『Love Letter』『リリイ・シュシュのすべて』『花とアリス』『リップヴァンウィンクルの花嫁』『キリエのうた』…数々の傑作を世に送り続ける 映画監督、岩井俊二。今から30年前の1996年9月14日に公開されるや否やその独創的な世界観に熱狂する者たちが続出し、今もなお強い支持を集める伝説的傑作『スワロウテイル』が、監督完全監修のもと4Kリマスター化・Dolby Atmos化され、『スワロウテイル 4Kリマスター』として劇場公開が決定!2026年9月4日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほかにて全国公開!

公開当時33歳の若手映像作家だった岩井俊二が『Love Letter』に続いて世に放った長編映画第2作『スワロウテイル』。先んじて2025年の東京国際 映画祭にて4K版が上映されたが、この度公開となる『スワロウテイル 4Kリマスター』は、この東京国際映画祭上映バージョンにさらにブラッシュアップを重ねたものとなる。

『スワロウテイル』は、かつて“円”が世界で一番力を持っていた頃の架空都市を舞台にした物語。いつかのゴールドラッシュのような輝きを放つその街を移民たちは“円都(イェンタウン)”と呼び、一方で日本人はこの名前を忌み嫌い、移民たちを“円盗(イェンタウン)”と呼んで蔑んでいた。そんな街で、母を亡くした少女と、歌手を夢見て上海からやってきたイェンタウンの娼婦グリコが出会う。名もなき少女は胸にアゲハ蝶のタトゥーを彫っているグリコに”アゲハ”と名付けられ、上海出身のフェイホン、謎めいた男ランらが集うなんでも屋「青空」で働き始めるのだった。

三上博史、Chara、伊藤歩、江口洋介、アンディ・ホイ、渡部篤郎、山口智子、大塚寧々、桃井かおりといった錚々たる豪華キャストが集結。英語・中国語・日本語が入り混じる混沌の世界観の中、夢を追う者たちの輝きをエネルギッシュに体現している。 この危険で妖しくも、多くの者たちをひきつける無国籍都市=円都(イェンタウン)を文字通り”作りあげた”スタッフには、撮影の篠田昇、照明の中村裕樹、美術の種田洋平らが集結した。そして、音楽監督・小林武史が手掛けた劇中のバンド”YEN TOWN BAND”の名曲の数々は、公開から30年を経てもなお我々の心をつかんで離さない。

▼主演・三上博史が語った、涙の理由とは?

初出し!オフィシャルインタビュー、ついに解禁

この度、『スワロウテイル 4Kリマスター』の公開にあたり、主演を務めた三上博史が、30年の時を経て4Kで蘇った本作を鑑賞。
果たして、三上博史は30年ぶりに蘇った『スワロウテイル』を、どのように受け止めたのか――。
スクリーンに映し出された、あの日の記憶。そして、今だからこそ感じた想いとは?

三上博史が『スワロウテイル』について初めて語る、貴重なオフィシャルインタビューが到着!
さらに、鑑賞後に見せた“涙”の理由にも迫ります。
30年の時を超えて、いま再び『スワロウテイル』と向き合った三上博史。
その胸に去来した想いとは――。

Q、初号では冒頭から涙が溢れて、ずっと泣きっぱなしだったとコメント。涙の理由を検証されるいい機会になったともおっしゃっていましたが。

三上博史
「いろいろな感情が混ざり合わさっているんだろうな、と感じて1つずつ検証したのですが、自己肯定感だったんだなと思います。役者という職業は正解がないので、表現やアプローチに対して迷いや後悔がいっぱいあるんです。もちろん、その時の自分が『これだ!』と思ったものを表現するのだけど、それでもやっぱり撮影中にもそういったネガティブな感情は湧いてきます。『スワロウテイル』の撮影当時のことを、すべてはっきりと覚えているわけではないけれど、作品に、役に、3ヶ月くらいどっぷりと入っていて。フェイホンの衣装や髪型、言語をどうするのかといった造形的な準備を含めたら、もっと長い時間どっぷりとやっていたはず。そして今回の初号を観た時に『あの時の自分は間違ってなかった』と思ったんです。作品を観ての感動ももちろんあるけれど、役者としての自分を肯定して愛おしくなっちゃたりとかして。だから今があるんだって思えました。やってきたこと、選んできたこと、縁を持たなかった作品もあるけれど、そういうこと全部があったから今に繋がる。これでよかったんだなと思いました」

