公開記念舞台挨拶
日時:2026年4月4日(土)
場所:kino cinéma 新宿
登壇:田中麗奈、森崎ウィン、阿諏訪泰義、石川恋、中村祐美子、宮崎美子、萱野孝幸監督

4月4日(土)、本作の公開を記念した舞台挨拶が開催され、キャストおよびスタッフが登壇した。本作は、金に魅了され「100億円の秀吉の金茶碗」を盗む計画を企てる平凡な主婦・美香子の姿を描いた作品である。

イベントには、美香子役の田中麗奈と、サラリーマン・金城役の森崎ウィンが登壇し、劇中で描かれる両者の駆け引きについても見どころの一つとして紹介された。さらに、共演の阿諏訪泰義、石川恋、中村祐美子、宮崎美子、そして萱野孝幸監督も出席した。

田中は「金を意識した衣装です」と笑顔で語った。本作で田中は、金に魅了され「100億円の秀吉の金茶碗」を盗もうとする平凡な主婦・美香子を演じている。

印象に残っているシーンについて、田中は「黄金の間」を挙げ、「映るのは短いシーンだが、撮影には長時間を要した」と振り返った。森崎と顔を見合わせながら苦笑する場面も見られた。撮影に時間がかかった理由については、「小道具もすべて金色で、映り込みに配慮する必要があったため」と説明した。美香子の夫役を務めた阿諏訪も「照明スタッフが特に苦労していた」と述べ、現場の大変さを明かした。さらに萱野監督は、「現場で工夫を重ねて撮影しており、CGは使用していない」と補足した。

また、金に囲まれた特殊な環境での撮影では予期せぬトラブルも発生し、電波障害が起きたことが明かされた。阿諏訪は「空間に圧迫感があった」と語り、撮影場所には有田焼など高価な品々が並び、価格表示もされていたと説明した。こうした環境に慣れるにつれ、高額な価格にも驚かなくなったといい、「金額に対する感覚が麻痺していった」と述べた。

阿諏訪が特に印象に残っているシーンとして挙げたのは、美香子に不倫が発覚する場面である。「田中の表情が非常に印象的で、今でも思い出すほど怖い」と語った。一方、田中は笑いながら「不倫も泥棒もしないでください」とコメントし、作品をアピールした。

石川は撮影を振り返り、「テンパリ芸を引き出してもらった」と語った。役柄については、計画に次第に巻き込まれていく人物であり、監督がカットをかけない演出によって緊張状態が続き、「演技というより本気で焦っていた」と明かした。これに対し田中は、「右足と左足が一緒に出ていた」と述べ、石川の慌てぶりを補足した。

また、本作で初めて金髪にしたという中村は、撮影当時は似合っていると感じていたものの、黒髪に戻したことで「その方がしっくりきた」と振り返った。これに対し田中は「似合っていた」とコメントしている。

中村が印象に残っているシーンとして挙げたのは、茶碗を投げる場面である。劇中では軽い素材であるかのように表現されているが、実際には本物が使用されていたといい、この発言に会場からは驚きの声が上がった。田中も「偽物として扱う場面でも本物を使用していた」と補足し、中村は「本物をいかに偽物のように見せるかを意識して演じた」と述べた。

さらに、阿諏訪がスリッパ姿で金の茶碗を持って走るシーンでも本物が使用されており、阿諏訪は「一度転びそうになり、非常に緊張した」と当時の様子を振り返った。

美香子の義母役を演じた宮崎は、田中について「真面目な人物であり、その大きな瞳で問いかけられると答えなければならないと感じる」と語った。これに対し田中は「顔に圧があるのか」と冗談交じりに応じ、宮崎や阿諏訪も「真顔に圧がある」と同調した。登壇者たちは田中の表情の印象について言及しながら、当時を振り返って笑いを誘った。

また、イベントでは「俳優にならなかった場合に目指していた職業」について答えるコーナーが設けられた。宮崎は「船乗りに憧れていた」と明かし、船舶免許を取得していることを紹介したうえで、「免許上は世界中どこへでも行けるため、それを見ながら想像を膨らませている」と語った。これに対し、司会者から実現について問われると、宮崎は冗談を交えながら応じ、さらに登壇者から「海賊ではないか」といった声も上がった。会場では映画の内容に関連した話題へと発展し、登壇者同士が笑い合う場面も見られた。

田中は「幼い頃から女優を志していた」と述べ、「それ以外の進路は考えられなかった」と語った。さらに、「女優でなければ生きていけないと感じており、演技をしていないと体調にも影響が出る」とし、「台本や演じる対象がないと息ができないように感じる」と、演技への強い思いを明かした。この発言に対し、登壇者たちは納得した様子でうなずきながら耳を傾けていた。

