ジャパンプレミア
日程:6月3日(火)
場所:新宿ピカデリー
登壇:鈴木唯、石田ひかり、リリー・フランキー、中島歩、河合優実、坂東龍汰、早川千絵(監督)
本作は第78回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に正式出品され、国際的な注目を集めました。舞台は1980年代後半の夏。病と闘う父(リリー)と、仕事に多忙な母(石田)のもとで暮らす11歳の少女・フキ(鈴木)の日常を描いた作品です。
主演を務めた鈴木唯は、カンヌ映画祭が選ぶ「注目すべき10人の才能」にも選出され、今後の活躍が期待されています。注目を受けた感想について問われた鈴木さんは、「よくわからないけど、なんかすごいなぁって思います」と、率直な思いを笑顔で語りました。

共演のリリーは、そんな鈴木に対し、「注目されると大変なこともある。なるべく注目されないように生きるのが一番楽だと思う」と、穏やかに助言。ご自身の経験を振り返りながら「自分はカンヌのレッドカーペットを3回歩いたが、一度も注目されたことはない」とユーモアを交えて語りつつ、「悪目立ちしない慎ましさが大切」と温かい言葉を贈りました。
さらに「注目されて、グレたりしないようにね」と、親心をのぞかせるようなアドバイスも。これに対し鈴木さんは、「グレない、グレない!大丈夫です!」と笑顔で応じ、しっかりとした返答を見せていました。
また、河合は、「鈴木さんの自然体な姿が印象的でした。初めての本読みの時も、思ったことを率直に伝えてくれて、『私ももっとシンプルに生きていいんだな』と学ばせてもらいました」と語り、現場の雰囲気を明かしました。

鈴木も河合について「演技がとても上手で、憧れの存在。淡い水彩画のような魅力があり、見習いたいと思いました」と語り、河合さんも「その感性をそのまま大切に育てていってほしい」と応えていました。
中島は「暑かったです。クランクインの前に顔合わせがありまして。それから、あれもやりましたよね、あれ」と少し言葉を探す場面があり、リリー・フランキーさんから「1つも出てこないじゃないか」と笑い交じりに突っ込まれる一幕もありました。
さらに中島は、石田が登場しない場面について石田に話を振るなど、会場は和やかな笑いに包まれていました。

特にレストランのシーンでは撮影時の暑さが印象に残っていたようで、鈴木が「サウナの中のような状態でした」と語ると、中島も「サウナの中のような状態でした」と同じ表現を繰り返し、再び会場の笑いを誘っていました。
また、中島は現在NHK連続テレビ小説『あんぱん』に次郎役で出演中で、鈴木も視聴しているそうです。鈴木が「演技が素晴らしい」と感想を伝えたことを中島さんが紹介し、鈴木が「皆さん先輩なので、見習いたいです」と話すと、中島は「見習ってください」と笑顔で応じ、会場は温かな雰囲気に包まれていました。

カンヌのレッドカーペットについて鈴木は、「とても緊張しましたが、嬉しくて楽しい時間でした。一生の思い出になると思います」と振り返り、初めての国際舞台での体験を素直に語っていました。

さらに、本作は世界40か国以上での上映も決定しており、国際的な評価の広がりも期待されています。リリーは、「これだけ多くの国で観られると、いろんなオファーが来ると思う。でも、注目されすぎないように気をつけてね」と、まるで実の娘を気遣うような温かい言葉をかけていました。鈴木さんは、そんな言葉に静かにうなずき、素直に受け止めている様子でした。
