『ブルネロ 静かなる先見者』公開決定
「ニュー・シネマ・パラダイス」のジュゼッペ・トルナトーレ監督が、イタリアのラグジュアリーブランド「ブルネロ クチネリ」の創業者で会長のブルネロ・クチネリに迫ったドキュメンタリー「ブルネロ 静かなる先見者」が、2026年11月6日より劇場公開されることが決まった。
「ブルネロ 静かなる先見者」は、証言とアーカイブ映像、再現ドラマを織り交ぜながら、クチネリの歩みを描いた作品。農村で育った少年は、父が工場で尊厳を踏みにじられるような扱いを受ける姿を見た経験から、人間の尊厳ある働き方を求め、1978年に小さなニット工房を創業する。伝統的にニュートラルな色合いが主流だったカシミヤに鮮やかな色彩を取り入れる手法で、「ブルネロ クチネリ」は世界有数のラグジュアリーブランドへと成長していった。
成功ののち、クチネリが選んだのは拡大ではなく、人間の尊厳と美を祝福することだった。その結実が、中世の村ソロメオの再生である。荒れ果てた建物を丁寧に修復し、劇場や図書館を建て、ぶどう畑やオリーブ畑を含む公園を造園。文化と職人の技、自然、そして働く人々の営みが調和する村へと育て上げた。ソロメオは文化・環境・経済再生のモデルとして、国際的にも注目されるようになる。
トルナトーレ監督は本作を「ドキュメンタリーでも劇映画でもコマーシャルでもない、三つが溶け合う自由な試み」と語っている。音楽は、「ライフ・イズ・ビューティフル」でアカデミー賞を受賞したニコラ・ピオヴァーニ。証言者には家族や職人、経営陣、文化人が名を連ね、オプラ・ウィンフリー、パトリック・デンプシー、リード・ホフマンらも登場する。
終盤でクチネリが語る「夢は、勇気をもって育てるとき、人の運命を導く真の力となる」という言葉が、作品全体を貫くテーマとして響く。クチネリが実践してきた人間主義的資本主義と、人間の尊厳を守る働き方は、企業が社会に果たしうる役割について新たな視点を示す。ファッションのドキュメンタリーにとどまらず、人間性を大切にする働き方や生き方について考えさせる作品となっている。
【作品情報】
ブルネロ 静かなる先見者
2026年11月6日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国公開
配給:ロングライド
©BRUNELLO CUCINELLI SPA AND MASI FILM 2025





