A24製作の映画『ウォーフェア 戦地最前線』の本編映像が公開された。

本作は、『シビル・ウォー アメリカ最後の日』で国家の分断と内戦をリアルに描き議論を巻き起こした鬼才アレックス・ガーランド監督が、同作で軍事アドバイザーを務め、米軍特殊部隊の経歴を持つレイ・メンドーサを共同監督に迎え、彼のイラク戦争での実体験を極限まで再現した衝撃作。2006年のイラクを舞台に、アメリカ軍特殊部隊8名の小隊が危険地帯でアルカイダ幹部の監視と狙撃任務中に敵の攻撃を受け、市街地で全面衝突に巻き込まれる様子を描く。

公開された映像は、隊員たちが潜伏する民家に突如手榴弾が投げ込まれ爆発するシーンから始まる。一瞬の混乱の後、体勢を立て直そうとする隊員たちに銃弾が容赦なく降り注ぐ。極限状態で浅くなっていく呼吸、動揺する手足、焦点を失う視線を克明に捉えた映像は、観る者を戦場に引きずり込むような臨場感を醸し出している。

本作についてガーランド監督は、「伝統的な戦争映画のお決まりの手法を破った」とコメント。「現実では、人々は簡単に窮地を抜け出したりしない。状況が厳しいとき、解決策も、“カット”の声も、景気のいい音楽もない。状況が許し、緊迫感から解放されるその瞬間まで、人はその状態に居続けるんだ。それが本作のやり方だ」と、映画的な安心感を排除し、現実の戦争を“ありのまま”描こうとする創作姿勢を明かしている。

本作の臨場感を演出している“音”について、ミリタリーライターの土居克臣は「銃撃シーンでは、敵味方が使う銃器によって発する音が違い、壁や道路に当たった弾の音なども被弾した素材に応じて音が変化している」と評している。アルファワン小隊のシールズ隊員と海兵隊隊員が使用するM4A1カービンは、「タン・タン・タン」という比較的高めの音が特徴的なアサルトライフルだが、イラク陸軍兵士と過激派が使う武器AKMは「トン・トン・トン」という低めの発射音が特徴だという。「それぞれが使う銃器の差による音の違い以外にも、過激派が遠くから撃ってくるアサルトライフルの弾の飛来する音とシールズ隊員たちが近くで撃つ音の強弱の違いなども気にしていただけたらと思う」と本作ならではの“音”の楽しみ方を説明した。

映画『ウォーフェア 戦地最前線』本編映像

【STORY】
極限の95分、映画史上最もリアルな戦場に、あなたを閉じ込める。
2006年、イラク。監督を務めたメンドーサが所属していたアメリカ特殊部隊の小隊8名は、危険地帯ラマディで、アルカイダ幹部の監視と狙撃の任務についていた。ところが事態を察知した敵兵から先制攻撃を受け、突如全面衝突が始まる。反乱勢力に完全包囲され、負傷者が続出。救助を要請するが、さらなる攻撃を受け現場は地獄と化す。混乱の中、本部との通信を閉ざした通信兵・メンドーサ、指揮官のエリックは部隊への指示を完全に放棄し、皆から信頼される狙撃手のエリオット(愛称:ブージャー・ブー(鼻くそブーの意))は爆撃により意識を失ってしまう。痛みに耐えきれず叫び声を上げる者、鎮痛剤のモルヒネを打ち間違える者、持ち場を守らずパニックに陥る者。彼らは、逃げ場のないウォーフェア(=戦闘)から、いかにして脱出するのか。

脚本・監督:アレックス・ガーランド(『シビル・ウォー アメリカ最後の日』)
レイ・メンドーサ(『シビル・ウォー アメリカ最後の日』『ローン・サバイバー』軍事アドバイザー)
キャスト:ディファラオ・ウン=ア=タイ、ウィル・ポールター、ジョセフ・クイン、コズモ・ジャーヴィス、チャールズ・メルトン
配給:ハピネットファントム・スタジオ
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2025/アメリカ/95分/英語/カラー/5.1ch/原題『WARFARE』/日本語字幕:佐藤恵子/PG12

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