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「連続ドラマW シャドウワーク」完成報告会

WOWOWで23日に放送・配信がスタートする「連続ドラマW シャドウワーク」の完成報告会が17日、東京・辰巳のWOWOW Labで行われ、主演を務める多部未華子、桜井ユキ(38)、JO1の川西拓実石田ひかり寺島しのぶが出席した。

夫から長期間にわたりDVを受ける専業主婦・紀子を演じた多部は、役作りを振り返り、「実際にこのような状況に置かれている方がいるのか、最初は想像が追いつかない部分がありました。台本を読んだ段階でも現実味をつかみにくかったのですが、紀子の芯の強さや揺るがない思いを大切にしながら演じたいと考え、撮影に臨みました」と語った。

DVの描写については、「表現として適切か迷うところもありましたが、痛ましさが伝わらなければ物語の流れが成り立たないため、どのように表現すべきかスタッフの方々と丁寧に話し合いながら取り組みました」と説明している。

本作は、江戸川乱歩賞作家・佐野広実による同名小説が原作。DVに苦しむ女性たちが、生き延びるために結びついていく“深い連帯”をテーマにしたミステリー作品となっている。物語は、「江ノ島の一軒家で人生を立て直していく女性たち」と「館山で発見された女性の不審死を追う刑事」という、関連がないように見える二つの視点から進行し、物語がどのように重なり合うのかが見どころとなっている。

夫からの深刻なDVを受けた末に、DV被害者の女性たちが暮らす江ノ島のシェアハウスへとたどり着く主人公・紀子を演じた多部さん。役作りを振り返り、「実際に同じような状況にある方がいるのか、最初は信じられない気持ちでした」と驚きを語った。ハードな場面の撮影については、「表現の仕方として適切か迷う部分もありましたが、物語の流れを成立させるためにも“痛々しさ”が伝わることを意識しました。スタッフの皆さんと多く話し合いながら進めた結果、しっかりと描けたのではないかと思います」と話している。

作品のテーマ上、重いシーンが多い一方で、撮影現場の雰囲気はとても温かかったという。「キャストもスタッフも本当に素敵な方ばかりで、現場はとても居心地が良い時間でした。役としては葛藤を抱える場面が多いのですが、撮影そのものはとても楽しかったです」と笑顔で語った。

また、シリアスな場面への切り替えは寺島の一言がきっかけになることも多かったそうで、「和やかな会話から作品の話に移ると、空気が一気に引き締まる瞬間があり、その切り替えの見事さに感心しました」と、その姿勢に敬意を示していた。

寺島は本作について、現代社会で実際に起きている性被害や動物虐待、児童虐待など、弱い立場の人々が力を持つ者によって傷つけられてしまう現状に触れながら、「フィクションではありますが、弱者を踏みにじろうとする“強者”が最終的にどうなるのかを示す、ひとつの注意喚起にもなる作品だと思います」とコメントした。また、「警察が事件を早く解決してくれればと、演じながら感じる場面もありました」と述べ、物語を現実に置き換えて受け取ってほしいという思いを伝えた。

この言葉を受け、多部は「本作は、傷ついた女性たちが自分自身と周囲を信じ、希望や勇気、決意を持って人生を切り開いていく物語です」と説明。「DVに悩んでいる方だけでなく、何かしらの困難を抱えている方にとって、少しでも前に進むきっかけになれば嬉しいですし、エンターテインメントとしても楽しんでいただけたらと思います」と、視聴者へ向けて温かなメッセージを寄せた。

桜井は、自身が演じる役について「一見すると強い女性に見えるものの、さまざまな事情を抱えながら刑事として務めている人物です。その思いを周囲に悟られないように振る舞う姿には、繊細さや危うさが感じられました」と説明した。
さらに、「物語が進むにつれて、作品全体の雰囲気や薫の印象が少しずつ変化していきます。その変化も大きな見どころの一つだと思います」と述べ、作品の魅力について語った。

後半、多部演じる紀子が訪れるシェアハウスの「あるルール」にちなみ、家族や自身に課している決まりごとについて尋ねられた石田は、フリップに「私はもう何もしませんよ! みなさんそれぞれでお願いしますね!」と記し、その理由を説明した。
石田によると、2人の娘が成人したことを機に、「これからは家のことを皆で分担していこう」と家族に伝えたという。

「家事からの卒業」とも言える決意を示した石田だが、「コップやスプーン、お箸などをシンクに残さないように」と家族へお願いしているものの、実際には残っていることも多いそうで、「もっと早い段階から伝えておけばよかった」と率直な思いを語った。

川西は、自身の習慣として「夜風を浴びること」を挙げた。
夜になると不安やつらいことを思い出してしまうことがあると明かし、そのリセットの方法として夜風に当たる時間を大切にしているという。

日本の四季の移ろいを感じられる夜風がとても心地よく、「季節ごとの風に触れて気持ちを切り替えるのが好き」と語り、眠る前に夜風を浴びることを日課にしていると話した。

多部は、フリップに「足首を常に温める」と記し、その理由を説明した。

多部によると、「足首はとても冷えやすいので、寒くなるこれからの季節は特にしっかり温めるようにしている」とのことで、「足首を温めることが毎日の習慣であり、自分なりのルールになっている」と話していた。

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