Q、すてきなお話ですね。

三上博史
「だから今があると思ったし、ちゃんと今があるってことは、そのちゃんとした今がこの先につながると思ったんです。今後も大丈夫って」

Q、そういったことを改めて噛み締める時間って、ありそうでないというか。作ろうと思って作っても…みたいなところもありますし。

三上博史
「そうですよね。じゃあ何が正しかったのかって話になると思うんですけれど…。今回、生まれ変わった『スワロウテイル』を観て、ちゃんとフェイホンが存在していたと思えたというか。役者としてのアプローチは人それぞれだけど、あの時、フェイホンをやった僕のアプローチは間違ってなかったと思えたっていうのかな。フェイホンはちょっと特殊な設定のキャラクターで…」

Q、どこを切り取ってもなかなか複雑な役だと思います。

三上博史
「そうなんです。作ってできるものでもないから、個人的に“役作り”という言葉は嫌いだけど、フェイホンはやっぱり作るしかない。そういった時に、僕の感性をありったけ広げて、そこに足りないものを習得していくアプローチをします。それが言語であれば英語であり中国語でもある。でも中国語をただ喋ればいいわけじゃない。僕がイメージする、監督がイメージするフェイホンってヤツの中国語なわけだから。そういった言葉から始まって、表現、アクション、所作みたいなことも必要になっていきます。たとえば、どうやってタクシーを止めるのかとか、どういう時に英語に変わるのかとか。そういった意味の役作りでは、僕は、自分を消す作業が一番大事だと思っているんです。不可能だけど、自分が出てこないようにするというか」

Q、改めて、三上さんにとって、本作はどのような存在の作品ですか?

三上博史
「参加できてとても幸せでした。撮影の篠田(昇)さんとは本当にバジェットのない 映画もインディで一緒にやってきたこともあったから、最後に一緒にこんなすてきな作品を作ることができて本当に良かったと思っています」

Q、いろいろなものが詰まった作品ですね。

三上博史
「詰まりまくってます(笑)。観て損はないと思うので、30年前生まれていなかった方には、ちょっと観てみようかな、くらいの気持ちで気軽に観てほしいです。観て損はないはず。それだけは保証できます。そして、ずっと愛し続けてきてくださった方には、4Kリマスター映像とDolby Atmosによる音響で、今まで見えていなかったものを見つける、新たな楽しみ方も堪能していただけるとうれしいです」

この「もうひとつの『スワロウテイル』」とも呼ぶべき必見の傑作ドキュメントが、8月31日17時から9月18日(金)23時59分までの期間限定で本邦初配信&YouTube無料公開!


▼初解禁! 岩井俊二監督よりオフィシャルインタビュー到着!

岩井俊二監督のオフィシャルインタビューの一部を初解禁!
当時を振り返りながら、企画の成り立ち、飛び交う言語、キャスティングなどについて語っていただきました。

Q、企画の成り立ちについて

岩井俊二監督
テレビドラマ『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』が終った1993年の9月くらいからだいたい二か月で初稿を書いたんです。だから実は『Love Letter』の話が来る前に考え始めていた企画になります。『undo』『PiCNiC』もその後に撮ったので、『スワロウテイル』はかなり最初から頭にあった作品です。だから意外にも第一作の『Love Letter』がもともとテレビ用の企画を 映画にしてほしいと請われて「急遽作らなくてはいけなかった映画」だったのに対して、『スワロウテイル』は「もともと作りたかった映画」なんですね。製作当時は円が90円台を推移している最も円高の時代だったので、おかげさまでロサンゼルスで編集ができました。
今回はそれから30年を経て、円のパワーについては全く状況が変わってしまったなかでの4Kリマスター版公開というわけです。

