映画

第38回東京国際映画祭『レンタル・ファミリー』アジアン・プレミア

『レンタル・ファミリー』アジアン・プレミア
日程:11月3日(月)
会場:TOHOシネマズ日比谷
登壇:HIKARI監督、木村 文、森 望智、篠﨑しの、ゴーマン シャノン 眞陽、真飛 聖、柄本 明

開催中の第38回東京国際映画祭では、11月3日にサーチライト・ピクチャーズ最新作『レンタル・ファミリー』(2026年2月27日公開予定)のアジアン・プレミアがTOHOシネマズ日比谷で行われ、舞台挨拶にはHIKARI監督をはじめ、木村文、森田望智、篠崎しの、ゴーマン・シャノン・眞陽、真飛聖、柄本明が登壇した。この日は柄本の77歳の誕生日でもあり、観客も一緒に喜寿を祝う温かなひとときとなった。

監督を務めるのは、長編デビュー作『37セカンズ』でベルリン国際映画祭をはじめ世界各国の映画祭で高く評価され、現在はアメリカを拠点に活動する日本人監督・HIKARI。

HIKARI監督は、「撮影からすでに1年以上が経ち、編集にも力を注いできました。こうして東京でアジア初上映を迎えられることを本当に楽しみにしています」と語り、日本での初上映に感慨深い様子を見せた。

続いて、主演のブレンダン・フレイザーとの共演について質問を受けた柄本は、「ブレンダンさんは大きい人です」と一言で会場の笑いを誘い、「でも“ホエール”ほど大きいわけではありません」と、フレイザーの代表作『ザ・ホエール』に触れながらユーモアを交えたコメントでさらに会場を和ませた。
その後、「本当に素晴らしい俳優で、体格だけでなくお芝居にも深い奥行きを感じました。ご一緒できて光栄でした。そして何より、お人柄が本当に素晴らしい方。演技と人柄がまったく一致していて、誰に対しても誠実なんです。その魅力に惹かれながら共演できたことを、とても幸せに思います」と語り、俳優としての実力と人間性の両面を高く評価した。

ブレンダン・フレイザーの娘役を演じたゴーマン・シャノン・眞陽は、「とても楽しかったです」と笑顔を見せ、「待ち時間には一緒におやつを食べたり、ふざけ合ったりして、現場はいつも温かい雰囲気でした。撮影が始まるとすぐにフィリップとしてそこに存在していて、その姿を見てたくさんのことを学びました。本当に貴重な経験でした」と、現場での微笑ましいエピソードを明かした。

一方、柄本の娘役を演じた真飛 は、本作について「人は一人では生きていけなくて、誰かを支えたり、気づかないうちに支えられたりしているものだと感じました。とても心温まる作品で、“悔いのないように生きたい”と思えるような気持ちになりました。観てくださる皆さんにも、前向きで優しい気持ちを感じてもらえたら嬉しいです」と語り、作品がもたらす温かなメッセージを丁寧に伝えた。

また、“レンタル・ファミリー”のサービスを利用する女性を演じた森田は、「家族をレンタルするという設定に最初はどんな感覚なのだろうと思っていましたが、撮影を通して“嘘が本当になる”ような瞬間をたくさん感じました。人と人との関わりの中でしか生まれない温かさや希望があり、前向きな気持ちになれる作品です。そんな作品の一員として参加できたことを、とても誇りに思っています」と語り、本作が持つ独特の温もりと人間味を振り返った。

シングルマザーの瞳を演じた篠﨑は、本作について「人と人とのつながりについて深く考える機会になりました。レンタルという形でフィリップと出会ったことをきっかけに、瞳自身も母として、また一人の人間として成長する姿を描けたと思います。このように心に響く作品に参加できたことを、とても光栄に感じています」と語り、役を通じて得た気づきを述べた。

一方、“レンタル・ファミリー”会社のスタッフ役を演じた木村は、「人は大人になっても、何歳になっても、愛されたい、認められたいと思うものだと思います。この映画はそうした思いを優しく受け止め、温かく包み込みながら、そっと背中を押してくれるような作品だと感じました」と語り、作品の持つ温かさや前向きなメッセージを伝えた。

11月3日は、その柄本の誕生日にあたる日で、ステージではHIKARI監督が「実は今日は特別な日です。柄本明さんの77歳のお誕生日です!」と紹介し、サプライズで祝福する場面があった。

「ハッピーバースデー」の曲が流れると、会場も一緒に歌声を響かせ、続いて山本真理から紫色の花束が贈られた。柄本は照れくさそうに「いろいろとお気遣いいただき、ありがとうございます」と感謝を述べた。

さらにHIKARI監督は、「今回、柄本さんに喜久雄さん役をお願いすることになった瞬間から、言葉では言い表せないほどの感動的な体験をたくさんさせていただきました。本当に勉強になりました。これからも一緒に作品を作っていただけますか?」と期待を込めて語り、「作っていただけるよう私も頑張りますので、今後ともよろしくお願いします」と宣言した。柄本は監督とハグを交わしながら「こちらこそ、本当にありがとうございました」と応じ、会場からは温かな拍手が送られた。

第38回東京国際映画祭【第38回東京国際映画祭 開催概要】
■開催期間:2025年10月27日(月)~11月5日(水)
■会場:日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区
■公式サイト:www.tiff-jp.net
【TIFFCOM2025開催概要】
■開催期間:2025年10月29日(水)~10月31日(金)
■公式サイト:www.tiffcom.jp

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