『愛に乱暴』で世界の映画祭を沸かせた森ガキ侑大監督最新作『架空の犬と嘘をつく猫』が、高杉真宙を主演に迎え2026年1月9日(金)より全国公開となる。
原作は、『川のほとりに立つ者は』で本屋大賞にノミネートされた寺地はるなの同名小説。脚本は『浅田家!』で日本アカデミー賞脚本賞を受賞した菅野友恵。そして、主人公・羽猫山吹(はねこ・やまぶき)を演じるのは、映画『劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室 南海ミッション』、『盤上の向日葵』、テレビドラマ「ロイヤルファミリー」と出演作が相次ぎ、現在大活躍中の高杉真宙だ。その他、山吹の幼馴染で恋人となる佐藤頼を伊藤万理華、山吹の初恋の相手、遠山かな子を深川麻衣が演じるほか、母・雪乃を安藤裕子、姉・紅(べに)を向里祐香、父・淳吾を安田 顕、そして祖母役に余貴美子、祖父役には柄本 明ら幅広い世代の実力派俳優たちが集結した。さらに、お笑いタレント・脚本家、女優とさまざまな顔をもつヒコロヒーや本作の舞台となった佐賀出身のはなわなど、バラエティに富んだ出演者たちが脇を固めている。弟の死により現実を見なくなった母親を筆頭に、家族誰もが“不都合な真実“から目をそらし、それぞれの嘘を重ねながら、それでもなお一緒に暮らしている“機能不全”の羽猫家の約30年間を描いた物語は、不完全で、やっかいで、でもどこか愛おしい――そんな家族のかたちを、森ガキ侑大監督が丁寧に紡ぎ、観る者の心に温かさと優しい希望を届けてくれる。
タリン・ブラックナイト映画祭で撮影賞を受賞!
世界15大映画祭のひとつ、タリン・ブラックナイト映画祭(PÖFF)。2025年11月7日から開催されてきた本映画祭が架橋を迎え、公式コンペティション部門に選出されていた本作が撮影賞を受賞した! 現地を訪れていた森ガキ監督は、ワールド・プレミアとなった15日の公式上映以降、現地の映画人たちと交流を続けていた。本作の上映後には毎回、森ガキ監督へ感想を伝えようとする観客が後を絶たず、「今年観た中で最高の映画でした」、「とても楽しくて美しかった」、「普段見ている映画は音の種類が多すぎる感じがする中で、この映画は普通の日常の音が反映されたりしていて落ち着いて美しい映画でした」、といったコメントや、「この作品が本当に大好きです。物語にすごく心を動かされましたし、監督も素晴らしかったです。とてもいい時間でした。時間がゆっくり進む映画だけれど、その分とても胸に響く重みがあります。こういった素晴らしいテーマの映画を作ってくれて、本当にありがとうございます」といった絶賛の感動コメントや、「すごく考えさせられたし、物語に引き込まれるような感覚がありました。とても美しい体験でした。日本映画ならではの感覚を楽しませてもらいました」といった賞賛の声が多く届いている。
そんな本作がこの度、見事撮影賞を受賞し、世界15大映画祭の一つという世界的な場で高い評価を獲得した。本作の撮影を担ったのは、長年に渡って日本映画界を見つめ続けてきたレジェンドカメラマンの山﨑 裕(やまざき・ゆたか)。『ワンダフルライフ(After Life)』(是枝裕和監督/1999) で初めて劇場用映画を手掛け、以降『Distance』(2001)、『誰も知らない』(2004)、『花よりもなほ』(2006)、『歩いても歩いても』(2008)、『奇跡』(2011)、『海よりもまだ深く』(2016)と是枝作品の多くを担当してきただけでなく、河瀨直美監督の『2つ目の窓』など、数々の映画や番組で撮影を担当してきた。全編、原作者・寺地の故郷である佐賀でのロケとなった本作でも、土地ならではの優しい空気を映像に映し出し、【日本らしく落ち着いていて、詩的で美しい映像】という評価を受け、今回の受賞に繋がった。
『おじいちゃん、死んじゃったって。』で同映画祭のNETPAC AWARD(最優秀アジア映画賞)を受賞して以来、8年ぶりに戻ってきたタリン・ブラックナイト映画祭での結果に森ガキ監督は、「8年ぶりのタリンブラックナイト映画祭のコンペティションはカンヌ国際映画祭やベルリン、カルロヴィヴァリ国際映画祭などで、受賞をもつ監督たちが参加する映画祭へと変わっていました。そんな映画祭で撮影賞をいただけたことに大変嬉しく思います」とその喜びを明かし、「山﨑さんと、演出にたいする撮影方法を話している時間が何より尊いと感じました。毎日、撮影終わりに2人で反省会をしたのを覚えています。山﨑さん、おめでとうございます!!」と共に作品を作り上げた山﨑さんへ、感謝とお祝いの言葉を贈っている。
森ガキ監督/コメント全文
8年ぶりのタリンブラックナイト映画祭のコンペティションはカンヌ国際映画祭やベルリン、カルロヴィヴァリ国際映画祭などで、受賞をもつ監督たちが参加する映画祭へと変わっていました。そんな映画祭で撮影賞をいただけたことに大変嬉しく思います。
いつも山﨑さんは、優しく。監督の側で映画にとってこのシーンはこうであるという導きを画で伝えてくるのが、すごく心地よい時間でした。山﨑さんと、演出にたいする撮影方法を話している時間が何より尊いと感じました。毎日、撮影終わりに2人で反省会をしたのを覚えています。山﨑さん、おめでとうございます!!
最優秀撮影賞:山崎 裕、『架空の犬と嘘をつく猫』審査員講評
山崎裕の静謐な撮影と、作品全体のデザイン、そして視覚的センスが融合し、観客はある家族の葛藤に満ちた世界を、その葛藤とは対照的なシンプルさで描き出す。精緻な構図、抑制されたカメラワーク、そして色彩は、まさに日本の古典的手法であり、登場人物たちの抱える問題を誇張や陳腐な表現なしに表現できる、完成された世界へと私たちを誘う。それは優雅で静謐な雰囲気を醸し出し、内面の葛藤や感情的な解決への切望を覆い隠し、観客が空白を埋めることができるような風景を作り出している。
不完全で、やっかいで、でもどこか愛おしい――。そんな家族の“嘘”と“絆”を丁寧に紡いだ映画『架空の犬と嘘をつく猫』は2026年1月9日(金)より公開予定。今後の続報に期待いただきたい!






