初日舞台挨拶
日程:11月14日(金)
場所:ユナイテッド・シネマ豊洲
登壇:舘ひろし、眞栄田郷敦、尾上眞秀、藤井道人監督
映画「港のひかり」初日舞台挨拶が本日11月14日に東京のユナイテッド・シネマ豊洲で開催され、キャストの舘ひろし、眞栄田郷敦、尾上眞秀、監督の藤井道人が登壇した。
既に多くの感想が寄せられている本作について、35mmフィルムで撮影された点に触れた舘「最近はフィルムで撮る作品がほとんどありません。そんな中で大作さんのこだわりで35mmに焼き付けた映像には、深みを感じました」と話した。藤井監督にとっても初めてのフィルム撮影となったが、「普段とは違う映画作りを楽しめました」と、独特の現場だったことを振り返った。
また、渡哲也さんを思わせるという声が寄せられたことについて舘は、「そう演じようと思ったわけではない」としつつ、「40年以上一緒に過ごしてきたので、自然と似てくるところもあるのかもしれません」とコメント。本作を見て自身でも「顔は似ていないけれど、雰囲気や佇まい、顔の角度など似ている部分がある」と感じたという。
青年期の幸太を演じた眞栄田「おじさんとの出会いのおかげで今幸せに生きている、という気持ちがにじみ出せればと思って演じました」と作品への想いを語り、舘さんとの共演については「接しやすい空気を作ってくださり、とてもやりやすかったです」と話した。藤井監督も「素晴らしい目を持つ俳優の皆さんとご一緒できた」とキャストを称え、とくに尾上は「撮影のために多くの訓練をしてくれた」と感謝を述べた。
作品にちなんで“誰かのためについた優しい嘘”を問われると、舘は「自分のための嘘ばかりです」と笑い、かつていちごアイスを1日に数個食べていた時期があり、奥様に内緒で食べ、「食べた?」と聞かれて「食べていない」と答えていたエピソードを披露した。尾上さんは「薬を飲んだ? と聞かれた時に、飲んでいなくても『飲んだよ』と言ってしまうことがある」と話した。
一方、眞栄田は「嘘をついたり、お世辞を言ったりするのが苦手」と明かし、「正解のない世界で『よかったよ』と言われても疑ってしまう自分がいて、それが嫌になることもある。この作品については率直な意見を聞きたい」と観客に呼びかけた。対照的に舘は、「僕は嘘でもいいから褒めてほしいタイプです」と場を和ませた。
さらに舘は、本作での演技について「最初から気持ちでぶつかると決め、形ではなく心で演じようとしました」と振り返った。藤井監督は、「舘さんとホテルで翌日のセリフを確認したり、フィルムならではの制約と可能性について話し合ったりした時間はとても幸せでした。主演として三浦をどう生きるかを一緒に考えてくださり、映画の仕事を選んでよかったと感じました」と感慨深げに語った。
印象的だったキャラクターや演技についての話題も挙がった。舘は、眞栄田の演技に触れ「今後の活躍が期待される存在だと感じた」と好意的に評価し、「目の印象が特に良かった。俳優にとって重要な要素だと思う」と語った。また斎藤工についても、役作りの一環として眉を剃るなどの変化に挑んだ点を挙げ、「強い意志を持って取り組んだ素晴らしい芝居だった」と述べた。
眞栄田は椎名桔平の名前を挙げ、「突然歌い出すなど、独特で印象深い表現が多く、今後参考にしたいと思う部分があった」とコメント。眞秀は「舘さんの声には温かさがあり、安心感がある」と語り、場を和やかにした。
監督・脚本:藤井道人
企画:河村光庸
撮影:木村大作
美術:原田満生
音楽:岩代太郎
出演:舘ひろし 眞栄田郷敦 尾上眞秀 黒島結菜 斎藤工 ピエール瀧 一ノ瀬ワタル MEGUMI 赤堀雅秋 市村正親 宇崎竜童 笹野高史 椎名桔平
配給:東映 スターサンズ
©2025「港のひかり」製作委員会















