公開記念舞台挨拶
日程:10月4日(土)
場所:テアトル新宿
登壇:鳴海唯、渡辺大知、佐藤浩市、のん、井上剛監督
原作・村上春樹、主演に岡田将生、鳴海唯、渡辺大知、佐藤浩市を迎えた井上剛監督最新作、映画『アフター・ザ・クエイク』が10月3日(金)よりテアトル新宿、シネスイッチ銀座ほかにて全国公開となりました。
作家・村上春樹による短編集『神の子どもたちはみな踊る』を原作にした、映画『アフター・ザ・クエイク』がついに全国公開!
初日翌日の10月4日にはテアトル新宿で公開記念舞台挨拶が実施され、出演者の鳴海唯、渡辺大知、佐藤浩市、のん、そして井上剛監督が登壇した。
井上剛監督は「今年は阪神・淡路大震災から30年という節目の年です。かつて震災を題材にした作品を手がけたことがあり、今年も何か形にできないかと考えていたところ、プロデューサーからこの原作を提案されました。実は、以前震災をテーマにした映画を制作した際にも参考にした作品だったので、今回あらためてご縁を感じました」と、企画が動き出した背景を明かしました。
鳴海唯は、海辺での撮影について「本物の焚火を使っていたので、風の向きによって撮影ポジションを何度も変えながらの撮影になりました。自然の力にはやはり敵わないと感じる場面も多かったです」と、印象的だった撮影の様子を振り返りました。
渡辺は、プライベートでも「兄貴」と慕う渋川清彦との初共演について、「現代パートで対峙したとき、まるで30年分の歴史を一気に背負って現れたかのような重みを感じ、圧倒されました。まさにタイムスリップしてきたような存在感で、“さすが兄貴だな”とあらためて思いました」と、深いリスペクトを込めて語りました。
また、歌舞伎町を舞台に描かれるエピソードに出演した佐藤は、身長2メートルを超えるキャラクター“かえるくん”との共演について、「最初に監督から台本を渡されたときは、自分のパートの内容が正直よく分からず、チンプンカンプンでした。でも原作を読んでみて、ようやく腑に落ちました」と、物語のユニークな世界観に驚かされたことを明かしました。
かえるくんの声を担当したのんについても言及し、「どんな風に演じられるのかと思っていたのですが、ご本人が“これではない”と感じた部分を丁寧に調整しながら取り組まれていて、まさに“かえるくん=のんさん”という存在になっていました。とても良かったと思います」と、真摯な演技を称賛しました。
のんは、「かえる役は初めてだったので、どんな声になるのか自分でも驚きました。原作を読んで、かえるくんが登場人物にとって“救い”になる存在だと感じ、責任の大きな役でしたが、思い切って挑みました」と笑顔で語りました。
井上監督とは、連続テレビ小説『あまちゃん』での共演以来の関係性があり、「朝ドラでとてもお世話になったので、今回もそのつながりがあって安心して飛び込むことができました。変わらない“井上ワールド”の中で、軽やかに明るく演出していただいたので、楽しくアフレコに取り組めました」と、収録を振り返りました。
舞台挨拶の終盤には、出演者の岡田将生から映像メッセージも届きました。「観る方の数だけ解釈がある作品だと思いますので、皆さんの感想がとても楽しみです。村上春樹さんの唯一無二の世界観を、ぜひ最後までじっくり味わってください」と、観客へメッセージを送りました。
最後に、佐藤は「なぜ4本の連作なのか、なぜ“かえるくん”が続編なのか――観る人によって解釈が変わる作品だと思います。“再生”の物語なのか、“蘇生”の物語なのか。ぜひご自身の中で感じ取っていただけたら嬉しいです」と呼びかけました。
井上監督も「本作は、日本の30年間という節目を、4つの章に分けて描いています。観てくださる皆さんそれぞれの中にも、人生の節目があると思います。この映画はたまたま“4つの物語”ですが、その間やその後の物語を、ご自身の中に想像して感じていただけたら嬉しいです」と締めくくりました。
アフター・ザ・クエイク
岡田将生 鳴海 唯 渡辺大知 / 佐藤浩市
橋本 愛 唐田えりか 吹越満 黒崎煌代 黒川想矢 津田寛治
井川 遥 渋川清彦 のん 錦戸 亮 / 堤 真一
監督:井上 剛 脚本:大江崇允 音楽:大友良英
プロデューサー:山本晃久 訓覇圭
アソシエイトプロデューサー:京田光広 中川聡子
原作:村上春樹『神の子どもたちはみな踊る』(新潮文庫刊)より
製作:キアロスクロ、NHK、NHKエンタープライズ 制作会社:キアロスクロ
配給・宣伝:ビターズ・エンド
©2025 Chiaroscuro / NHK / NHKエンタープライズ
記事編集 酒井修