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映画『宝島』東京プレミアイベント

東京プレミアイベント
日付:9月9日(火)
会場:【第二部】プレミア上映会舞台挨拶@TOHOシネマズ六本木ヒルズ
登壇:妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太、塚本晋也、中村蒼、瀧内公美、栄莉弥、
尚玄、木幡竜、奥野瑛太、村田秀亮(とろサーモン)、デリック・ドーバー、大友啓史(監督)

大友啓史監督は、公開を目前に控えた本作について「完成までに6年かかりました。自分にとっては10年ほどの時間を費やしたような感覚です」と長い制作の道のりを振り返った。さらに「普通は一度頓挫すると立て直しが難しいのですが、この作品は二度の危機を乗り越えてようやくこの日を迎えられました。本当に奇跡だと思いますし、待ち続けてくれたキャストの皆さん、そして今ここにいないスタッフを含め、全員が“いまこの映画を届けるべきだ”という思いで力を尽くしてくれました。心から感謝しています」と語り、深い感慨をにじませた。

また、全国で積極的にプロモーション活動を行っている主演の妻夫木聡は「映画の力を信じたい」と力強くコメント。「もしこの映画に、ほんの1%でも誰かの人生や未来を変える力があるのなら、それを信じたい。奇跡を目の当たりにしたいし、そのためには一人ひとりに手渡すように届けていきたいという気持ちで臨んでいます」と、本作への熱い思いを明かした。

広瀬は「みなさんが沖縄という場所と正面から向き合い、愛と情熱を持って作品や役に取り組む姿に、間近で触れさせていただきました。そのまっすぐな姿勢はとても刺激的で、これまで自分が作品や役と向き合う際の概念を変えられるような感動を覚えました」と振り返った。

それに応じるように妻夫木も「僕はただひたむきに作品と向き合うだけでした。ただ今回は向き合う対象があまりにも大きく、深く向き合えば向き合うほど自分の知らないことに直面しました。それを誠心誠意受け止め、観客の皆さんに代わりに伝えていくことが、自分たちの使命に近いものだと感じていました」と真摯な思いを語った。

撮影を振り返り、広瀬は「“一生分泣いた”と言えるほど涙を流しました。涙が枯れてしまうくらいでした」と明かす。続けて「現場は常にエネルギーにあふれていて、圧倒されるような力強さがありました。寂しさも感じるほどで、景色や音といった些細なものからも沖縄のパワーを受け取りながら撮影に臨んでいました。本編を見返しても『本当に泣いているな』と思うほどで、とても素直な感情があふれ出ていたのだと後から実感しました」と語った。

一方、永山は自身の役作りについて「妻夫木さんは先輩であり、同時にリーダー的な存在。そんな方と共演しながら、英雄視される人物をどう演じるべきか頭を悩ませました」と打ち明ける。さらに「妻夫木さんと一緒に嘉手納基地で米軍の生活や施設を見学させてもらったことが大きな経験になりました。理屈ではなく身体で表現しようと思い、毎日基地の周囲を走りながら余計な思考を捨て、『先輩だと意識しない』と決めて役に向き合いました。その結果が、あの表現につながったと思います」と語り、役柄への真摯な姿勢をのぞかせた。

妻夫木は、永山との関係について「『ランチの女王』で初めて共演したとき、『友達役だから“ブッキー”って呼んでもいいですか?』と言われました。その頃から自然とそういう関係性になっていた気がします」と振り返った。これに永山は「仲良くはしていますが、内心では『瑛太、生意気だな』と思われていないかと少し不安になることもあります」と笑いを交えてコメント。そのうえで「共演してもこれまではお兄ちゃん役が多かったのですが、今回のように先頭に立って『行くぞ』と引っ張っていく役は初めて。考えすぎては超えられないと感じ、思い切って臨みました」と語った。

また、クランクイン前日に沖縄入りしたという広瀬は「パワフルなシーンを撮影していて、景色が写真のように鮮明に焼きつくほど美しい光景でした。オンちゃんの笑顔や、皆がオンちゃんを見つめる姿が忘れられません。この人がいるから自分たちは生きていける、希望を持てると感じさせる存在で、とてもかっこいいオンちゃんでした」と思い出を振り返った。

窪田は、自身が演じたレイという人物について「偉大な兄を持つことの重みを感じました。オンの弟であることは、ある意味では呪縛のようなものだったのかもしれません。ただ、その兄がいなくなったことでレイの人生が動き出したのだと思います」と振り返った。さらに「憧れの存在だった兄の背中を追いかけるほど、自分の小ささを実感することもあったのですが、結局は心から兄を大好きだったのだと改めて感じました」と思いを語った。

イベントの終盤、大友啓史監督は『宝島』映画化に込めた思いを改めて語った。監督は「日本が高度経済成長に向かい豊かさを手にしていく一方で、沖縄ではこうした現実があった。知るだけでなく、感じなければならないと思い、この作品を作りました」と作品の背景を説明。さらに「映画の魅力は、登場人物の感情に自分の気持ちを重ねながら“沖縄を追体験できる”ことにあると思います。歯を食いしばってできる限りのことをやり、俳優部もスタッフも一緒に全力で向き合ってくれました」と力を込めた。

そのうえで「映画は最大のコミュニケーションツールでもあります。皆さんが体験したことをぜひ私たちに伝えてほしい。そこから何かが始まるかもしれません。当時の沖縄には多くの“気づき”がある。持ち帰った思いを周りに広めてもらえたなら、その瞬間から皆さんも大友組の一員です」と観客へ呼びかけ、感謝の言葉とともに作品への熱い思いを語った。

『宝島』©真藤順丈/講談社 ©2025「宝島」製作委員会

出演:妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太
監督:大友啓史
原作:真藤順丈『宝島』(講談社文庫)
配給:東映/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
©真藤順丈/講談社 ©2025「宝島」製作委員会

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