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映画『赤い風船』『白い馬』など、アルベール・ラモリスの作品群が4K版で日本初公開

48歳という若さでこの世を去った映画監督、伝説の映像詩人アルベール・ラモリスの。『赤い風船』『白い馬』。

特に、アカデミー賞脚本賞をはじめ、第9回カンヌ国際映画祭短編パルム・ドール、第56年度ルイ・デリュック賞を受賞した『赤い風船』は、初公開から70年を経た今もなお、アンドレイ・タルコフスキー、侯孝賢、ウェス・アンダーソン、デイミアン・チャゼルなど名匠たちに影響を与え、世界中のファンやクリエイターたちを魅了し続けている。

そんな『赤い風船』をはじめ、第6回カンヌ国際映画祭短編グランプリ、1953年度ジャン・ヴィゴ賞を受賞した『白い馬』、『小さなロバ、ビム』『素晴らしい風船旅行』『フィフィ大空をゆく』といった“魔法のような作品群”が、4Kデジタル修復で美しい映像でスクリーンに蘇る。修復は映画にも出演している息子のパスカルが尽力し、公開当時のオリジナルのフィルム映像に可能な限り近づけ、父アルベールの意図を忠実に現代に甦えらせた。

夢を現実化したポエティックな映像美と遊び心、愛と自由への賛歌、純粋な少年たちの物語の美しさは、色褪せることなく現代を生きる人々の心も癒し、喜びを届けてくれるはず。美しく鮮明になった4K版で、作品の世界観に浸ってみては。

<映画『赤い風船 4K』あらすじ>

ある朝、少年パスカルは学校に行く途中で、ふわりと宙に浮かぶ赤い風船を見つける。風船は街灯に紐が引っかかって動けなくなっていたのだ。パスカルは風船を持って学校へ向かうが、教室に風船を持って入れず、門番に預けた。放課後、風船を持って無事に家へ帰り着いたが、窓から風船を放り出されてしまう。しかし、不思議なことに、風船は窓際にふわふわと浮いてとどまった。赤い風船と友達になったパスカルは、どこにいくにも風船と一緒だ。だが、パスカルと風船の仲の良さを妬んだいじめっ子たちは、風船を我がものにしようと追いかけてくる。パスカルは風船とともにパリの街を逃げ回るが・・・。

<映画『白い馬 4K』あらすじ>

南仏カマルグ地方に、白く美しい荒馬をリーダーにした野生馬の一群がいた。その“白いたてがみ”と呼ばれる馬の存在は噂となり、牧童たちは野生馬を捕獲し始める。漁師の少年フォルコは、囚われた“白いたてがみ”が、牧童たちから勇敢に逃げる様子を見つめていた。「おまえの手に負えるなら、あんな馬はやろう」と、牧童主はフォルコをからかった。フォルコは、牧童たちの手から逃れた“白いたてがみ”を見つけ、ひっそりと近づき、手綱を握った。ひきずられながらも手綱を放さないフォルコに、馬は次第に心を許す。しかし、すぐに牧童たちに見つかり、フォルコは馬をなんとしても守ろうとするが…。

<映画『小さなロバ、ビム 4K』あらすじ>

はるか昔、東の国のある島。子供たちひとりひとりがロバを飼う習慣があった。ビムは最も美しいロバで、アブダラがその飼い主だったが、アブダラはとても貧しかった。意地悪な領主の息子メサウドは、美しいビムに一目惚れし、アブダラからビムを奪い取った。連れ去れたビムを取り返そうと、アブダラは勇敢にも領主の屋敷に忍び込むが、護衛に見つかり牢に入れられてしまう…。

<映画『素晴らしい⾵船旅⾏ 4K』あらすじ>

パスカルの祖父は学者で、気球を発明し、フランス中を旅する計画を立てていた。なんとしても冒険がしたいパスカルは、こっそりゴンドラにしがみつき、気球に乗り込む。北フランスのベテューヌを出発し、パリを通過、ブルターニュから南へ。次々と災難に見舞われるが、アルプスを越え、ニームで海水浴を楽しむ。しかし、闘牛場での一時着陸の際に、気球はパスカルひとりを乗せたまま空に上がり、みな大慌てする…。

<映画『フィフィ⼤空をゆく 4K』あらすじ>

フィフィは邸宅から時計を盗み、サーカス団に逃げ込む。支配人は彼を警察には突き出さず、鳥人間に仕立てようとする。背中に羽をつけ空中を飛ぶ危険な演目だ。団員のミミに一目惚れし練習をはじめたフィフィは、空中を飛べるようになり、天使のふりをして時計を盗みミミにプレゼントをする。しかし、ミミに想いを寄せる猛獣使いと喧嘩になり、サーカスは崩壊。警察の追跡がはじまり、フィフィは空高く舞い上がる…。

【作品詳細】
公開日:2025年11月14日(金)

■映画『赤い風船 4K』※4K版日本初公開
監督・脚本:アルベール・ラモリス
撮影:エドモン・セシャン
音楽:モーリス・ルルー
出演:パスカル・ラモリス、サビーヌ・ラモリス、ジョルジュ・セリエ、ヴラディミール・ポポフ
配給:セテラ・インターナショナル

■映画『白い馬 4K』※4K版日本初公開
監督・脚本:アルベール・ラモリス
撮影:エドモン・セシャン
音楽:モーリス・ルルー
出演:アラン・エムリー、パスカル・ラモリス、ローラン・ロッシュ、フランソワ・プリエ
配給:セテラ・インターナショナル

■映画『小さなロバ、ビム 4K』※日本劇場初公開
監督・脚本:アルベール・ラモリス
共同脚本&語り:ジャック・プレヴェール

■映画『素晴らしい風船旅行 4K』※4K版日本初公開
監督・空中撮影:アルベール・ラモリス
撮影:モーリス・フェルー、ギイ・タパリー
音楽:ジャン・プロドロミデス
出演:パスカル・ラモリス、アンドレ・ジル、モーリス・パケ

■映画『フィフィ大空をゆく 4K』※4K版日本初公開
監督・脚本:アルベール・ラモリス
撮影:ピエール・プチ、モーリス・フェルー
音楽:ジャン=ミシェル・ドフェイ
出演:フィリップ・アブロン、ミレイユ・ネーグル、アンリ・ランベール、ラウール・ドルフォス

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