映画

THE YELLOW MONKEY 吉井和哉 登壇!映画『みらいのうた』完成披露舞台挨拶

THE YELLOW MONKEYのボーカル・吉井和哉に、3年以上に渡って密着したドキュメンタリー映画『みらいのうた』の完成披露舞台挨拶が11月18日に都内映画館にて実施され、吉井とエリザベス宮地監督が登壇した。

本作を制作するにあたり、2022年頃から500時間以上、宮地監督はずっとカメラを離さずに吉井を撮影していたといい、「残りの映像は僕の家のハードディスクにあります。最初ラフに編集した時は50時間でした」と述懐。すかさず吉井も「それは特典映像で。入浴シーンもありますよね?」と冗談めかし、会場は大笑い。

そもそも、このドキュメンタリー制作の企画は、映画化を前提としたものではなかった。吉井がポリープの治療でライブ活動を休止していた時期に、「ソロアルバムを作るにあたって、自分の半生を振り返るようなショートドキュメントを」というアイディアからスタートしたものだったという。

だが、その撮影の途中で吉井自身の体に異変が見つかる。「喉の状況の雲行きが怪しくなってきちゃって。監督にはLINEで伝えました。『がんになっちゃいました(笑)』みたいな感じで」と微笑みまじりで語る吉井に対して、宮地監督も「本当にそんな感じだったんで、ビックリしちゃったんです」と当時を振り返る。

しかし、ドキュメンタリーの制作を中止することはなく、「死ぬわけじゃないらしいので、このまま撮影を続けてくださいということはお伝えしました。ちょうどその頃にBiSHの解散ラストシングルの話が来て。たまたま監督がBiSHのドキュメンタリーを撮っていたんです」と振り返った吉井。

しかし、宮地監督自身はこの偶然の繋がりを把握していなかった。「BiSHは2017年ぐらいからずっと撮っていたんですけど、吉井さんにBiSHからオファーがいったというのは、吉井さんから聞いたんです」と明かした宮地監督。「僕が吉井さんのドキュメンタリーを撮っているということを、BiSH側に伝えていなかったんです。そこがたまたま結びついたんです」と語り、運命的な結びつきに感慨深い様子だった。

『みらいのうた』メインビジュアル

吉井のドキュメンタリーを撮るにあたり、「最初はすごく緊張していたんですけど、吉井さんは最初からフレンドリーに接してくれた」と語る宮地監督。そのやり取りは事務所を介さず、吉井と宮地監督が直接やり取りを行った。

劇中では、助手席に乗った宮地監督が、運転する吉井の姿を映すシーンがしばしば登場したが、それは吉井が宮地監督を車で迎えに来たところで撮影したものだったという。吉井も「自分の車もありますけど、最後の方はレンタカー。自分で手配して借りてますからね。僕が(レンタカーの)車の傷もチェックしましたからね……なんだか急に腹が立ってきた(笑)。普通こういうのはマネジメント側が用意しますよね」と冗談めかしながらも訴えかけて、会場は笑いに包まれた。

そんなプライベート感あふれる静岡での撮影だったが、登場する吉井の母親や同級生への取材もすべて当日にアポを取ったものだった。「同級生にも何人か出てもらってるんですけど、全部当日アポです。暇だろうと思ったんで(笑)。母親にも当日に連絡したら『(部屋を)片付けてないから困る!』とめっちゃキレられました(笑)」と振り返った吉井。さらに「実は母親がまだこの映画を観てないんですよ。だから俺、ドキドキしてるんですよ。一番ダメ出しするのは母親だと思うんで」と笑いながら付け加えた。

また本作について、「自分のことを追いかけてもらっていたのに、初めて観た時は、すごくワクワクしたんですよ。自分のことなのにそう思うんだから、おそらく皆さんも楽しんでもらえるんじゃないかなと。僕の人生のキャリアのほとんどはミュージシャンだったわけですが、この映画のためにミュージシャンになったんじゃないかと思うくらい。過去にさかのぼりながら未来に向かっているような、不思議な感じがします」と噛み締めるように吉井は語る。

そんな中、「これはノロケ話ではないんですけど、撮影期間中に恋人だった女性と結婚したんです」と明かした宮地監督に会場からは祝福の拍手が。
その拍手に照れくさそうな顔を見せた宮地監督は「吉井さんやEROさんを撮影して、家に帰ると『吉井さんの撮影をするたびに優しくなってるよ』と(妻に)言われたことがあって、それがすごくうれしかったんです」と告白。「振り返ってみれば、吉井さんやEROさんの優しさをすごく思い出す3年間だったなと思っています」としみじみ付け加えた。

そんな宮地監督の朗らかな姿に吉井も「ドキュメンタリーのカメラマンの方って、(映像の)切り取り方とか繋ぎ方とかクセが強い人もいたりするんですけど、宮地監督はすごく品が良くて。僕はそこですごく油断してしまったというか。見事に後ろから抱かれてしまったというか。だから、僕の魂が撮っているみたいな感覚。(監督と)一心同体な感じが絶対伝わると思うので。EROさんだってあんな風に(撮影)初日から人を部屋に入れないんですよ。でもあのEROさんが、あの猛獣が、フニャンとなっちゃったんで。そこを注目して観ていただきたいです(笑)」とコメント。

そして、これから本編を観る観客に向けて宮地監督は「僕は、吉井さんがEROさんの家で過ごしてる時間がすごい好きで。先ほど吉井さんがおっしゃった、時間がさかのぼるような感覚というのを、撮っている僕もちょっと味わったんです。年齢とともに人間って変わると思うんですが、ふたりの間に流れている空気みたいなものは、昔から変わってないんだろうなと感じた瞬間があって。そこに永遠みたいな、ずっと続きそうなものを見た感じがありました。きっと皆さんにも、吉井さんにとってのEROさんのような存在の方がいらっしゃると思います。その人のことをちょっとでも思い返してもらえたら幸いです」と呼びかけた。

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