<第三回東京インディペンデント映画祭授賞式概要>
【日時】11月1日(土) 15:40-16:10 授賞式
【場所】ワテラスコモン(WATERRAS COMMON)ホール/3階
(〒101-0063 東京都千代田区神田淡路町2丁目101番地)
【登壇者】
藤井道人(映画監督)、吉岡里帆(俳優)
受賞作品監督:寺田悠真(監督)、宮部一通(監督)、chavo(監督)、西端実歩(監督)、高平桃見(監督)
同映画祭は、「次世代の映画監督を育成する」をモットーに、新たなムーブメントを呼び起こす「夢のある映画祭」として、2022年に誕生。第3回目となる本映画祭は「アートによるまちづくり」を新たなテーマに掲げて開催され、グランプリ作品受賞の寺田悠真監督には、総額1500万円規模のスカラシップ支援のもと、藤井監督プロデュースによるオリジナル作品の制作権が授与された。
受賞式では、藤井監督と吉岡氏がプレゼンターを務めた。入選作品には、西端実歩監督の『エッセル坂を越えて』と高平桃見監督の『軽トラック娘』が選ばれ、審査員特別賞には chavo 監督の『BARA』が選出された。準グランプリには宮部一通監督の『つぐない』が選ばれ、そして栄えある第3回「東京インディペンデント映画祭」のグランプリには、寺田悠真監督の『NOVA』が輝いた。
寺田監督は受賞に際し、「このような賞に選んでいただき、大変光栄に思います」と喜びを語った。続けて、「映画監督を志して二十歳の頃に上京し、現在は助監督として活動しながら監督を目指しています。本作は、その過程で出会った仲間たちと共に、約3年をかけて完成させました」と制作の経緯を振り返った。
また、「この作品が、監督としての新たな一歩につながれば嬉しいです。『NOVA』は今後、劇場公開も目指していますので、ご関心をお持ちの方はぜひお声がけください」と今後の展望を穏やかに語った。

審査員総評で吉岡は、インディーズ映画への思いを振り返りながら、「私にとってインディーズ映画は特別な存在です」と語った。10代の頃に映画制作に興味を持ちながらも、すぐに商業映画の世界に進むことはできず、学生時代には友人たちと共に自主映画の制作に取り組んだという。その経験について、「少人数ながらも作品を見てもらえる機会があり、感想をもらうことで人の輪が広がっていくように感じました。映画には、人と人をつなぐ力があるといつも思います」と話した。
さらに、「1つの作品が完成すると、そこに多くの人が集まり、思いがけない出来事が生まれることがあります。現在は商業映画の世界で活動していますが、インディペンデント映画で培った感覚や、当時の感動を今でも大切にしながら仕事に取り組んでいます」と穏やかに語った。
また、吉岡は作品の鑑賞後、他の審査員たちと意見を交わしたことに触れ、「共通して挙がったのは『新しい価値観を示してくれた』『新しい感情を与えてくれた』という言葉でした」と述べた。続けて、「映画には、観る人が明日少し違う自分になれたり、新しい価値観で世界を見られるようになる力があるのだと思います」と語った。
さらに、「今回の作品を通して、自分の作品ではどのような感情を届けたいか、どんな価値観を示せるかを改めて考えさせられました。とても学びの多い機会でした」と感謝の気持ちを示した。最後には、「審査員という立場を務めるのは恐縮ですが、このような貴重な経験をいただき光栄でした。今後、監督の皆さまや会場の皆さまとお仕事でご一緒できるよう努力していきます」と笑顔で語り、和やかな雰囲気で締めくくった。
藤井監督は、エントリー作品の完成度の高さに感銘を受けたことを述べ、「映画監督として、皆さんをライバルのように感じながら審査をさせていただきました」と語った。さらに、「一つひとつの作品に込められた努力や苦労を理解している立場として、審査を行うことには恐縮する思いもありましたが、次のチャンスを手渡す役割を果たすことが大切だと感じました。今回は寺田監督に、共に新しい映画づくりに挑戦しようという気持ちを込めてバトンを託しました」と思いを伝えた。

