「コンビニ人間」で世界的人気を博した芥川賞作家・村田沙耶香がまた快挙を達成した。11月5日に発表された野間文芸賞を、新作長編「世界99」が受賞し、大きな話題となっている。その村田のベストセラー小説「消滅世界」は、今春に英語版が刊行され、アメリカのニューヨーカー誌でも映画化が報じられるなど、再び世界的注目を浴びている。その「消滅世界」を、気鋭の映像ディレクターである川村誠が監督・脚本を手掛け、著者初となる実写映画化。
映画『消滅世界』は、2025年11月28日(金)より全国公開。
また、11月10日に発表された第50回報知映画賞の作品賞に本作がノミネートされた。
(受賞結果は今月下旬以降に発表。)
「恋愛」「結婚」「家族」「楽園」「近未来」「正しさ」…
村田沙耶香の多層的世界を表す、新ポスタービジュアル5点を一挙解禁!
この度、原作者・村田沙耶香の多層的な世界観を可視化する新ポスタービジュアル5点が一挙解禁された。村田は、人間の性や欲望の本質を深く描く作家として高く評価されており、その作品は、ジェンダーや結婚、性など、既存の価値観を揺るがすような独特の世界観や、登場人物の内面にある闇を描写することで知られている。本作『消滅世界』も、規範を疑う、冷ややかで、時にユーモラスさも醸し出すディストピア的世界観であることから、既存のポスタービジュアル1点だけでは、その多面的で多層的な世界観を表現し切れないことから、新ビジュアルが制作された。
いずれも『消滅世界』を象徴するビジュアルで、性愛のない結婚生活を送る雨音と朔が服を着たままバスタブに身を沈めるビジュアルでは〈恋愛/結婚/家族〉が打ち消され、雨音が恋する“ラピス”のフィギュアを手に眠るビジュアルには〈性が消えた楽園〉、エデンの子どもたちが集う公園のビジュアルには、雨音の脳内でリフレインされる〈正しさという聞こえない音楽が私達の頭上で響いている〉、エデンの真っ白な公園で黒装束の二人が謎の白い粉を撒くミステリアスなビジュアルには〈私達はこの世界を食すべきた〉、そして“ラピス”を共に愛する水内(結木滉星)との密かな約束を交わすビジュアルには〈まだ見ぬほんの少し先の世界〉と、それぞれ本作のテーマ性に迫る鮮烈なキャッチコピーが付けられた。





「恋愛」「結婚」「家族」「性」「近未来」「正しさ」、そして「楽園(ユートピア)」と「反理想郷(ディストピア)」。既存の1点では収まりきれない本作で展開される主題の広がりを、5点のポスタービジュアルがそれぞれの角度から掘り下げている。
公開に合わせ、監督が主宰・プロデュースする カフェコラボレーションがスタート
川村監督が主宰・プロデュースする、モノトーンを基調とした渋谷の隠れ家的カフェ、CAFE:MONOCHROMEと映画『消滅世界』のコラボレーションが、公開日である11月28日(金)よりスタート!

