完成披露舞台あいさつ
日時:10月6日(火)
場所:TOHOシネマズ六本木ヒルズ
登壇:桜田ひより、仙道敦子、小林虎之介、真木よう子、小泉孝太郎、中尾ミエ、山本學

角川春樹、中川龍太郎監督

女優の桜田ひよりが主演映画「星の教室」(11月6日公開、中川龍太郎監督)の完成披露舞台あいさつに出席した。イベントには桜田のほか、仙道敦子、小林虎之介、真木よう子、小泉孝太郎、中尾ミエ、山本學ら共演者も登壇し、作品への思いや撮影時のエピソードを語った。

桜田は「この日を迎えることができて本当にうれしいです」と喜びを語った。続けて、「今日ここにいるキャストだけではなく、たくさんのキャストの皆さん、そして作品に熱い思いを持って携わってくださったスタッフの皆さんも、この日を楽しみにしていたと思います」と振り返り、「みんなで作ってきた大切なシーンが1本の映画として形になったことがうれしい。早く皆さんに観ていただきたいという気持ちでいっぱいです」と作品への思いを明かした。

また、主人公・潤間さやかを演じるにあたり、「さやかちゃんは孤独を抱えている一方で、未来や学校に対して前向きな思いを心の中に持っている女の子。だからこそ、まずは彼女が抱えている気持ちにしっかり寄り添うことを意識しました」と、役への向き合い方を語った。

さやかの母親役を演じた仙道は、「子どもを心配する中で、親自身もさまざまなことを感じ、成長していくのだと思います。今回の作品を通して、親も一緒に成長できたのではないかと感じています」とコメント。また、桜田との共演について「ひよりちゃんのお芝居が本当に素晴らしくて、一緒にお芝居ができてよかったです」と振り返った。

夜間中学でさやかと同じクラスに通う生徒を演じた小林は、「普段の僕は品のいい男なんですけど」と冗談を交え、会場を和ませた。そのうえで、「今回は不良という役だったので、撮影期間中は普段から少し品の悪さを意識して過ごしていました」と明かした。

夜間中学の教師役を務めた真木は、「役者としても、先生としても、年上の生徒たちと向き合うという経験がありました」と現場で感じたことを語った。さらに、作中の作文をめぐるシーンにも触れ、「普通の中学校ではなかなか経験できないような、夜間中学ならではの素晴らしさが詰まった場面になっています」と作品の見どころを紹介した。

キャスト陣がそれぞれ役柄や撮影現場でのエピソードを語った後、舞台挨拶の中盤には角川総監督が登壇した。脳梗塞からの復帰後、初めて公の場に姿を見せた角川総監督は、中川監督の演出力に触れながら、その手腕を高く評価。今後どのような作品を手がけていくのか、期待を込めて語った。

角川総監督は、「『犬神家の一族』から50年というタイミングで、『星の教室』が生まれたことにも大きな意味を感じています」とコメント。続けて、かつて親交のあった紀伊國屋書店の2代目社長の言葉を紹介し、「人生には、本との出会い、人との出会い、自然との出会いという3つの出会いがある」と説明した。

そのうえで、「私はそこに“映画との出会い”も加えたい」と語り、その中でも代表作として、市川崑監督の『犬神家の一族』、大林宣彦監督の『時をかける少女』、澤井信一郎監督の『Wの悲劇』、深作欣二監督の『蒲田行進曲』、佐藤純彌監督の『男たちの大和/YAMATO』の5作品を挙げた。

そして、「中川龍太郎監督の『星の教室』は、その5作品と並べても決して見劣りしない作品だと思っています」と本作を高く評価。最後には、「これから中川監督がどのような映画を作っていくのか、とても楽しみにしています。きっとこれからも素晴らしい作品を届けてくれると思います」と、今後の活躍に期待を寄せた。

さらに角川総監督は、「AIとの勝負」というテーマについても言及した。映像や漫画など、さまざまな分野でAIによる制作が進み、ビジネスとしても成立している現状を踏まえ、「だからこそ今回は、AIには生み出せないものを映画として届けたいと考えていました」と説明。スタッフを集める段階から、その意識を共有していたという。

「どれだけ精密なものをAIが作ったとしても、そこに命や魂が宿っているわけではありません。だからこそ、人の手で魂を込め、命のある作品を作ることが今回のテーマでした」と語り、本作への強いこだわりを明かした。

また、撮影期間はわずか3週間だったといい、「現場は決して楽ではなく、スタッフからもいろいろな声が出るほど大変な撮影でした」と振り返る。一方で、完成した作品を観たスタッフからは「感動した」「5回以上泣いた」といった反応が寄せられたという。さらに自身が参加した試写会でも、作品を観終えた観客が感動のあまり立ち上がれずにいる姿を目にしたと明かし、「それを見て、魂を込めて作った映画になったのだと実感しました」としみじみ。

最後には、「『星の教室』はAIには負けない作品になったと思っています。ぜひ映画を観て、心を動かされた方には、その感想をSNSなどで発信していただけたらうれしいです」と呼びかけ、多くの観客に作品が届くことを願った。

角川総監督の言葉を受け、中川監督も改めて本作への思いを語った。自身が映画監督を志すきっかけとなった作品が、高校時代に観た角川映画の『犬神家の一族』だったことを明かし、「角川さんが今も大切にされている映画への姿勢を聞いて、胸に響くものがありました」とコメント。

さらに、「この作品には角川さんの映画に対する思いがしっかりと込められていると思います。だからこそ、できるだけ多くの方に観ていただき、その思いまで受け取ってもらえたらうれしいです」と作品に込められた理念への共感を示した。

中川監督が角川総監督への敬意と作品への思いを語ったところで、舞台挨拶は盛況のうちに幕を閉じた。

中学生の頃、いじめが原因で学校へ通えなくなり、義務教育を十分に受けられないまま大人になった潤間さやか(桜田ひより)。学歴への引け目や生きづらさを抱えながらフリーターとして日々を過ごしていたある日、さまざまな事情から学ぶ機会を失った人たちのための“夜間中学”があることを知る。
「もう一度やり直したい――」 勇気を振り絞って夜間中学の門を叩いたさやかは、中国残留孤児の蕗子(浅野温子)、ベトナム出身のスアン(ナターシャ)、料亭で修業に励む健児(小林虎之介)、韓国料理店を営む正子(中尾ミエ)、戦後の混乱の中で十分な教育を受けられなかった遠見(山本學)ら、年齢も国籍も境遇も異なる仲間たちと出会う。生徒たちに寄り添う担任教師・江口(真木よう子)や夜間中学を取材する漫画家・用瀬(小泉孝太郎)らの支えのもと、さやかの2度目の中学生活が始まる。仲間たちとの出会いは、止まっていた彼女の人生を少しずつ動かしていくのだった。
星の教室
原作:髙田郁「星の教室」(角川春樹事務所刊)
総監督:角川春樹
監督:中川龍太郎
脚本:松井香奈 角川春樹
主題歌:新しい学校のリーダーズ「見上げてごらん夜の星を」
出演:桜田ひより/ 仙道敦子 萩原聖人 / 小林虎之介 三戸なつめ 甲本雅裕 おいでやす小田 /
原田泰造  真木よう子 小泉孝太郎 / 中尾ミエ 浅野温子 / 山本學
公開表記:2026年11月6日(金)公開
配給:NAKACHIKA PICTURES/フライフリーエンターテイメント
制作プロダクション:楽映舎
©️2026 映画「星の教室」製作委員会