一方、森崎は「この流れで話しにくい」と苦笑しつつ、幼少期にはパイロットを目指していたことを明かした。宮崎の話に触発され、「将来的にはセスナの小型機の免許を取得したい」と語り、俳優でなかった場合の進路としてパイロットを思い描いたこともあると述べた。ただし、その考えについては「現実的には難しい」と笑い交じりに語っている。

さらに森崎は、パイロットへの関心の高さからフライトシミュレーターを用いて独学で学んでいることを明かし、具体的な機体名に言及しながら説明を始めたが、その様子に会場がざわつく場面も見られた。これに対し森崎は、「会場で笑っているのはほぼ自分のファンだと思う」と述べ、この話題がファンの間ではよく知られているものであることを示した。

田中は、司会者から「人生で初めて演じた役」について問われ、「小判の役だった」と明かした。昔話『ここほれわんわん』の中で、小判が地中から出てくる様子を鈴を使って表現したと説明し、その演技の様子を再現する場面も見られた。

また、同時期に『人魚姫』の舞台にも参加し、人魚が人間に変わる過程を複数人で表現する中で、自身はその中盤の役を担当していたと振り返った。これらの経験を踏まえ、本作で黄金をめぐる役を演じたことについては、「夢がつながった」といった趣旨の発言をし、笑顔を見せた。

さらに「幼い頃の自分にかけたい言葉」を問われると、「これからさまざまな出来事があるが、将来も女優として活動を続けていると伝えたい」と、博多弁を交えて語った。この発言に対し、会場からは大きな拍手が送られた。

イベントでは、田中に対しサプライズとして金色の花束と、宣伝スタッフからの感謝の言葉を記した寄せ書きカードが贈られた。スタッフからのメッセージが読み上げられると、田中は「好きなことに取り組める喜びを感じながら撮影に臨んでいた」と振り返り、充実した様子を見せた。

さらに、宣伝活動に携わったスタッフの熱意に触れ、「その思いに応えたいという気持ちで取り組んだ。自身にとっても貴重な経験となった」と語った。その後、感極まった様子で涙を見せる場面もあったが、ハンカチを探す仕草を見せていた森崎に対し「持っていないのか」と笑顔で声をかけるなど、和やかなやり取りも見られた。森崎が「持っていない」と応じると、田中が思わず笑みをこぼす場面もあり、会場は終始温かく穏やかな雰囲気に包まれていた。

田中は、本作について多彩な展開がある点に触れる中で、当日スタッフが着用していたTシャツに言及した。自身が個人的に撮影した写真をもとに、萱野監督がTシャツとして制作したものであり、結果的にグッズ化されたことを説明した。なお、このスタッフTシャツは田中からスタッフ全員へのサプライズとして用意されたものであることも明かされた。

最後の挨拶で田中は、「新しいジャンル性を感じる作品である」と述べ、本作の独自性に言及した。また、萱野監督への感謝を示しつつ、主人公・美香子について「峰不二子のような存在として表現されていた」と説明し、「もし峰不二子が結婚して主婦になった場合の姿として描かれている」と語った。さらに、役名「藤根美香子」がアナグラムであることについて萱野監督が明かし、キャストが気づいていなかったことに触れながら、会場の笑いを誘った。

田中は、ほかの登場人物の名前にも同様の仕掛けが施されていることを紹介し、「そうした点にも注目しながら複数回鑑賞することで、より楽しめる作品になっている」と述べた。最後に、本作のさらなる広がりへの期待を込めて挨拶を締めくくり、イベントは終始和やかな雰囲気の中で終了した。

黄金泥棒田中麗奈
森崎ウィン 阿諏訪泰義 石川恋 岩谷健司 中村祐美子
勝野洋 宮崎美子
監督・脚本:萱野孝幸
主題歌:広瀬香美
エグゼクティブプロデューサー:土屋健吾 プロデューサー:中村祐美子 音楽:松下雅史 撮影:宗大介
照明:平江広大 編集:萱野孝幸 録音:地福聖ニ 音響効果:前田紗佳
スタイリスト:袴田知世枝 ヘアメイク:西野黎 助監督:城也 キャスティング:中村祐美子 制作担当:原田光
宣伝プロデューサー:大﨑かれん
製作:株式会社SGC  制作プロダクション:KAYANOFILM
配給:キノフィルムズ
2026年/日本/カラー/シネスコ/5.1ch/112分
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