『男はつらいよ』ファン感謝祭イベント
日時:8月27日(木)
場所:MOVIX亀有シアター9
登壇:山田洋次監督/劇団ひとり(お笑い芸人)/北山雅康(俳優)
MC:宮瀬茉祐子(アナウンサー)

昭和44年(1969年)8月27日、山田洋次監督/渥美清主演 『男はつらいよ』 が劇場公開されました。
映画 『男はつらいよ』 は人々を笑いと涙で包み込み、のちにギネスブックに認定されるなど、総観客動員数が8,000万人を超える “国民的映画シリーズ” となりました。

そして2024年8月27日には55周年を迎え、その記念すべき日に、熱烈な“寅さんファン“が一堂に会し、寅さん愛を大いに語り合う 『男はつらいよ』 ファン感謝祭イベントを盛大に開催し、大好評を博しました!

一昨年、昨年に引き続き、今年も “寅さんファン” の方々への感謝を込めて、3回目となる 『男はつらいよ』 ファン感謝祭イベントを8月27日(木)に盛大に開催いたしました!!

当日は 『男はつらいよ』 の生みの親である山田洋次監督をはじめ、寅さんの大ファンである劇団ひとりさん(お笑い芸人)、そして 『男はつらいよ』 に三平役として出演した北山雅康さん(俳優)を迎え、『男はつらいよ』 の熱いトークを繰り広げます!また当日は、第17作 『男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け』 を上映しました!

聖地・葛飾に“寅さんに扮したファン”等が集結し、一夜限りの熱い「寅さんナイト」 を行い、日本を元気にしたいと思ってます!
『男はつらいよ』ファン感謝祭イベント会場には長きにわたって寅さんに親しんできた往年のファンから、若い世代のファンまで幅広い年齢層の寅さんファンが集合。老若男女問わず、多くの人たちが寅さんの衣装に身を包んでいたが、中にはリリーをイメージした緑のドレス姿の女性も来場するなど、会場は熱気あふれる空間となっていた。

そんな全国から集まった熱心な寅さんファンの前に立った劇団ひとりは「今日は恐れ多くも皆さんの前に立たせていただいていますが、あくまでファン代表として今日は楽しみたいと思っています」とあいさつ。
『男はつらいよ』ファン感謝祭イベント
北山が「今年もまたこの日がやってきましたね!」と呼びかけると、最後に山田監督が「1年前のことを思い出しています。この集まりは独特で、
『男はつらいよ』ファン感謝祭イベント
寅さんを愛する人たちの熱い思いに支えられて、とても楽しい時間を過ごすことができています。今日はよく来てくださいました。ありがとう」とあらためて感謝の思いを述べた。
『男はつらいよ』ファン感謝祭イベント
そしてあらためて全国各地から集まった寅さんファンを前にしたひとりは「これは僕の統計なんですけど、『男はつらいよ』ファンに悪い人はいないと思うんです。それはやはり作品を通じて、寅さんの人間愛を感じられるからだと思う」と指摘するひとり。山田監督も「この中には第1作(1969年)の時に生まれてなかった人もいるだろうけど、長い年月を経て作品のファンですと言ってくださる方がいることは、作り手として幸せだと思う瞬間ですね」と感慨深げに語った。

この日はシリーズ第17作である『男はつらいよ寅次郎夕焼け小焼け』を上映。同作はひとりにとっても一番のお気に入り作品だというが、特に太地喜和子演じるマドンナぼたんが、寅さんの全身からかもし出す無垢な愛に触れて「わたし、しあわせ」と泣くシーンを絶賛。「あそこは『嬉しい』ではなく『しあわせ』って言うんですよ。お金なんてどうでもいいと言うんです。強がりではなく、本気ですよね」とまるで“寅さんのアリア”のようにそのシーンについて詳しく熱弁すると、山田監督も「それはあの女優だからできた。大地さんの芝居を見ていると、僕も涙ぐんでいましたね」と名演を振り返った。
また、ひとりがテレビ番組の企画で、本作ロケ地となった兵庫県たつの市に“聖地巡礼”を行った時のエピソードも語られた。撮影は1976年と、およそ50年近く前に行われたにもかかわらず、「自分の感覚としては、今でも当時の風景が6〜7割ほど残っている。街の人たちが街を大事にしているんだなということを感じられた。『男はつらいよ』があったからこそ、この街に行くことができて。行って良かった」としみじみ語るひとり。「寅さんが、ぼたんとの別れ際に『いずれそのうち所帯を持とうな』という名シーンがあるんですけど、まさに撮影隊がここから撮ったんだろうなという場所がそのまま残っていて。あそこも良かったですね」と興奮冷めやらぬ様子で振り返った。
またロケ中に当時の準備稿を見かけたというひとりは、「そこにあった台本の副題が『柴又の伊達男』というもので。準備稿の段階ではまだ決まってなかったんだなと思いました」と語ると、山田監督も「やはり街の人たちがみんな街のことを愛しているし、夕方になるとあの歌(たつの市出身の三木露風が作詞を担当した「赤とんぼ」)が流れるのよね。だからこの街にはあの題名がふさわしいなと思ったんです」とファン垂涎の貴重な裏話も明かされた。
その後はファンからの質問コーナーを実施。まずは「寅さんが現代の令和に生きていたら何を売ると思いますか?」というユニークな質問が寄せられると、山田監督は「寅さんが売るのはいんちきなものだからね。変なもの買っちゃったなと思っても、寅さんの口上が面白かったからまあいいやと。そういう感じなので、あえて推薦するものはないけど、強いて言うなら古本かな。今なら『AIの利用の仕方』という本じゃないかな」とユーモアたっぷりに回答。さらにひとりも「時代が変わってもお猿のおもちゃとかを売ってほしいですよね。その時もこれはAI搭載のチンパンジーですから、とか、そういうことを言って売ってほしい」とかぶせて会場を沸かせた。
『男はつらいよ』ファン感謝祭イベント

また北山には「寅さんの映画を観ると温かい気持ちになりますが、現場はどんな感じでしたか?」という質問が。それには「監督をはじめ、スタッフの皆さんも家族のように現場にいてくださる。みんな親戚の人たちみたいで、まさに山田ファミリーという感じでしたね」と山田組の温かな現場について明かした。
さらに「監督のおかげで人生が豊かになりました」と語る男性からは、「AIの出現をどう思いますか?」という質問が。「そのことは何度も考えていますね」と切り出した山田監督は、「今は人をしあわせにする発明が生まれているんだろうかと。かつて飛行機がはじめて飛んだ時や、列車が開通した時はみんなでバンザイとやったりと、科学技術の進化はすばらしいことだったのに、今、AIという素晴らしい発展を迎えているはずなのに、みんな不安に包まれて誰も祝福しない。僕もそういう不安の中にいるひとりですね」と率直な胸の内を語った。
そうした温かさに包まれたイベントもいよいよ終盤。最後にひとりが「今日はとてもしあわせな時間でした」と感慨深い様子を見せると、山田監督からは「また来年も会いましょうね」といった温かい言葉とともにイベントを締めくくった。

『男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け』
1976年/監督:山田洋次
©松竹株式会社

 

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