期間中、映画の世界観をモチーフに、価値観が変わる前の世界を象徴する漆黒のスペースと、実験都市・エデン建設後の世界をイメージした真っ白な空間が広がる。川村監督が制作・キュレーションする『消滅世界』をイメージした映像・音楽に浸りながら、オリジナルコラボドリンクやスイーツを楽しむことができる。また、店頭でムビチケ購入、もしくはすでに購入したスマホ画面を提示すると、『消滅世界』の英字版ポスタービジュアル2種と、アニメ作家・Wabokuデザインの“ラピス”キャラ設定資料画像のICカードサイズステッカーがプレゼントされる。また期間中に、オリジナルコラボTシャツなど、『消滅世界』コラボレーショングッズの販売も予定されている。
映画・音楽・ファッションなど様々なジャンルのアートとコラボレーションしてきたカフェが、『消滅世界』一色に染まる。渋谷の喧騒から離れ、映画鑑賞前後に特別な時間を過ごしていただきたいスペシャル企画となっている。
先日発表された第50回報知映画賞・作品賞へのノミネートでも話題を呼ぶ、映画『消滅世界』は、11月28日(金)より全国ロードショー。
11月28日(金)新宿シネマカリテ他全国公開
<Introduction>
本作品の原作「消滅世界」は、現在累計170万部を超える芥川賞受賞作「コンビニ人間」直前の2015年12月に刊行された長編小説。超少子化の先-「性」が消えゆく世界で激動する「恋愛」「結婚」「家族」のあり方に翻弄される若者たちを描いた本作は、「常識」という枠の中でもがく現代の私たち自身を映し出した合わせ鏡のような作品です。
この「日本の未来を予言する小説」と各メディアで大きな話題となった圧倒的衝撃作を、MTV出身、RADIOHEAD、OASISなど国内外様々なアーティストのライブやミュージックビデオ、CM、ショートフィルム、大河ドラマのドキュメンタリーなど多岐にわたるフィールドで活躍する映像ディレクター・川村誠が脚本とともに映像化に挑みます。
主人公・雨音には蒔田彩珠。ドラマ「ゴーイング マイ ホーム」(2012)をきっかけに、映画『三度目の殺人』(2017)、第71回カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作品『万引き家族』(2018)など是枝裕和作品の常連に。河瀨直美監督の『朝が来る』(2020)では中学生で母となった難役も熱演し、「第44回日本アカデミー賞」新人俳優賞受賞、「2020年第94回キネマ旬報ベスト・テン表彰式」助演女優賞、「第45回報知映画賞」助演女優賞を受賞など数々の賞を獲得しました。さらに、NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」(2021)や、日曜劇場「御上先生」(2025)に出演。現在放送中の日本テレビ系列日曜ドラマ『DOCTOR PRICE』ではヒロイン役を熱演。岩田剛典演じる主人公のアシスタントとして、知的かつコミカルな役柄をキュートに演じ、幅広い演技力を発揮しています。 数々の名監督から熱視線を浴び、その確かな実力で業界の注目を集める最旬女優が圧倒的衝撃作の実写化に挑みます。
雨音の夫・朔には栁俊太郎が出演。2009年「第24回MEN’S NON-NOモデルグランプリ」を受賞し、モデルデビュー。2021年4月発売の同誌で卒業するまで、約12年にわたり専属モデルを務めました。2012年5月に公開された『ヴァージン「ふかくこの性を愛すべし」』で俳優デビューを飾り、その後、『クローズEXPLODE』(2014)や『東京喰種トーキョーグール』(2017)、近年では『ゴールデンカムイ』や『バジーノイズ』(共に2024)など劇場公開映画への出演が年々増え、現在公開中の映画 『九龍ジェネリックロマンス』への出演でも話題沸騰中。毎作品で様々な表情を魅せる栁は、令和を代表するカメレオン俳優の一人として数多くのクリエイターから絶大なる信頼を得ています。
さらに、雨音の良き理解者として学生時代から雨音と親交を深める親友の樹里役を、話題のヴィレッジ・サイコスリラー『ガンニバル』での怪演が記憶に新しい、確かな演技力でファンを魅了し続ける恒松祐里が演じます。また、雨音と同じ高校の同級生・水内を、ドラマ『教場』や『パーセント』『ダブルチート』などで着実にキャリアを積み、話題作への出演へが続く結木滉星が務め、恋愛対象として二次元のキャラクターに好意を抱く難役に挑みます。また、樹里の夫・水人役に初主演映画『i ai』で強烈な印象を残した富田健太郎、雨音の元夫・正信役に『若武者』『フィクショナル』などに出演、映画ファンの心を掴んで離さない個性派・清水尚弥が、それぞれ雨音の感情を揺さぶり翻弄するキャラクターを体現しています。
また、雨音の母・雫を『ドライブ・マイ・カー』の霧島れいかが務め、夫婦間の性行為はタブーとされる世界で「愛し合った末」に雨音を生んだ母親に狂気のオーラを纏わせ、正常と異常の境界の不確かさを観るものに突きつけます。また、朔の彼女である深雪を、主演作『赦し』で難役を見事に演じ切った松浦りょう、実験都市エデンで生殖を司る医師を名バイプレーヤー・山中崇が演じ、さらにエデンの管理人を、常に作品の要としての存在感を放つ眞島秀和、謎の少年を岩田奏がそれぞれ務め、眞島と岩田はエデンという異世界の住人として独特な存在感を放ち、物語を更なる高みへと誘います。
物語
人工授精で、子どもを産むことが定着した世界。 そこでは、夫婦間の性行為はタブーとされ、恋や性愛の対象は「家庭の外」の恋人か、二次元キャラというのが常識に。 そんな世界で「両親が愛し合った末」に生まれた主人公・雨音は、母親に嫌悪を抱いていた。 家庭に性愛を持ち込まない清潔な結婚生活を望み、夫以外のヒトやキャラクターと恋愛を重ねる雨音。 だがその“正常”な日々は、夫と移住した実験都市・楽園(エデン)で一変する。

原作:「消滅世界」(村田沙耶香著/河出文庫)
監督・脚本 :川村誠
出演:蒔田彩珠 栁俊太郎
恒松祐里 結木滉星 富田健太郎 清水尚弥 松浦りょう 岩田奏
山中崇 / 眞島秀和 / 霧島れいか
撮影時期 : 2024.6.8~6.23
劇場公開 : 2025年11月28日(金)
配給会社 : NAKACHIKA PICTURES
©2025「消滅世界」製作委員会





