『男ともだち』が第39回東京国際映画祭コンペティション部門に出品
直木賞作家・千早茜のロングセラー小説を松岡茉優主演×成田凌共演で映画化――『男ともだち』が第39回東京国際映画祭コンペティション部門に出品されることが決定した。
京都に暮らす29歳のイラストレーター・神名。仕事もプライベートも順調に見えるが、実は描きたいものを見失い、惰性と不毛な恋愛に逃げる日々を送っている。ある日突然、神名の元に大学時代の先輩・ハセオから電話が入り7年ぶりに再会、あの頃も今も変わらない2人だけの温度で接してくれる“男ともだち”と過ごす3つの夜が、彼女の人生を大きく動かしていく。主人公の神名を演じるのは松岡茉優。才能はあるが、身勝手で人間関係に不器用なクリエイターの、孤独や不安定な心情を繊細に体現、30歳を目前に人生に行き詰まるキャラクターをリアルに演じ切る。出会ったころからなぜか神名を深く理解している男ともだち・ハセオには成田凌。ぶっきらぼうに見えるが、松岡演じる神名に対しては独特の距離感で接する“男ともだち”として唯一無二の存在感を放つ。
今回、本作『男ともだち』が10月26日(月)から開催される第39回東京国際映画祭のコンペティション部門に出品されることが決定した。東京国際映画祭のコンペティション部門は、世界各国・地域から選出された作品が集い、最高賞をはじめとする各賞を競う映画祭の主要部門の一つ。三島監督は、これまでにも『少女』(2016)、『幼な子われらに生まれ』(2017)で東京国際 映画祭のJAPAN NOW部門に正式招待された実績を持つが、本作で初めてコンペティション部門に選出となる。
主人公のイラストレーター・神名を演じた主演・松岡茉優も東京国際映画祭とは縁が深く、2017年には自身の 映画初主演作『勝手にふるえてろ』(大九明子監督)がコンペティション部門に選出、作品として観客賞、松岡個人として宝石の原石を意味する東京ジェムストーン賞に輝いた。2018年(第31回)にはフェスティバル・アンバサダーを務めている。
本作は今年2月に撮影され、三島監督は、メインの舞台となる京都に加え、福井や広島など広範囲にわたって“その土地”ならではの空気感を掬い取るよう努めたという。そして、そのロケーションごとに、縦・横・奥行すべてをフルに使った立体的な画作りを演出、ロケ地選びの段階から逆算して想定されていたというから驚きだ。
さらに、三島監督が本作でもこだわり抜いたのが、徹底的なロングテイク。『幼な子われらに生まれ』でも組んだ撮影の大塚亮とイメージを共有しながら、極力カット割りを減らし、同じカットの中で刻々と変わっていく、俳優陣の微細な感情の揺れ動きや距離感の推移を生々しくもどこか切なく映しとった。「街を見せながら神名とハセオの人物像や関係性をワンカットで見せる」という、難易度の高いチャレンジを行っている。
また、鑑賞した映画評論家、 映画監督から続々と絶賛の声があがっている。
「繊細な筆使いにくすぐられながら、主人公の心の周りを浮遊する感覚。肩が触れそうな距離で寄り添って来る感覚。自分もこういう映画を撮りたいよ、三島さん。観ている間終始そう思っていた。」(映画監督 岩井俊二)
「神名もハセオも、それ以外の登場人物も完璧な存在ではなく、彼ら彼女たちの至らなさ自体を肯定してあげたい、そんな気分にさせてくれる作品だった。俳優の演技、撮影、豊かなロケーション、そして劇中画を担当された田中千智さんの美しさとおぞましさの同居した色彩と筆致――あらゆる要素が渾然一体となって生まれた、2026年の傑作。」
( 映画評論家 荻野洋一)
「これはスクリーンじゃないと味わえない。セリフや音楽で埋め尽くしている映画が多い中、じっくりとニュートラルな空気感を味わう作品になっている。」
(映画評論家 きさらぎ尚)
「映画の引用、歩く身体、移動する風景、そして絵画を重ね合わせながら、言葉にするとこぼれ落ちてしまう関係を、映画にしかできないやり方で掬い取った傑作だった。観終わってからもしばらく、その余韻に浸っていた。」