また、「日本の映画文化が海外でもより多くの人々に受け入れられるよう、小規模ながらもこの映画祭を発展させていきたい」と意欲を示し、「この映画祭を通じて、多くの方に“こうしたチャンスを得られる場がある”ということを知ってもらいたいです。こうした取り組みが全国へ広がり、日本の映画文化のさらなる発展につながることを願っています」と今後への期待を語った。
さらに映画『東京逃避行』最速試写会アフタートークも実施!
<映画『東京逃避行』最速試写会&アフタートーク概要>
【日時】11月1日(土) 19:00〜19:30 ※上映後
【場所】ワテラスコモン(WATERRAS COMMON)ホール/3階
(〒101-0063 東京都千代田区神田淡路町2丁目101番地)
【登壇者】寺本莉緒様、池田朱那様、秋葉恋監督
同作は、第二回東京インディペンデント映画祭にて、審査員の藤井道人、特別審査員の綾野剛らに選出され、グランプリを受賞した秋葉恋監督の短編を長編映画化したもの。出演者の寺本莉緒と池⽥朱那、そして秋葉恋監督が登壇し、会場は約120名の観客で満席となり、上映後には熱気あふれるアフタートークが行われた。
家庭でも学校でも居場所を失い、憧れと逃避心を抱えて歌舞伎町に来た高校生・飛鳥を演じた寺本は「多くの人が目を背けていた部分がリアルに映画になるのは、観る機会も知る機会も少ないと思います。多くの方にトー横の現状を知ってもらいたいですし、この映画で救われる子もいると思うので、SNS等で感想をつぶやいて一緒に『東京逃避行』を盛り上げていただきたいです」と期待を込めた。
田舎を飛び出してトー横で暮らし、界隈から人気を集めているネット小説『東京逃避行』の作者・日和役の池田は「キャストスタッフみんなで愛情を沢山込めて作った映画です。こうして無事に皆さんにお届けすることが出来て幸せです。公開は来年の春なので劇場でもう一度ご覧ください」とアピールした。
長編監督デビューの秋葉監督は「10代最後の初期衝動のような短編が、こうして多くの方の力を得てここまでこれたのは感謝でいっぱいです」と感極まりながら「何者でもない23歳の映画好きのガキが、本作によって映画監督という居場所を頂きました。この映画をきっかけに映画を仕事として続けていきたいという覚悟が出来ました。この先本作を必要としている人たちに届けられるよう精進いたします」と誓った。
実際の歌舞伎町でロケを敢行。秋葉監督は「短編からこの長編を撮るまで2年の時間があったけれど、歌舞伎町にいる人たちは変化しているようでいて変わっていなかった。確かに怖い部分もあるけれど、歌舞伎町での撮影は温かく、僕はこの場所が好きだと思った」と回想。
寺本は、「歌舞伎町をずっと走ってたんですよ。 本当に歌舞伎町で撮影できるのって結構厳しくて、 1回で、絶対1回で決めようって。10分くらい回しっぱなしのカットが1個あるんですよね。それを必死に練習しました。」とエピソードを披露。
池田は「エキストラとして実際にその場にいる人が参加してくれたりして。出演承諾書を書いてもらわねばならず、スタッフさんが大変そうでした」とリアルな撮影状況を報告すると、リアル一般人参加の事実を知らなかった寺本は「えー!?本当に!?知らなかった!」とビックリしていた。
共演者のエド役の綱啓永、メリオ役の高橋侃については、寺本と池田は「お二人ともすっごく優しかったです。休憩中とかも役のままでいらっしゃるので、すごく役に入りやすかったですし、全然違和感なくお芝居できました。」と語った。
本作でエグゼクティブプロデューサーを務めたのは藤井道人。秋葉監督は、「初期のプロットの段階から二人で、これが公開される頃の歌舞伎町はどうなっているのか、 など話していて 藤井さんからは、俳優部に聞かれて、 脚本のことで答えられないことが1個でもあったら許さないと言われ、それはすごく大事なことで覚醒しました。」と振り返った。

会場は温かな拍手に包まれながらイベントは幕を閉じた。
■BABEL LABELとは
BABEL LABELは東京を拠点とするコンテンツスタジオで、映画、ドラマなどを数多く手掛けております。
映画『正体』、映画『⻘春 18×2 君へと続く道』、映画『余命10年』の藤井道人を筆頭に、映画『帰ってきたあぶない刑事』の原廣利、Netflixシリーズ「イクサガミ」の山口健人など気鋭の映像クリエイターが所属しており、国境を超えてあらゆる映像領域で、今の時代を表現していきます。
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