映画『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』で主演したティモシー・シャラメが、ゴールデングローブ賞を初受賞した。


ティモシー・シャラメが、熱狂的なコメディ映画『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』でゴールデングローブ賞を初めて手にした。これまで4度ノミネートされながらも受賞に届かなかった彼にとって、今回の受賞はキャリアの節目となる瞬間であり、過去の経験があったからこそ、より深い意味を持つものとなった。

シャラメはこれまで、『君の名前で僕を呼んで』や『ビューティフル・ボーイ』、『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』、そして昨年の『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』でゴールデングローブ賞にノミネートされてきた。しかし、いずれの授賞式でもトロフィーを手にすることはできず、悔しさとともに会場を後にしてきた。

それでも、本人はその経験を否定的に捉えてはいなかったという。シャラメは受賞後のスピーチで、父から教わった価値観に触れ、「父は僕に感謝の精神を植え付けてくれたんだ」と語り、「常に自分が持っているものに感謝しなさい」という言葉が支えになっていたことを明かした。そのため、過去の授賞式で受賞を逃した際も、胸を張って会場を後にすることができたという。

そして今回の受賞については、過去の落選があったからこそ意味を持つ瞬間だと振り返り、「あの瞬間があったからこそ、この瞬間がより甘美なものになった」と率直な思いを口にしている。

『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』は、架空の人物マーティ・マウザーが卓球チャンピオンになるという夢を追い、数々の試練に立ち向かっていく物語だ。本作でシャラメは、ジョシュ・サフディ監督のもと、これまでのイメージを更新する野心的な役柄に挑戦した。

受賞スピーチでシャラメは、まず監督への感謝を口にし、「ジョシュ・サフディ、心の底から感謝してるよ」と語り、「この役をくれてありがとう。僕を信じてくれてありがとう」と続けた。さらに、A24とともに脚本を手がけたロナルド・ブロンスタインにも言及し、「A24とジョシュと一緒にこの脚本を書いたロニー・ブロンスタイン」と名前を挙げながら、作品を支えた制作陣への敬意を示している。

また、グウィネス・パルトロウやオデッサ・アジオン、ケビン・オレアリー、タイラー・オコンマ、アベル・フェラーラ、フラン・ドレシャーら共演者たちにも感謝の言葉を送り、キャスト全体で作品を作り上げた手応えをにじませた。スピーチの終盤では、「この映画のすばらしいキャストのみんな……」と語りかけ、恋人のカイリー・ジェンナーにも「君なしではこんなこと成し遂げられなかった。心から愛しているよ」と感謝を捧げた。

監督、脚本家、共演者との信頼関係の中で生まれた本作は、シャラメにとって新たな代表作となり、今回のゴールデングローブ賞受賞へとつながった形だ。

本作でシャラメは主演を務めただけでなく、オリジナル映画である『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』を世に広めるため、異例ともいえるプロモーション活動にも力を注いだ。彼は自ら先頭に立ち、まるで“一人マーケティングマシーン”のように作品の存在感を高めていった。

具体的には、有名な友人たちに1950年代風のウィンドブレーカーをプレゼントしたほか、ニコロデオン・オレンジ色の飛行船を全米各地で飛ばすといった大胆な施策を実施。さらに、ラスベガスのスフィア頂上に登る姿もSNS上で拡散され、大きな話題を呼んだ。こうした行動はいずれも、映画そのものへの関心を喚起することを目的としたものだった。

結果として、『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』は世界興行収入8400万ドルを記録し、現在も数字を伸ばし続けている。主演俳優自らが積極的に作品を背負い、観客との接点を生み出してきた姿勢は、興行面での成功を支える大きな要因となった。


シャラメは本作で、ミュージカル・コメディ部門の主演男優賞にノミネートされ、ジョージ・クルーニーやレオナルド・ディカプリオ、イーサン・ホーク、イ・ビョンホン、ジェシー・プレモンスといった実力派俳優たちと並んで名を連ねた。スピーチで本人が「この部門は激戦だった」と語った通り、競争は熾烈を極めていた。

一方で、批評家協会賞をはじめとする前哨戦で評価を積み重ねてきたこともあり、シャラメはゴールデングローブ賞の最有力候補と目されていた。演技面での評価に加え、作品への深い関与と献身的な姿勢が実を結んだ今回の受賞は、俳優としての成熟と次なるステージへの到達を印象づける結果となった。

映画『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』ティザービジュアル監督・脚本:ジョシュ・サフディ
出演:ティモシー・シャラメ(『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』)、グウィネス・パルトロウ(『アベンジャーズ』シリーズ)、オデッサ・アザイオン(『ヘルレイザー』)、ケビン・オレアリ―、タイラー・オコンマ(タイラー・ザ・クリエイター ラッパー)
配給:ハピネットファントム・スタジオ
2025年/アメリカ/英語/149分

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