『ダブル・ハピネス』ワールドプレミア
日程:10月28日(木)
会場:TOHOシネマズ日比谷
登壇:シュー・チェンチエ、プロデューサーのクリフォード・ミウ、リウ・グァンティン、ジェニファー・ユー、吉岡里帆
10月28日、台湾映画『ダブル・ハピネス』のワールドプレミアが第38回東京国際映画祭で行われた。上映後には東京・TOHOシネマズ日比谷でQ&Aセッションが実施され、監督・脚本を務めたシュー・チェンチエ、プロデューサーのクリフォード・ミウ、キャストのリウ・グァンティン、ジェニファー・ユー、吉岡里帆が登壇した。
作品は、5つ星ホテルの料理長ティム・カオを中心に展開する物語。婚約者デイジー・ウーとの結婚を控えるティムだが、離婚した両親は結婚式での同席を拒み、それぞれが自分のための式を挙げるよう主張する。さらに、風水師が両方の式に同じ吉日を選んだことから、状況は一層複雑化。ティムとデイジーは両親に知られないよう、同じホテルで同時に2つの結婚式を行うことになる。
主演のティム役を『1秒先の彼女』のリウ・グァンティン、デイジー役を『四十四にして死屍死す』のジェニファー・ユーが務める。
「ダブル・ハピネス」Q&Aの様子観客から撮影時の苦労について質問が寄せられると、登壇者たちはそれぞれにエピソードを語った。ジェニファー・ユーは「デイジーの花嫁姿はとても美しいですが、撮影前には約2時間かけてメイクをしていました。真っ白なドレスは見た目はきれいでも重く、トイレに行くのも一苦労だったので、水分を控えるようにしていました」と振り返った。
リウ・グァンティンは「ちょうどこの役を演じていた時期に子どもが生まれました。撮影が終わると父親モードに切り替える日々で、二重の役割を担っていました」と語り、「子育ての経験が今回の役づくりにも生かせたと思います」と笑顔で話した。
ジェニファー・ユー結婚式のシーンについて、リウ・グァンティンは「ティムは結婚式当日に何か起こるだろうと感じていましたが、過去の思い出がよみがえるとは思っていなかったと思います」と語った。
また、劇中でティムが香港出身のデイジーと結婚する設定にちなみ、2人の言語や文化の違いについて質問が寄せられる場面もあった。これに対し、シュー・チェンチエ監督は「香港では結婚式の際に赤い傘を使う習慣があります。作品の中では、そうした台湾と香港の文化の違いを映像を通して表現しました」と説明した。
リウ・グァンティン本作の冒頭シーンに出演している吉岡里帆について、司会者がその役柄を「イカスミを運ぶエンジェル」と紹介すると、吉岡は笑顔で「うれしいです」と応じた。続けて、「完成した作品を観て、自分の登場シーンで登場するイカスミパスタが、2人の関係をつなぐ役割を果たしていることを知りました。お互いの欠点を受け入れることの象徴にもなっていて、映画としてとても効果的だと感じました」と振り返った。
シュー・チェンチエ監督は「ティムの父親は非常に抑圧的な人物です。ティムが自分で見つけた幸せの象徴として、イカスミのエピソードを描きました」と作品の意図を説明した。
最後に、プロデューサーのクリフォード・ミウは「この映画は台湾で来年の旧正月に公開予定です。いつか日本でも上映できることを願っています」と語り、イベントを締めくくった。
吉岡里帆










