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映画『水の中で深呼吸』7/25〜新宿シネマカリテほか全国順次公開決定 & ポスタービジュアル解禁

自分は、女なのか、男なのか。この気持ちは、恋なのか、友情なのか。揺れ動く10代の心を描いた映画『水の中で深呼吸』が、7月25日(金)より新宿シネマカリテほか、全国で順次公開する。この度、本作の公開情報と併せて、ポスタービジュアル、場面写真が一斉に解禁された。

主人公・葵を演じたのは、『猿楽町で会いましょう』で第31回日本映画批評家大賞・ 新人女優賞受賞を果たし、『うみべの女の子』など数々の作品で主演を務める実力派俳優・石川瑠華。 戸惑いながらも自身の輪郭を探し求める葵の心の機微を、 ボーダーレスな佇まいと繊細な演技で表現した。さらに、中島瑠菜を筆頭としたフレッシュな若手キャストが脇を固める。
監督は、『スイート』で第30回キネコ国際映画祭の国際審査員特別賞、PTA 賞のほか、モントリオール日本映画祭の短編映画最優秀賞を受賞した安井祥二。木村文乃主演の『紋の光』も現在公開中の、気鋭の映像作家だ。本作では、全ての人の心に潜む“言葉にならない想い”を、静かな光で照らし出すことを試みた。

石川瑠華 コメント
わたし自身、学生時代に映画の中で描かれているような悩みを抱えていました。そのことを誰にも相談できなかった記憶があります。当時の自分をしっかり肯定できるようになった今、この映画を今悩んでいる誰かに届けたいと思い、オーディションに参加しました。
役をいただいた時、オーディションを受けた時よりも“分からない” と感じました。現場でも、葵という人物について安井監督と日々話し合いました。安井監督はこういう人だと決めつけることはせず、時には少し距離をとって見守ろうとしてくださりました。娘思いだけど不器用なお父さんのようでした。そんな安井監督の映画だったからこそ、わたしは葵に真っ正面からぶつかるようにして役作りをしていったような気がします。
泳ぎの撮影と同じくらい、水中に身を置いている状態の撮影があり、回数を重ねるごとに息はできないはずなのに、「息をしやすい場所だ」と感じることがありました。その感覚は、葵を演じる上でとても大切なものだったと思います。悩みの渦の中にいて、息がしにくいと感じている誰かに、この映画がそっと届いてくれたらいいなと思います。

プロフィール
1997年3月22日生まれ、埼玉県出身。2017年8月の舞台「SUGAR WORKS」でデビュー。
『猿楽町で会いましょう』(21)の主演・ユカ役を好演。主な出演作に映画『うみべの女の子』(21)、『市子』(23)、ドラマ「君のことだけ見ていたい」「犬と屑」などがある。

安井祥二監督 メッセージ
LGBTQ+に限らず、悩みを抱えながら生きている全ての人を、肯定できるような作品にしたい──そんな想いを込めて撮影した作品です。同性を好きになるなど、いわゆるマジョリティではない人たちの感情を描いた作品が「 LGBTQ+ の映画」というラベルで特別視されることに、私はずっと違和感を抱いていました。誰かにとってはごく自然で当たり前の感情が、いまだに「普通ではないもの」として扱われてしまうこと自体が、今の社会の空気を映しているようにも思えます。
この映画は、「LGBTQ+の映画」という枠組みの中で語られるものではなく、あくまでひとりの高校生が 自分自身を模索していく物語です。主人公・葵の抱える揺らぎは、誰もが日々抱えている葛藤や迷いと、何も変わらないと私は思っています。“普通”とは何か、“自分らしさ”とは何か。ふと立ち止まって、そんな問いと向き合ってもらえるような、小さなきっかけになれば嬉しいです。