俳優の奈緒が、8月4日に都内で開催された舞台「WAR BRIDE －アメリカと日本の架け橋 桂子・ハーン－」の囲み取材、公開ゲネプロに登場。共演のウエンツ瑛士、高野洸、山口馬木也、演出の日澤雄介氏と共に、参加いたしました。
本作は、TBSで多くのヒット作品を手がけてきたドラマプロデューサー・川嶋龍太郎氏が監督を務めたドキュメンタリー映画『War Bride 91歳の戦争花嫁』を原案とし、劇団チョコレートケーキ主宰・演出の日澤雄介氏と、脚本家・古川健氏によって舞台化された作品です。
物語は、アメリカ・オハイオ州ライマ市に暮らす川嶋氏の伯母・桂子・ハーンさんが、日本に駐留していたアメリカ兵フランク・ハーンさんと出会い、国や立場の垣根を越えて恋に落ち、結婚・渡米を決断した人生をたどるものです。その選択と生き方が、戦後の時代背景の中で丁寧に描かれています。
主人公・桂子役を演じる女優の奈緒は、公演前日に「稽古場では皆で“戦後80年”という時間と、“愛”というテーマに真剣に向き合ってきました。ようやくこの日を迎えられることを心から嬉しく思っています」と率直な気持ちを語りました。さらに、「戦後80年という節目の中で、愛に向き合う1日としてこの舞台をご覧いただけたら幸いです」と観客への思いも込めました。
役作りの一環として実際に渡米し、桂子さん本人と対面した奈緒は、「一緒に散歩をしていた際、偶然桂子さんの知人に出会ったり、ライマ市の現市長とお話する機会もいただきました。その中で、町の方々が『桂子さんはこの町の誇りです』と敬意を持って語る姿に、とても感銘を受けました」と、その体験を振り返っています。
奈緒にとって、今回夫フランク役を務めるウエンツ瑛士、そして父親役の山口馬木也とはいずれも初めての共演となります。
夫婦役を演じるにあたって、役作りのためにどのような話し合いを重ねたかという質問に対しては、奈緒とウエンツが顔を見合わせ、「全く話していません」と笑顔で答え、普段は日常的な何気ない会話が中心であることを明かしました。
ウエンツは続けて、「稽古が始まる前に取材やポスター撮影などがありましたが、奈緒さんは初対面のときからテレビで見ていたままの印象で接してくださって、特に気を使うこともなく自然に関係を築くことができました」と語り、初対面から打ち解けやすい雰囲気だったことを振り返りました。
また、「今回の作品では、10代・20代の頃の出会いから、夫婦として50年以上をともに過ごし、最終的には奈緒さんが90代まで演じるという幅広い年代を描いています。どのような夫婦になっていくのかを大切に演じていますが、不思議とその部分についても特別な打ち合わせはせずに進めています」と自然な演技の流れを大切にしている様子を語りました。
そんな2人の様子について、演出を担当する日澤雄介氏は「お二人の息の合い方には驚かされました。これが“初めまして”とは思えないほど、まるで長年の夫婦のような自然な空気感があります」とコメントし、その相性の良さに太鼓判を押しました。
奈緒は、父親役を演じる山口馬木也と初めて顔を合わせた際のエピソードを紹介しました。初対面はポスター撮影の場だったそうで、「そのとき馬木也さんがドアをノックして『失礼します。お父さんだよ』とおっしゃって登場されたんです」と、役柄にちなんだユーモアを交えた山口さんの振る舞いを微笑ましく振り返りました。
この発言に対して山口は、「すみませんね…自己紹介もせずに」と照れ笑いを浮かべながら応じ、場を和ませました。
さらに奈緒は、「とても印象に残る出来事でした。大先輩なので緊張していたのですが、その一言でこれから“お父さん”として思いきり甘えてもいいのかなと思えたんです」と語り、撮影前から距離が縮まったことを明かしました。
一方の山口も、「『お父さんだよ』とは言ったものの、稽古場で奈緒さんを見ると、むしろ母親のような安心感を感じることもありました。今回の役は自分にとっても非常に難しいものでしたが、奈緒さんやウエンツさん、他の共演者の皆さんとの稽古のおかげで自然と理解が深まり、感謝の気持ちでいっぱいです」と、共演者への感謝をあらためて述べました。
舞台『WAR BRIDE －アメリカと日本の架け橋 桂子・ハーン－』は、2025年8月5日（火）から27日（水）まで、東京・よみうり大手町ホールにて上演されます。
その後は地方公演も予定されており、9月6日（土）・7日（日）には兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールにて、9月13日（土）・14日（日）には福岡・久留米シティプラザ ザ・グランドホールにて、それぞれ上演が行われます。
