日付:10月25日(土)
会場:新宿バルト9
登壇:杉咲 花、南 琴奈、板垣李光人、蒼井 優、松居大悟監督
作家・金原ひとみさんの同名小説を原作に、松居大悟監督が実写化した本作は、歌舞伎町を舞台に、擬人化焼肉漫画「ミート・イズ・マイン」を愛読するものの、自分自身をなかなか好きになれない主人公・由嘉里(杉咲花さん)が、新たな世界と出会う姿を描いています。
主演の杉咲は「撮影期間中はとても苦しい日々だったなと感じています。普段はあまり自分の感情を演技に持ち込むタイプではないのですが、由嘉里を演じていると、自分を他人と比べてしまうところや、自分を好きになれない部分などが重なって、人に見せてはいけないものをさらけ出しているような感覚がありました」と語りました。そのうえで、「撮影中は苦しさの中にいたので気づかなかったのですが、完成した作品を客観的に観たときに、“人に見られて恥ずかしい”と思う部分も、意外と人は面白がってくれるのかもしれないと感じて、救われました」と笑顔を見せました。
南は「掴みどころのない存在として捉えていました。あまりにも明確に理解しすぎるのも違うのではないかと思っていて」と語る。監督からは「オーディションの時のように自然体でいてほしい」との言葉を受けていたことから、できるだけ自然な状態で演じることを意識したという。
また、役作りの一環として、実際にキャバクラ店を訪れ、スタッフやキャストから仕事内容や私生活に関する話を聞くなど、現場のリアルな空気を学んだことも明かしている。
板垣は「日々の仕事の流れや働き方など、すべてが参考になりました」と振り返り、役作りのために訪れた店舗でのエピソードを語りました。「実際にお店に伺った際、名刺をいただいたのですが、その名刺がとても印象的で。劇中でも同じように名刺を作っていただき、撮影現場でも好評でした」と笑顔を見せ、名刺を手渡す仕草を実演してみせました。さらに「コップを定期的に拭いたり、おしぼりを三角にたたんだりといった細やかな動作を実際に体験できたのは貴重でした」と、現場での学びを嬉しそうに語りました。
松居と再びタッグを組む蒼井は『アズミ・ハルコは行方不明』の当時の撮影を振り返り、「商業映画ではありましたが、学生映画を作るような気持ちで、熱意と愛情で乗り越えていくような現場でした」と懐かしそうに語った。さらに、「お互い少し大人になりましたが、10年経っても映画への愛情を失わずに再会できたことがうれしいです」と笑顔を見せた。これに対し、松居監督も「うれしい言葉をいただきました」と応じた。
今回の出演依頼について松居監督は「出演してもらえるか不安で、緊張しながら連絡しました」と当時の心境を明かした。すると蒼井は「ユキという役には、『ハルコ』の10年後の姿を重ねるようなイメージが自分の中にありました」と話し、松居監督が「初めて聞きました」と驚くと、蒼井が「言いましたよ」と返すなど、長年の信頼関係が感じられるやり取りも見られた。
一方、南は「コーヒー」と回答。「2週間ほど前に初めて飲めるようになりました。これまであまり飲む機会がなかったのですが、高校を卒業して1日通してお仕事をするようになって、眠くなったときにスタッフさんが“コーヒーいかがですか?”と勧めてくださって。それをきっかけに飲んでみたら、とてもおいしく感じました」と、新たな発見を笑顔で明かしました。
板垣は「韓国で現地のスタッフの方々と撮影する機会がありました」とエピソードを紹介。「僕は目元にほくろがあるのですが、メイクの際に一度消されて、その上に改めて描かれるんです。日本での仕事とは違う感覚や価値観に触れることができて、とても新鮮で刺激的でした」と語り、海外での経験が自身に良い影響を与えたことを明かしました。

<キャスト&スタッフ>
杉咲花 南琴奈 板垣李光人
くるま(令和ロマン) 加藤千尋 和田光沙 安藤裕子 中山祐一朗 佐藤寛太
渋川清彦 筒井真理子 / 蒼井優
(劇中アニメ「ミート・イズ・マイン」) 村瀬歩 坂田将吾 阿座上洋平 田丸篤志
監督:松居大悟
原作:金原ひとみ『ミーツ・ザ・ワールド』(集英社文庫 刊)
脚本:國吉咲貴 松居大悟 音楽:クリープハイプ
主題歌:クリープハイプ「だからなんだって話」(ユニバーサルシグマ)
製作:藤本款 和田佳恵 津嶋敬介 大好誠 プロデューサー:深瀬和美 白石裕菜
撮影:塩谷大樹 照明:藤井勇 録音:西條博介 美術:井上心平 装飾:遠藤善人 編集:瀧田隆一 スタイリスト:山本マナ ヘアメイク:風間啓子
音響効果:渋谷圭介 VFXスーパーバイザー:鎌田康介 助監督:山下久義 制作担当:緒方裕士 アニメーション制作:UWAN Pictures キャラクターデザイン:あおいれびん
製作委員会:クロックワークス テレビ東京 ホリプロ 集英社 制作プロダクション:ホリプロ 製作幹事・配給:クロックワークス
©金原ひとみ/集英社・映画「ミーツ・ザ・ワールド」製作委員会
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(日本映画製作支援事業)|独立行政法人日本芸術文化振興会
2025年/日本/カラー/アカデミー(1.37:1)/5.1ch/126分/G




















