初日舞台挨拶
日程：11月22日（金）
場所：有楽町朝日ホール
登壇：北村匠海、榎本司、加藤庵次、穐本陽月、内山拓也監督
第26回東京フィルメックスのコンペティションに選ばれた映画「しびれ」のワールドプレミアが本日11月22日、東京・有楽町朝日ホールで開催。舞台挨拶にキャストの北村匠海、榎本司、加藤庵次、穐本陽月、監督の内山拓也が登壇した。
本作は、内山監督が故郷・新潟を舞台に、自身の原体験を重ねながら“居場所”と“アイデンティティ”を探す少年の20年間を描いた自伝的な作品である。北村匠海は、青年期の主人公・大地を演じた。
これまで「佐々木、イン、マイマイン」「若き見知らぬ者たち」などで、“抗えないものとどう向き合うか”をテーマに作品を手がけてきた内山監督は、本作について「過去が未来を決めるわけではないという道のりを描きたかった。その思いが『しびれ』という作品につながりました」と語る。
北村は、監督との私的な出会いをきっかけに「いつかご一緒したい」と感じていたという。脚本が監督の人生で初めて書いたものだと知り、当時は朝ドラ撮影の最中で迷いもあったが、重ねた対話を経て出演を決意。「『一緒にこの映画で心中してくれ』という監督の言葉に胸を打たれ、この作品を誰よりも愛そうと思いました」と振り返った。
撮影を終えた北村は、「ホクロを消すなど、自分らしさを抑える作業をしました。オールアップの際に監督と抱き合ったとき、この日々は間違っていなかったと実感しました」と語る。役作りでは“心の枯渇”を表すため、睡眠や食事を抑えるなど徹底した向き合い方をしたといい、「自身の出演作の中で最もクマが出ています」と笑顔で明かした。
少年時代の大地を演じた榎本、加藤、穐本の3人について、内山監督は「顔の似ている・似ていないではなく、目に宿るものを重視しました」とキャスティング理由を説明。榎本は「監督は子ども扱いせず対等に話してくれた」と述べ、加藤は「『あなたが感じる庵次の気持ちが大地の気持ちだよ』と言われ、深く役に入り込めた」と話す。穐本も「撮影前に学校や好きなラーメンの話をしてくれて安心できました。監督が大好きです」と笑顔を見せた。
北村は3人の演技を「本当に素晴らしい」と称賛。「3人の純粋さに触れ、自身を消す必要があると感じました。過酷な撮影に挑み、体当たりで向き合う姿に涙が出ましたし、その思いを受け継ぎ4人目の大地として臨みました。最後は監督にも返したい気持ちがあり、監督は“5人目の大地”のような存在です」と語った。
監督・原案・脚本：内山拓也
出演：北村匠海 宮沢りえ
榎本 司 加藤庵次 穐本陽月
赤間麻里子 / 永瀬正敏
企画・制作：カラーバード
製作幹事・制作プロダクション：RIKIプロジェクト
配給：NAKACHIKA PICTURES
