輝く季節を軽やかに大胆に切り取り、ゴダールが絶賛し、トリュフォーが嫉妬したという逸話をもつバカンス映画の巨匠ジャック・ロジエの「オルエットの方へ」4Kレストア版が7月5日公開される。ポスタービジュアル、予告編、場面写真が披露された。
ロジエ監督の長編第2作。9月の初め、パリで働くジョエルは、友人のカリーンと一緒に、親戚のキャロリーヌが持つ海辺の別荘にヴァカンスへ行く。ワッフルを食べたりエビをとったり、女三人、誰にも邪魔されず気ままに過ごしていたある日、偶然を装いジョエルの上司ジルベールが現れる。じつはジルベールは密かにジョエルに好意を寄せていたの。退屈しのぎにちょうどよいとジルベールと一緒に過ごす彼女たち。そんな時、浜辺でヨット乗りの青年と出会い、ジョエルは彼に惹かれていくのだが……。
海辺に降り注ぐ陽光、若者たちの笑い、ひと夏の恋……。そして、どこまでが演技で、どこまでが用意されたセリフなのか分からない俳優たちのひと夏を、日記のように映し出す。
本作公開を記念し、ジャン=リュック・ゴダールに絶賛されたロジエ監督の短編第2作「ブルー・ジーンズ」2Kレストア版公開、「ジャック・ロジエ監督特集」としてロジエ監督の過去の作品も上映される。「オルエットの方へ」4Kレストア版は7月5日からユーロスペースにて公開。
▼ギヨーム・ブラック(「みんなのヴァカンス」「女っ気なし」監督)コメント
ジャック・ロジエの映画は23年も前から私と共にあり、そして「オルエットの方へ」が私にとっての決定的な啓示となりました。
私はこの日、ほんの僅かなことから映画を作ることができ、そしてこの僅かなことを十分に信じてさえいれば、とても大きなものにできることを理解しました。
何よりもまず、私たちはロジエの子供のような視点を再発見し、どこに誘うのかわからない冒険に出発し、予期せぬことや偶然の出来事もゲームのように受け入れ、笑って、たくさん笑って、驚嘆しなければならないのです。
どの作品も、まるで初めて作る作品のように、そしてこれが最後の作品になるかのように取り組む。
思い出になる前に、今を映し取る。
ジャック・ロジエの映画は、常に同じ方向――危険、不確かなもの、自由――を指している不思議な羅針盤のようなものなのです。
2023年 / 特集上映「ジャック・ロジエのヴァカンス」に寄せて
私はこの日、ほんの僅かなことから映画を作ることができ、そしてこの僅かなことを十分に信じてさえいれば、とても大きなものにできることを理解しました。
何よりもまず、私たちはロジエの子供のような視点を再発見し、どこに誘うのかわからない冒険に出発し、予期せぬことや偶然の出来事もゲームのように受け入れ、笑って、たくさん笑って、驚嘆しなければならないのです。
どの作品も、まるで初めて作る作品のように、そしてこれが最後の作品になるかのように取り組む。
思い出になる前に、今を映し取る。
ジャック・ロジエの映画は、常に同じ方向――危険、不確かなもの、自由――を指している不思議な羅針盤のようなものなのです。
2023年 / 特集上映「ジャック・ロジエのヴァカンス」に寄せて