公開記念舞台挨拶
日程:10月4日(土)
場所:TOHOシネマズ 六本木ヒルズ
登壇:水上恒司、山下美月、宮舘涼太、麻生祐未、豊田裕大、本木克英監督
水上恒司、本木克英監督ら登壇
『火喰鳥を、喰う』の公開記念舞台挨拶が10月4日(土)にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、水上恒司、山下美月、宮舘涼太(Snow Man)、麻生祐未、豊田裕大、本木克英監督が登壇した。
物語はある日、久喜雄司(水上恒司)のもとに、戦死したはずの祖父の兄・貞市が残したという謎の日記が届くことから始まります。その日記には、「火喰鳥、喰いたい」という強い生への執着が記されており、雄司が日記を手にした日を境に、彼と妻・夕里子(山下美月)の周囲で奇妙な出来事が次々と起こるようになります。
やがて、日記が呼び起こす“存在しないはずの過去”が、現実の世界に静かに入り込み、ふたりの生活を少しずつ侵食していきます。この出来事は“事件”なのか、それとも“怪異”なのか――。日記をめぐって展開される予測不能なストーリーが、ミステリーホラーとして新たな世界を描き出します。
本作の監督は、『超高速!参勤交代』シリーズや『空飛ぶタイヤ』(2018年)、『シャイロックの子供たち』(2023年)などを手がけた本木克英氏。主演は水上恒司で、本作が映画単独初主演となります。ヒロイン役は山下美月が務めます。
イベント当日は、作品のタイトルにもなっている“火喰鳥”にちなんで、キャスト全員がワンポイントで赤を取り入れた衣装で登場しました。そのなかで、水上が「宮舘さんは赤が入っていないように見えますね」と話すと、
宮舘は「実は事前にその話を聞いていなくて、自分で衣装を合わせたときに、ここに赤を入れたらいいかなと思って」と語り、胸ポケットに忍ばせた赤いハンカチを披露しました。
また、山下美月さんが「監督の靴下がとてもかわいらしいんです」と話すと、本木克英監督が白地に赤いハート柄の靴下を見せ、会場は温かい拍手に包まれました。
山下は「撮影はとても過酷でした」と振り返り。「とんでもない状況になるシーンがあるのですが、その場面が引き立つように、原作の夕里子が持つ“凛とした美しさ”や“控えめでありながらも田舎の暮らしになじもうとする姿”を意識しました。少し演じているような雰囲気も含めて、原作の力を借りながら丁寧に演じました」と語りました。
さらに、完成した映像を初めて観た際の印象について、「私たちは撮影現場で“火喰鳥”の姿や鳴き声を見聞きしていなかったので、想像しながら演じていました。でも、完成した作品でその鳴き声を初めて聞いたとき、こんな音なんだと驚きました。とても新鮮な体験でした」とコメントしました。
赤いネクタイを身に着けて登場した豊田は「昨日から映画が公開され、多くの方に届くと嬉しいです。今日は短い時間ですが、よろしくお願いします」と初々しい挨拶。
本作では、豊田演じる瀧田亮の“ある行動”が物語の大きな転機となります。これにちなんで、「自身の行動が思いがけず大きな影響を与えた経験」について問われた豊田は「両親がとても厳しかったんです」と前置きしながら、幼少期の印象的な出来事を明かしました。
「幼稚園くらいの頃、近所にとても美味しいアイスキャンディー屋さんがあって。『1日1本まで』と決められていたのですが、我慢できずにもう1本食べてしまって。そしたらバレてしまって…山に連れて行かれたんです」と語ると、会場からは驚きの声が上がりました。「もちろんすぐに迎えに来てくれたんですが、当時は“たった1つの行動でこんなことになるんだ”と驚きました」と、その出来事からの学びを振り返りました。
その後、それぞれにとって印象に残っているシーンや、お気に入りの場面について語り合うひとときとなりました。山下が印象的だと語ったのは、雄司と北斗が夕里子を巡って衝突する場面。スクリーンに映し出された水上と宮舘の迫力ある姿を見て、「夕里子のために殴り合っているシーンなんですけど、このスケール感でこの二人が映ると、白米がどんどん進みそう。まるで味の濃いソースみたい」とユーモアを交えて表現しました。また、「この映画のテーマでもある“執着”を、『ひとりの人のために、ここまでぶつかり合うのか』と感じさせられた場面でもありました。人間の感情の強さや怖さを、映像を通して体感できるシーンです」と振り返りました。