Q、日本語、中国語、英語など、移民的な言語が飛び交うことについて

岩井俊二監督
『スワロウテイル』でこだわった点はまさにその「言語」で、割と日本映画って外国語の会話の表現がおざなりだったでしょう?たとえば片方が英語を話して字幕が出て、片方が日本語を話している(笑)みたいなおかしな表現が昔はざらにありましたよね。一方で、今では考えられないのだけど、90年代って日本の若い観客が公然と「あ、邦画は観ません」と言っている時代で、ちょうど日本酒やウィスキーが不人気な時代があったように邦画が好まれなくなっていた。逆にシネ・ヴィヴァンみたいなミニシアターで字幕付きのヨーロッパ映画を観るのはカッコいい、みたいな時代だったから、そこはもう逆手に取ってクレジットタイトルも英語だし、外国語の会話の部分もちゃんとリアルにやる、ということを徹底しましたね。

Q,キャスティングについて

岩井俊二監督
三上博史さんは、自分的には大好きだった寺山修司の『草迷宮』の主演者でもあり、90年代はいわゆるトレンディ・ドラマのスターだったので、ぜひご一緒したい人だった。だから実は初稿があがった段階で読んでいただいていたんですが、でも「こういう企画はなかなか実現が難しいんじゃない?」って言っていましたね。
Charaさんはもともと僕がファンとしてCDを買ったりしていたんですが、『FRIED DRAGON FISH』のエンディングに曲を使わせてもらって、当時彼女がCMにも出始めていたので、それならぜひ 映画に出てほしいと思ったんです。それで『スワロウテイル』の前に一度映画を経験してもらおうと思って『PiCNiC』を撮った。
伊藤歩さんは、実は『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』のオーディションで真っ先に会った子なんですが、ちょうどその頃頭にあった『スワロウテイル』前段階の殺し屋と少女アゲハの話に凄くぴったりだ、とインスピレーションが働いて「ぜひアゲハを演ってほしい」と思ったんです。ただ『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』の少女ではないかなと思ったら、次に入って来たのが奥菜恵で、こちらにもピンと来てすぐ起用を決めたんです。だから不思議なこともあるもので、この時のオーディションは、なんとこの二人にしか会っていないんですよ。ただ『スワロウテイル』で伊藤歩さんに再会した時は、このオーディションのことは覚えていませんでしたが(笑)。渡部篤郎さんの場合は、東海テレビの『愛の天使』という帯ドラマを観ていたら、「この昼メロであまりにも異質な演技をする人がいる」と気になって来まして(笑)、オファーしたんです。


『スワロウテイル 4Kリマスター』

 【CAST/STAFF】
ヒオ・フェイホン:三上博史
グリコ:Chara
アゲハ:伊藤 歩
リョウ・リャンキ:江口洋介
マオフウ:アンディ・ホイ
ラン:渡部篤郎
シェンメイ:山口智子
レイコ:大塚寧々
鈴木野:桃井かおり

プロデュ―ス:河井真也
脚本・監督:岩井俊二
音楽:小林武史
“Swallowtail Butterfly 〜あいのうた〜”
YEN TOWN BAND(プロデュース:小林武史 ボーカル: Chara)
原作:『スワロウテイル』岩井俊二著(角川文庫/KADOKAWA刊)

撮影:篠田 昇
照明:中村裕樹
美術:種田陽平
CG ディレクター:原田大三郎

製作委員会:
株式会社OORONG-SHA/株式会社ポニーキャニオン/
株式会社フジテレビジョン/株式会社KADOKAWA/
アスミック・エース株式会社/メモリーテック株式会社

製作プロダクション:ロックウェルアイズ

配給:ポニーキャニオン

日本初公開日:1996年9月14日/148分/日本/カラー
©SWALLOWTAIL PRODUCTION COMMITTEE
公式サイト:https://swallowtail4k.jp