(映画評論家 北村匡平)
「共通する痛みを持つ女性と男性の、優しいロードムービーだ。彼らは、過去の傷、現在の挫折を、自身の力で乗り越えようと移動していく。誰かに癒やしてもらおうなどとみじんも考えず、見守る私たちをもその心地よいテンポにのせて導いていく。メインの物語の裏には、複層的に語られるメッセージがある。それらの物語が合流したとき、大いなる発見がある。その感情を味わいたくて、何度も見返さずにはいられなくなる。」
(映画ジャーナリスト 関口裕子)
「『恋愛関係に陥らない男女の友情』という、我々の興味を引くポップな入口から、次第に滲み出してくるのは、他者との関係性の、そして己の業だ。京都、富山、広島という3つの土地、3つの夜。そのくすんだ光のなかで、関係の曖昧さを鋭く掬い取る三島有紀子監督の演出は、やはり見事。」
(映画解説者 中井圭)
「誰かと出会って、その人と過ごした時間や、その人から受け取ったものを、自分の中に持ったまま、一人で歩いていくこともできる。そういう関係もあるんだな、と。静かに心に残る、好きな余韻でした。」
(映画ソムリエ 東紗友美)
市山尚三(東京国際 映画祭プログラミング・ディレクター)コメント
三島監督はこれまで1本ごとに着実にキャリアを積み上げて来られていましたが、この新作「男ともだち」は大きなステップアップなのではないかと思いました。男女の間に友情は成立するか?という古典的なテーマを扱いつつ、人間の持つ複雑な欲望を映し出すことに成功した作品だと思います。この 映画が東京国際映画祭をきっかけに世界に羽ばたいてゆくことを期待します。
東京国際映画祭プログラミング・ディレクター
市山尚三
三島有紀子(監督)コメント
第39回東京国際映画祭のコンペティション部門に『男ともだち』を選んでいただいたことを心から嬉しく思うとともに、映画祭の皆様に深く感謝いたします。
ロルフ・デ・ヒーア監督をはじめ、世界中の映画人、映画を愛するみなさまにご覧いただける歓びを、俳優部、スタッフ、プロデューサー、そして私、関係者みんなで心に刻んでおります。
この映画は、自分が何を描きたいのかを見失った、一人の絵描きの女性の物語です。京都、富山、広島という三つの土地で、彼女は男ともだちとかけがえのない三つの夜を過ごします。
広島の最後の夜、男ともだちは彼女に問いかけます。
「世界の終わりの日が来たら、なにしたい?」
その問いの先で、彼女の眼差しは、自分自身から世界へと開かれていきます。
かつては寓話のように聞こえた「世界の終わりの日」という言葉が、いまはもう、私たちにとってそれほど遠いものには思えません。
2026年、彼女は何を見て、何を描くのか。
2026年、私たちはこの映画を撮りました。
日本語タイトルは『男ともだち』、
英題は『Two Cigarettes, Three Nights』。
やがて灰になる二本の煙草と、三つの夜。
それは、彼女が自分の眼で世界を見るまでの「三つの夜の旅」です。
この映画が東京から世界へと旅を始め、さまざまな場所で皆さんと出会っていくことを、われわれ一同、心から楽しみにしています。
映画『男ともだち』ビジュアル(C)2026『男ともだち』製作委員会『男ともだち』
11月6日(金)新宿ピカデリーほかにて全国ロードショー
出演:松岡茉優、成田凌、井上祐貴、中島歩、咲妃みゆ、三浦貴大、余貴美子、池畑慎之介
原作:千早茜『男ともだち』(文春文庫)
監督:三島有紀子
脚本:澤井香織
音楽:安川午朗
製作幹事・配給:ハピネットファントム・スタジオ
制作プロダクション:カズモ
©2026『男ともだち』製作委員会
公式サイト:https://happinet-phantom.com/otokotomodachi/
公式X(旧 Twitter):@o_tomodachifilm
公式Instagram:@o_tomodachifilm