このコメントを受けて、水上は「劇中の儀式のシーンでは、思わず笑いそうになる瞬間もありました。宮舘さんがいい味を出していて、すごく面白かったです」と語りました。宮舘は「衣装が黄色と紫で、ハロウィンっぽい雰囲気なんです。公開日が10月3日というのもあって、そんなことを思いながら演じていました」とユーモアを交えて振り返り、会場を再び和ませていました。
作品のテーマでもある“執着”について、山下は「ここまで強い人間の執着の力を目にすることはこれまでなかったので、映像を通してあらためて“人間って怖い存在なんだな”と気づかされました」と、その描写の深さを振り返りました。
その“執着”を表現する重要なシーンで共演した水上と宮舘。アクションシーンについて水上は「舘さんはアーティストとして身体の動きがとても鋭い。僕がアシストしなければならない部分もあったのですが、非常にやりやすくて助かりました」と語り、とのコンビネーションの良さを伺わせました。
また、劇中には食卓でお茶漬けを食べるシーンも登場します。このシーンについては、宮舘が「お茶漬けがすごく似合う二人だと思いました。作品の中で特に爽やかな場面で、ここから夫婦の絆が深まっていく。“深まりのお茶漬け”と呼びたいですね」とコメント。本木監督が「お茶漬けを食べることあるの?」と尋ねると、宮舘は「梅派です」と笑顔で答え、会場は再び和やかな空気に包まれました。
さらに、宮舘が演じる北斗と初めて対面するシーンについて、水上は「この日が舘さんのクランクインだったんです。膨大なセリフがあって、絶対に緊張する場面のはずなのに、舘さんはそれを全く感じさせなかった」と回想。「見ているこちらが思わず笑いそうになるくらいで、“何を言ってるんだこの人”と思いながら演じていました」と撮影時の心境を明かしつつ、「でも、それこそが役の感情としては正しく、とても印象に残っている、お気に入りのシーンです」と宮舘の演技を称えていました。
宮舘は、自身の印象的なシーンについて「自分にできる限りの最善を尽くしました。セリフを覚えるのは当然のことですが、そこにしっかりと感情を乗せて、相手を説得するような表現が求められる場面でした」と振り返りました。
さらに、撮影中のエピソードとして「監督からは『カットを割って撮影しますよ』と言われたのですが、僕は一度も止めたくなくて、『5〜6ページあるこのシーンを一気に長回しでやらせてください』とお願いしました」と、強いこだわりをもって臨んだことを明かしました。
その様子をそばで見ていた山下は「本当にすごかったです。しかも、ほとんどミスがなくて。普段お忙しいのに、いつセリフを覚えているのか不思議なくらいでした」と感心した様子で語りました。これに対し、宮舘は「家で覚えています」と笑顔で答え、会場には温かい笑いが広がりました。

<あらすじ>
信州で暮らす久喜雄司(水上恒司)と夕里子(山下美月)の元に戦死した先祖の久喜貞市の日記が届く。最後のページに綴られていたのは「ヒクイドリ、クイタイ」の文字。その日を境に、墓石の損壊、祖父の失踪など、幸せな夫婦の周辺で不可解な出来事が起こり始める。
超常現象専門家・北斗総一郎(宮舘涼太)の力を借りて探った先で知る、驚愕の真相とは―
【映画『火喰鳥を、喰う』】
公開日:2025年10月3日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
出演:水上恒司、山下美月、森田望智、吉澤健、豊田裕大、麻生祐未/宮舘涼太(Snow Man)
監督:本木克英
脚本:林民夫
原作:原浩「火喰鳥を、喰う」(角川ホラー文庫刊)
配給:KADOKAWA、ギャガ
企画・制作:フラミンゴ
制作協力:アークエンタテインメント©2025「火喰鳥を、喰う」製作委員会
記事編集 酒井修