映画

映画『ボイジャー 4Kレストア』【本編特別映像解禁】、『ビリー・ワイルダーは語る』の上映も決定!

「ブリキの太鼓」のフォルカー・シュレンドルフ監督作品「ボイジャー」4Kレストア版の公開(6月6日)を記念し、本編特別映像と推薦コメントが披露された。また、6月13日から映画館Stranger、京都シネマにて近日中にフォルカー・シュレンドルフ監督によるドキュメンタリー映画「ビリー・ワイルダーは語る」の上映も決定した。

「ボイジャー」は、ニュー・ジャーマン・シネマの巨匠シュレンドルフ監督が、スイスの作家マックス・フリッシュによる小説「ホモ・ファーベル」(57)を原作に映画化。「ビフォア・サンライズ 恋人までの距離」(95)の公開を控えた、本作公開当時22歳のジュリー・デルピーがあどけない存在感で主人公の運命を引き寄せていく女学生エリザベスを体現。「ライトスタッフ」(83)、「天国の日々」(78)のサム・シェパードが、幾つもの恋を通過してきた独身の中年主人公フェイバーを演じ、年齢の差を超えた男女の愛の行方を描く。

「ボイジャー」
「ボイジャー」
(C)2013 STUDIOCANAL GmbH. Alle Rechte vorbehalten

50歳を過ぎた技術者、ウォルター・フェイバー(サム・シェパード)は、ユネスコの仕事で世界を飛び回っている。パリでの会議へ向かうため、豪華客船で大西洋を渡る途中、芸術を愛する女学生エリザベス(ジュリー・デルピー)と出会う。技術だけを信じ、芸術に無関心なフェイバーは好奇心旺盛な彼女に戸惑いながらも、次第に強く惹かれていく。やがて二人は、パリ、ローマと旅を共にするうちに心を通わせ、深く結ばれる。しかし、エリザベスにはフェイバーの運命を大きく揺るがす、ある秘密が隠されていた――。

画像2

「ビリー・ワイルダーは語る」は、「お熱いのがお好き」や「サンセット大通り」など数々の名作を生み出した伝説的映画監督にシュレンドルフが2週間にわたるインタビューを敢行。貴重なインタビューやアーカイブ映像を通し、ビリー・ワイルダーの素顔と創作の秘密に迫る、映画ファン必見のドキュメンタリーだ。

「ボイジャー」4Kレストア版は、6月6日からシネマート新宿、Stranger、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開。

▼「ボイジャー」著名人推薦コメント
最後の10分。こんなに恐ろしい2ショットは初めて見ました。美しい言葉で飾ることなんて私にはできない。たった一言の過ち。ぐるぐると移動し続けていた彼の身体は、心を求め続けた末に、結局、もとの場所へ戻ってきてしまったのかもしれません。
玉城ティナ(女優)
人は自分自身の魂の半身(アニマ)の追撃からは逃げられない…その摂理を美しく悲しく描いた作品。
鏡リュウジ(占星術研究家・翻訳家)
「この人と結ばれた」。それよりも、「あの人はもういない」。こちらの方が恋の成就を感じるのは何故か。相手そのものにではなく、相手の中にいる自分に恋しているからだろう。
岩井志麻子(作家)
「ブリキの太鼓」(グラス)、「スワンの恋」(プルースト)、「魔王」(トゥルニエ)、「侍女の物語」(アトウッド)など名作文学の映画化で知られるシュレンドルフ。だが彼の映画は他にも共通点がある。異郷や異なる時間への旅、ドイツ人ゆえの戦争や暴力への複雑な想いだ。美しいロードムービー『ボイジャー』はまさに彼のテーマの集大成といえる。
渋谷哲也(ドイツ映画研究/日本大学文理学部教授)
運命を信じない男を打ちのめすほどの、ジュリー・デルピーのまばゆさ。はかなくて、
美しくて、ただ悲哀を感じる。
山崎まどか(コラムニスト)