映画『キング・オブ・キングス』クリスマスの起源を辿る予告映像&場面写真解禁
北米で公開された韓国映画として歴代最高の興行収入を記録したアニメーション映画『キング・オブ・キングス』が、2026年3月27日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国で公開されることが決定した。
本作は、「クリスマス・キャロル」で知られる作家チャールズ・ディケンズが、子どもたちのために執筆しながら生前は出版を禁じていた物語に着想を得て製作された作品で、イエス・キリストの誕生から復活までを描いている。クリスマス当日である12月25日に予告編と場面写真が解禁され、世界で語り継がれてきた物語をアニメーションとして描き出す本作の全貌が明らかになった。
『キング・オブ・キングス』は、チャールズ・ディケンズが愛息子のために語り聞かせる物語として、イエス・キリストの生涯を描くアニメーション映画である。製作・監督・脚本を務めたチャン・ソンホ率いるMOFAC STUDIOは、30年以上にわたる制作ノウハウを注ぎ込み、10年の歳月をかけて本作を完成させた。物語は、約2000年前にベツレヘムで生まれたイエスの誕生から、奇跡の数々、弟子たちとの旅、そして十字架刑と復活に至るまでを丁寧に追っていく。
『キング・オブ・キングス』より ©2025 MOFAC Animation Studios LLC.
アジア、ヨーロッパ、アフリカなど90カ国以上で公開され、北米では興行収入6000万ドルを突破。『パラサイト 半地下の家族』を上回り、北米公開の韓国映画として歴代最高収入を記録するなど、世界的な成功を収めている。
予告編が映し出す奇跡と受難-語り継がれるイエス・キリストの物
解禁された予告編は、作家チャールズ・ディケンズが愛息子ウォルターに物語を語り始める場面から幕を開ける。ディケンズの語りに導かれるように、物語は世界で最もよく知られた存在のひとりであるイエス・キリストの生涯へと移っていく。
『キング・オブ・キングス』より ©2025 MOFAC Animation Studios LLC.
予告では、全盲の人の目にそっと手を触れ、視力を回復させる奇跡の場面や、水の上を歩く姿など、聖書や美術作品を通して知られてきた象徴的なエピソードが次々と描かれる。一方で、その力と思想が人々の恐れを招き、やがて十字架刑へと追い込まれていく過程も静かに示されている。奇跡を起こす存在としてではなく、愛と赦しを説きながらも過酷な運命を背負うひとりの人物としてイエスを描いている点が、本作の予告編からは強く印象づけられる。約2000年にわたり語り継がれてきた物語が、アニメーションという表現によってどのように再構築されるのか、その一端を垣間見せる映像となっている。
『キング・オブ・キングス』は、韓国で製作された作品でありながら、英語版の声優陣に世界的に知られる俳優を起用している点も大きな特徴となっている。チャールズ・ディケンズ役を務めるのは、『ハリー・ポッターと秘密の部屋』(02)などで知られるケネス・ブラナー。妻キャサリン役には、『キル・ビル』(03)のユマ・サーマンが名を連ねている。
『キング・オブ・キングス』より ©2025 MOFAC Animation Studios LLC.
さらに、物語の中心となるイエス・キリスト役には、『スター・ウォーズ』シリーズで知られるオスカー・アイザックを起用。そのほかにも、マーク・ハミル、ピアース・ブロスナン、フォレスト・ウィテカー、ベン・キングズレーといった実力派俳優が参加しており、国際的なキャストが物語に厚みを与えている。
『キング・オブ・キングス』より ©2025 MOFAC Animation Studios LLC.
こうした英語版キャストの充実もあり、本作はアジアやヨーロッパ、アフリカを含む90カ国以上で公開され、北米では興行収入6000万ドルを突破するヒットを記録した。言語や文化の壁を越えて物語を届けるためのキャスティング戦略が、世界的な成功につながったことがうかがえる。
併せて解禁された場面写真では、チャールズ・ディケンズが身振り手振りを交えながら物語を語る姿や、イエス・キリストの世界に入り込むように描かれる息子ウォルターと愛猫の姿が印象的に切り取られている。語り手であるディケンズと聞き手である子どもの視点を通じて、物語が立ち上がっていく構造が、静かな画づくりからも伝わってくる。
『キング・オブ・キングス』より ©2025 MOFAC Animation Studios LLC.
また、慈悲深く人々に寄り添うイエスの姿から、十字架に磔にされる悲劇的な場面まで、その生涯を象徴するシーンも収められている。多くの人々に慕われながらも過酷な運命を背負ったイエス・キリストの姿を、アニメーションならではの表現で描き出している点も、本作の特徴のひとつだ。
『キング・オブ・キングス』より ©2025 MOFAC Animation Studios LLC.
日本でも毎年恒例の行事として親しまれているクリスマス。その起源となった物語を、語りと映像を通して描き出す『キング・オブ・キングス』は、宗教や文化の枠を越えて受け継がれてきた物語をあらためて見つめ直す機会を与えてくれそうだ。世界的ヒットを記録した本作が、日本の劇場でどのように受け止められるのか、注目したい。
タイトル:『キング・オブ・キングス』
原題:The King of Kings
公開日:2026年3月27日
製作・監督・編集:チャン・ソンホ
脚本:チャン・ソンホ、ロブ・エドワーズ、ジェイミー・トーマソン
音楽:キム・テソン
声の出演:ケネス・ブラナー、ユマ・サーマン、ローマン・グリフィン・デイヴィス、オスカー・アイザック、ピアース・ブロスナン、フォレスト・ウィテカー、ベン・キングズレー
韓国、アメリカ|2025年|101分|G
©2025 MOFAC Animation Studios LLC.





