「テート美術館 - YBA&BEYOND 世界を変えた90s 英国アート」は、11日(水・祝)より東京・六本木の国立新美術館で開催される。開催に先立ち、10日(火)には同館にてプレス向け取材会が実施され、本展のアンバサダーを務め、音声ガイドも担当する齋藤飛鳥が登壇した。

本展覧会は、テート美術館のコレクションを中心に、1990年代の英国美術における革新的な創作の動向を多角的に紹介するものである。サッチャー政権期(1979~1990年)を経て社会的緊張が高まるなか、従来の美術の枠組みを再考し、実験的な表現に取り組む作家が多数登場した。本展では、57組のアーティストによる約100点の作品を通じて、当時の創作活動が国際的なアートシーンに与えた影響を検証する。

アンバサダーには細野晴臣および齋藤飛鳥が就任しており、音声ガイドなどを通じて1990年代英国美術の魅力を紹介する。本日12時30分より実施されたプレス向け取材会には、イギリスを象徴するブランドであるバーバリーのコートを着用した齋藤飛鳥が登壇した。事前に展示を鑑賞した齋藤は、各作品について制作意図が明確で力強さが感じられ、鑑賞者に強い印象を与える作品が多いとの所感を述べた。

齋藤は、会場入口付近に展示されているフランシス・ベーコンの作品「1944年のトリプティク(三幅対)の第2ヴァージョン」を特に印象に残った作品として挙げた。同作について、赤色を基調とした表現から時代背景を想起させる点や、恐怖感を伴いながらも思索を促す点に言及し、専門的な知識がなくとも色彩の強さや雰囲気を感じ取ることができる作品であるとの見解を示した。また、作品に合わせて赤色のネイルを施してきたことも明らかにした。

齋藤は、学生時代からOasisなどのイギリスのバンド音楽に親しんできたと述べた。1990年代のイギリスについては、社会情勢の複雑さや緊張感のなかで、若い世代が自己表現として作品制作に取り組んでいた動きが感じられるとの認識を示した。また、今回のアンバサダー就任を通じて当時の英国文化への理解が深まり、さらに学びたいという意欲を持つようになったと語った。加えて、20歳前後の頃にテート・モダンを訪れた経験にも触れ、印象的な作品が多く、専門的な知識がなくとも強い印象を受けたことから、特に記憶に残っている美術館であると振り返った。

会見後半には、テート・ブリテンで現代美術部門のキュレーターを務めるヘレン・リトル氏が登壇した。同氏は、本企画が長年構想されてきたものであると説明し、個別に展覧会を開催した作家やターナー賞受賞者はこれまでにも存在するものの、それらの作家を一堂に集めた展示は初の試みであると述べた。また、本展を通じて、当時のイギリスがどのように形成され、文化的アイデンティティがどのように築かれてきたのかを来場者に伝えたいとの意向を示した。

齋藤はヘレン・リトル氏に対し、多数の作品を鑑賞するにあたり、作品から何を感じ取り、どのような視点で鑑賞してほしいのかについて質問した。これに対しリトル氏は、1990年代のイギリスの作家たちが、自らの日常や現実をどのように作品として表現しているかに注目してほしいと述べた。また、激動の時代背景のなかで、作家たちが身近な素材や日用品を用いながら非日常的な表現を生み出している点や、その背景にある物語も含めて鑑賞してほしいと説明した。これを受け、齋藤は本展について、より深く理解するために繰り返し鑑賞したいとの意向を示した。

ヘレン・リトル氏は締めくくりとして、1990年代を実体験していない世代であっても、現代社会が直面する課題やテーマとの共通性を見いだすことができる展覧会であると述べた。また、各作家が作品を通じて明確な物語を提示しており、理解しやすく幅広い層が共感できる内容であることから、来場を呼びかけた。

齋藤は、1990年代のイギリスの若い世代が強い意志や主張を持ち、それを作品として表現している点に意義を感じたと述べた。あわせて、アートに詳しくない来場者であっても身構えることなく、気軽な気持ちで鑑賞してほしいと語った。

「テート展」は2月11日(水・祝)から5月11日(月)まで東京・六本木の国立新美術館にて開催され、その後6月3日(水)から9月6日(日)までは京都市京セラ美術館 新館 東山キューブにて開催される。


■ 開催概要
「テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート」
YBA & BEYOND: British Art in the 90s from the Tate Collection

【東京展】
会期: 2026年2月11日(水・祝)〜2026年5月11日(月)
会場: 国立新美術館 企画展示室2E(東京都港区六本木7-22-2)
チケット購入:
https://eplus.jp/sf/word/0000173155

休館日:毎週火曜日
※ただし2026年5月5日(火・祝)は開館
開館時間:10:00~18:00
※毎週金・土曜日は20:00まで ※入場は閉館の30分前まで

主催: 国立新美術館、テート美術館、ソニー・ミュージックエンタテインメント、朝日新聞社
協力:日本航空、ヤマト運輸
後援:ブリティッシュ・カウンシル、J-WAVE

*巡回情報
【京都展】
会期: 2026年6月3日(水)〜2026年9月6日(日)
会場: 京都市京セラ美術館 新館 東山キューブ(京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124)
主催: テート美術館、ソニー・ミュージックエンタテインメント、ABCテレビ、キョードーエンタテインメント、京都新聞、FM802/FM COCOLO、京都市
協力:日本航空、ヤマト運輸
後援:ブリティッシュ・カウンシル

展覧会公式サイト:
https://www.ybabeyond.jp/