プレミア上映会舞台挨拶
日付:10月7日(火)
場所:ヒューマントラストシネマ:渋谷
登壇:菅野美穂、小松莊⼀良監督
女優の菅野美穂が7日、都内で行われた映画「フジコ・ヘミング 永遠の音色」(24日公開、小松莊一良監督)の舞台挨拶付きプレミア上映会に出席した。
2024年4月21日に92歳で旅立ったピアニストのフジコ・ヘミングさんを12年間追い続けたからこそ迫れた、フジコさんの素顔と美しい音色が刻まれた最後のドキュメンタリー。
小松監督は、「この作品は、ずっとフジコさんを愛し続けてくださった方々に向けてつくってきました。上映後のお客様のお顔を見ることができて、本当にうれしいです。どこかでフジコさんも見てくれているのではないか、と先ほど菅野さんとも話していました」と述べました。
ナレーションを担当した菅野は一足先に同作を試写。菅野は「フジコさんの人生はピアノと向き合うことで、すごく悲しくもあったかと思います。それでも向き合うことをやめずに続けたからこその音色なんだなと。一つの芸に邁進(まいしん)するからこそ到達できる極地の音色で、他の方とは違うピアノ。優しくて柔らかくて、繊細な音色だとすごく思う。こうして映画でまたフジコさんの演奏に触れられるのは素晴らしいことだし、フジコさんのピアノに元気をもらえた」と感想を話した。
菅野自身も女優としての道を歩み続けてきた。長く務めていくうえで何を大事にしてきたかを問われると、次のように語っている。
「若い頃とはまた違うかもしれませんが、日々の暮らしを少しずつ積み重ねていくこと、そして好奇心を忘れないことが大切だと思います。お仕事に関しては、軽やかに役に飛び込んでいけるような好奇心を持ち続けられたらと願っています」
また、若い人たちから学ぶこともあるとし、次のように続けた。
「『困ったときはAIに聞くといいよ』と言われました。コツコツやることも大切ですが、新しい技術とともに歩んでいく覚悟も必要ですね」と回答
輝きを保つための秘訣を聞かれると
菅野は「フジコさんもそうだったと思いますが、行きたいと思った場所に行ってみることが大事だと感じます。遠くへ行くことは視野を広げ、価値観をリフレッシュしてくれるから、旅は欠かせないと思います」と答えていました。
さらに、現在は子育ての時期で旅がなかなかできないと語りながらも、将来的には再び旅をしたいという思いを明かしている。
菅野は「行きたいと思いつつ行けていない場所は、ボリビアのウユニ塩湖などです。以前ペルーのマチュピチュに行ったときは高山病を考慮していたものの、体調が整わず思い切り楽しめなかったので、次は万全の体調で訪れたいと思います」と語りました。
最後のメッセージとしてこう語りました。
菅野は「フジコさんの演奏をスクリーンで観られる機会ですので、ぜひよい席の映画館でご覧いただきたいです。『ラ・カンパネラ』や『月の光』といった代表的な演奏をたっぷりと味わっていただける作品です」と述べ、
これに対して小松監督は「映画は昔から“100年残る”と言われてきました。制作中、フジコさんとも『これを未来に残したいね』と話しながら共に創り上げてきました。これで、皆さんがいつでもフジコさんに会える形になったのではないかと思います。さらに、フジコさんは1930年代の音色を目指されていた方でもあるので、それを現代の映像・音響で聴けるのはめずらしいことですし、ある意味での奇跡だと感じています。その点もぜひ楽しんでいただければと思います。そしてパンフレットにも力を入れて作りました。フジコさんの想いを込めていますので、また劇場で皆さまと再会できればと思います」と締めくくりました。
出演:フジコ・ヘミング
監督・構成:小松莊一良
配給:日活
(C)2025「フジコ・ヘミング 永遠の音色」フィルムパートナーズ