントするって、なかなかないので楽しみでした」と、書店を舞台にした特別な一夜への期待を語った。

今回のイベント場所でもある<本屋>について、沖田監督は「仕事でちょっと疲れたなっていう時とかにも行って、なんかゆっくりしようみたいな。ぐるぐる回るだけでも、なんかちょっと気分転換だったりします」と、本屋を気分転換の場としても訪れていることを明かす。そして、細田の登場シーンの撮影で使用した長野・善光寺の近くの書店についても触れ「四方がぐるっと本に囲まれているような場所で撮影したのが印象に残っています」と言い、細田も「異世界のようだった」と賛同した。
『さとこはいつも』ジュンク堂
そんな2人に最近気になってる本を上げてもらうと、沖田監督は、本作とも通じる一冊として漫画「本なら売るほど』(児島青)を紹介。「『さとこはいつも』が本の話だったりもしてたんで、『本なら売るほど』っていう漫画大賞を取った本は面白いなと思いながら読んでたりしました」とコメント、細田は、最近共演者から聞いて気になっている本として村田沙耶香の『世界99』と明かす。
続いて話題は、沖田監督が本作を生み出したきっかけへ。もともとは「15歳の中学生の女の子が、物語を書いてみようとする話」を考えていたという監督。そこから、「みんなが書こうとした物語」を原作に映画を作るというアイデアへと発展し、現在の『さとこはいつも』へとつながっていった。「言葉にまつわる映画でどんなことができるかな」と長い時間考える中で、自身にも「物語でも書いてみようかな」と思った経験があったことから、誰もが一度は抱いたことのある“自分だけの物語”を映画にしたいという思いが形になったという。

そして、映画『子供はわかってあげない』以来、約6年ぶりに沖田監督とタッグを組んだ細田。オファーを受けた時の心境について、「めちゃくちゃ嬉しかったです」と振り返った。これまで取材などで「今の目標は?」と聞かれた際にも、朝ドラや大河ドラマなどではなく、「今までご一緒した監督ともう1回やりたい」という思いが強かったという細田。中でも沖田監督の作品が大好きだったと語り、「まさかこんな早く、またご一緒できると思わなかった」と喜びもひとしお。

さらに、細田が演じる書店員のシーンがクランクインだったことも明らかに。撮影はわずか2日間だったが、「その6年分の思いを、たった2日の撮影日に込めなきゃいけない」と考え、「どうやったらもっと監督が楽しそうにしてくれるだろう」とずっと考えていたという細田。そして撮影は「めちゃくちゃ楽しかったです」と振り返る一方、なんと共演の相手役は“小鳥”だったため、「なかなか小鳥とお芝居させていただくこともない」と語り、「最初で最後にもなるんじゃないか」と会場の笑いを誘った。

そんな細田について沖田監督は、「たくましくなっていた」と6年ぶりの再会を振り返る。「じゃあ、こういうのどうですか、とか、目の前でやってくれたりするから、もう任せようと思って」と、細田に大きく委ねながら撮影したことを明かした。

本作の感想について細田は完成した映画を観た感想を「こんなに1本の映画で満足できることあるんだ」と絶賛。3人の“さとこ”それぞれの人生を描きながら、どこかでつながり、重なり合っていく物語でもある本作について「3人の物語を1本の作品の中で見られることってなくて。それがどこか近しいけど、でも別の人生をそれぞれ生きている。こんなに贅沢な映画体験があっていいんだろうかって思うぐらい、ずっと笑ってましたし、すごく楽しかった」と、熱弁。

一方、沖田監督は、3つの物語を「オムニバスみたいな映画にはしたくなかった」と説明。「3人の話なんだけど、1人の女の人みたいに錯覚しちゃうとか、そんないろんなことを考えながら見られる、ちょっとあまり他にない映画の見方ができる映画かな」と、本作独自の構造について説明した。

さらに本作を貫く「書く」という行為についても話が及ぶと「何かやってみるとか、ちょっと書いてみようとか、それが外に向けられていることじゃなくて、自分で書いたことで何か変わる、再確認するとか、そういう行為としての核が映画の中にあったら素敵だな」と語る。そして、自分の中で言葉を整え、書くことで何かが変わったり、自分自身を再確認したりすることの大切さを、本作に込めたという。

また、本作は映画だけでなく小説版『さとこはいつも』も刊行。原作のない映画であえて小説を書いた理由について監督は、「本作は文章を書く映画だったので、逆に、もうちょっと違うアプローチができるんじゃないかと思った」と説明。「映画と小説は少し違っていて、小説は小説で楽しめるし、映画は映画で楽しめる」と、それぞれ異なる魅力を持つ作品として仕上げたことを語った。
『さとこはいつも』ジュンク堂
イベント終盤には、映画を彩る音楽についてもトーク。本作では、4人目の<さとこ>でもあるシンガーソングライターの柴田聡子が劇中音楽を担当しているが、監督は、書くシーンが多い作品だからこそ「鉛筆やペンを走らせてるシーンに、人の声が乗ってもいいんじゃないか」と考え、「柴田さんのハミングはとても聞こえるような曲をお願いしたりして」「声が、やっぱ声聞きたかったんで」と明かす。さらに折坂悠太が書き下ろし、柴田聡子とともに歌唱した主題歌について細田は「この作品にどういう主題歌がつくんだろうって想像が全くできなかった」「見た時にハッとさせられました」と驚きを語り、「背景にある音まで拾いたくなるような感じがなかなかなかった」と絶賛。「映画館用、映画館で見てほしい」と、劇場での鑑賞を強く呼びかけた。
『さとこはいつも』ジュンク堂
最後に細田は、「世代問わず、映画館を出た後に、なんかちょっとやっぱり一歩踏み出しやすい、優しく背中を押してくれるような作品になっている」と本作への思いを語り、「世界観を堪能していただけると嬉しい」とメッセージ。沖田監督も「映画がこれから公開なんですけど、ちょっとお話を聞いてみて面白そうだなと思っている方がいたら、公開したら見に来てください」と呼びかけた。
“本”を愛する人々が集う、閉店後の書店という特別な空間で行われた今回のトークイベント。映画、小説、そして「自分だけの物語を書くこと」が交差する、まさに『さとこはいつも』らしい一夜となった。

『さとこはいつも』

有村架純
石田ひかり  姫野花春
黒田大輔 宮部純子 泉有乃 大月美里果 小川冬晴
青木柚 川瀬陽太 島田桃依 中井友望 中村優子
細田佳央太 鳴海唯 髙田万作 古舘寛治
吉田羊 オダギリジョー 筒井道隆

監督・脚本 沖田修一
音楽 柴田聡子
主題歌 折坂悠太 「シミレ(feat.柴田聡子)」
製作幹事 アミューズクリエイティブスタジオ
配給 ハピネットファントム・スタジオ 制作プロダクション オフィス・シロウズ
助成 文化庁文化芸術振興費補助金(日本映画製作支援事業) 独立行政法人日本芸術文化振興会
©2026 「さとこはいつも」製作委員会

公式サイト:https://happinet-phantom.com/satoko/

公式X(旧Twitter):@satoko_movie

公式Instagram:@satoko_movie

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