伊藤沙莉が主演する映画『風のマジム』より、本編映像「まじむとおばあバーへ行く篇」が解禁された。主人公まじむとラム酒の運命の出会いが描かれている。
本作は、原田マハの同名小説を実写映画化。伊波まじむ役を伊藤沙莉が演じる。監督は、本作が映画初監督となる芳賀薫。
まだ沖縄のサトウキビでラム酒が作られていなかった平成の頃、「地元沖縄のサトウキビからラム酒を作りたい」と思い立ち、社内のベンチャーコンクールを活用してビジネスを立ち上げた金城祐子氏をモデルに、原田が書き上げた『風のマジム』。平凡に生きてきた契約社員が、人と出会い、周囲の人々を巻き込みつつも、家族に支えられて夢を実現していく。主人公の成長と彼女に関わる人々の“真心”の物語だ。
解禁された本編映像は、主人公まじむ(伊藤)がBARのカウンターでおいしそうにビールを飲み、「あ~~~、やっぱりここで飲むビールは最高やさ~!」と感嘆する満面の笑みから始まる。すると、隣に座っている祖母・カマル(高畑淳子)が「この店は何飲んでも最高やさ!」と返す。
まじむが「やさ、てるちゃんって覚えてる?」と、会社で働く同期が司法書士になることを話すと、カマルが「司法書士~、すごいね~」と驚く。「これから誰とお昼食べよう…」としょんぼりするまじむ。「会社に弁当食べに行ってるのか? あんたは。はっさー、誰か誘えばいいじゃないね」とカマルに突っ込まれ、「いろいろあるわけよ!」と沖縄言葉で会話を繰り広げる。
「私も会社やめて店継ごうかな」というまじむに「豆腐屋なめたらあかんど~、そんないいかげんなもんはこっちからお断りやさ!」とカマルに一喝される。煮詰まったまじむが「吾朗さんおすすめちょうだい」ともう一杯をリクエストすると、BARの店員・吾朗(染谷将太)は「じゃあラムにしてみますか?今日、新しいラム入ったんで」とラム酒のボトルを二人に見せる。
吾朗に提供されたラム酒を一口飲んだまじむは思わず「あい!美味しい~」と叫ぶ。カマルは「なんか甘い香りがするね~」と、初めて口にしたラム酒のおいしさに驚く。「サトウキビですから」と吾朗に説明され、サトウキビだらけの沖縄で誰かラム酒を作ればいいのにね、という話で盛り上がるまじむとカマル。
まじむの人生を大きく変えるラム酒との運命の出会いから、純沖縄産ラム酒を作るという夢を実現するまでの展開が気になる本編映像だ。
映画全編を沖縄言葉のセリフで演じた伊藤沙莉は「沖縄言葉には語尾を伸ばす言葉が多く、のんびりとした柔らかい響きが特徴です。その分、喜怒哀楽を乗せることが難しいと感じました」と語っている。
イントネーションや言葉の習得については、「ここでアクセントとか、ここで上がるというような、はっきりとした抑揚が意外とないので、思いのほか一度一音を間違えると、広島の言葉や京都の言葉になってしまい迷子になることが頻繁にありました。方言指導の今(科子)さんに、この音であっていますか?と常に確認していました。私が少しでも一人でセリフ練習を始めると、すぐそばに来てくださって、とても心強かったですし、現場には沖縄の方もたくさんいらっしゃったので、たくさんサポートもしていただきました」と言う。
映画『風のマジム』は、9月12日より全国公開。沖縄県先行公開中。




伊波まじむ(伊藤沙莉)は那覇で豆腐店を営む祖母カマル(高畑淳子)と母サヨ子(富田靖子)と暮らしながら、通信会社・琉球アイコムの契約社員として働いている。まじむは沖縄弁で「真心」を意味する言葉で祖母がつけた名前だ。
いつも祖母と一緒に通うバーで、ラム酒の魅力に取り憑かれたまじむは、その原料がサトウキビだと知る。折しも社内ベンチャーコンクールが開催され、まじむは、南大東島産のサトウキビからラム酒を作る企画で応募するが、それはやがて家族、会社、島民をも巻き込む一大プロジェクトへと発展していくーー。

眞島秀和 肥後克広/ 滝藤賢一/ 富田靖子/ 高畑淳子
原作:「風のマジム」原田マハ(講談社文庫)
主題歌 森山直太朗(ユニバーサル ミュージック)「あの世でね」
エグゼクティブプロデューサー:笹岡三千雄 製作:オーロレガルト
製作・配給:コギトワークス 共同配給:S・D・P
制作プロダクション:ポトフ 企画プロデューサー:関友彦 プロデューサー:佐藤幹也
脚本:黒川麻衣 監督:芳賀薫
2025/日本/DCP/カラー/シネマスコープ/ 5.1ch/105 分/G
©2025 映画「風のマジム」 ©原田マハ/講談社