映画『しびれ』台北映画祭にて内山拓也監督特集上映開催決定
新藤兼人賞をはじめ数々の映画賞新人賞を席巻した『佐々木、イン、マイマイン』(20)、続く『若き見知らぬ者たち』(24)と、 これまで“現実に抗いながらも何かを掴もうとする若者の青春”を見つめてきた内山拓也監督。内山監督の故郷である新潟を舞台に、居場所とアイデンティティを模索する少年の物語を自伝的作品として描く渾身の一作『しびれ』。映画は、自分の居場所を探す孤独な少年が、息をのむような大きな愛を知るまでの20年間を描いた作品です。内山監督が『佐々木、イン、マイマイン』よりも前から執筆を続けてきた構想十余年のオリジナル脚本。
昨年11月に開催された第26回東京フィルメックスでは、日本作品で唯一、コンペティション部門に選出。マティアス・ピニェイロ監督ら審査員から「静寂と変化、柔らかさと硬さが内包され、バランス感覚に満ちた映画である」と評され、審査員特別賞を受賞。そして、今年2月に開催された、世界三大映画祭の一つである第76回ベルリン国際映画祭では、パノラマ部門に正式出品され、ベルリン国際映画祭ディレクターのマイケル・シュトゥッツから「観る者の心に長く余韻を残す作品」と高く評価された作品。今年5月に開催された第4回横浜国際映画祭では、作品賞にあたるグランプリ、そして最優秀監督賞、最優秀男優賞(北村匠海)と3冠を受賞するなど、国内外の映画祭で大きな反響を呼んでいる。
そして、この度、2026年6月26日から開催される第28回台北映画祭(台北電影節)への出品が決定し、さらには、毎年、世界で最注目すべき映像作家に焦点を当て、その監督の作品群が上映される”Filmmakers in Focus”に内山拓也監督が選定された。
本特集上映では、これまでの内山監督の長編作品『ヴァニタス』、『佐々木、イン、マイマイン』、『若き見知らぬ者たち』、『しびれ』の4本が上映される。
内山監督について、台北映画祭は、人物の佇まいや画面設計への鋭い感性を持ち、現代の若者が抱える孤独や喪失感を鮮烈な映像で描き出す作家として評している。
近年、”Filmmakers in Focus”にて特集された日本人は2016年に濱口竜介監督、2020年に大林宣彦監督。台北現地でのQ&Aでは内山監督と台北の観客との交流も予定されている。
この度、台北映画祭での“内山拓也監督特集上映”が組まれるにあたり、内山拓也監督、そして台北映画祭だけでなく、『ヴァニタス』の細川岳、『佐々木、イン、マイマイン』の藤原季節、『若き見知らぬ者たち』の磯村勇斗、『しびれ』の北村匠海、とこれまで内山監督の長編4作品で主演を務め、内山監督と共に作品を作り、作品の世界観を共有し、強い信頼感で結ばれている俳優陣からもコメントも到着した。
ベルリン映画祭への出品を受けてのコメント
※敬称略※
雪が降り、息を白くする2月のベルリンは、冬を実感する光景で、本作にとってまさにぴったりの舞台に選ばれたのではないかと感じています。映画を祝福するようなそんな情景を、目に焼きつけたいと思います。
すべてのスタッフ、キャスト、携わってくれた方々、作品をベルリンの地へ運んでいただき心から感謝しています。
「しびれ」の静寂と温もり、呼吸と眼差し、そして生きる歓びが、海を超えて、誰かの心をすこしでも軽くできますよう願っています。
――内山拓也(監督・原案・脚本)
ベルリン国際映画祭 パノラマ部門に「しびれ」が選出されました。
歴史ある映画祭で「しびれ」を評価していただけて本当に嬉しく思います。
僕たちの愛情が少しでも届くことを願っています。
――北村匠海 (大地役)
ベルリン映画祭への出品を受けてのコメント
※敬称略
異国の地で自分の特集上映が組まれるとはどういう気持ちなのだろう。
内山とはたくさん一緒に映画を作ってきたし、それはこれからも続くと思う。
『しびれ』を初めて観た時、あまりにも良くてその場で感想を伝えた。
翌日の夜にまだ伝えきれてないような気がしてまた電話。感想を浴びせると彼は笑っていた。
真摯に映画に向き合っている姿を側で見てきたから、これは偶然ではないのだと僕は知っている。
おめでとう。またいつかの立ち飲み屋でビール奢るよ。
――細川岳
内山拓也の新作『しびれ』がとにかく傑作で、鑑賞して数ヶ月経っても景色が頭から離れない。
『しびれ』は内山拓也の源流なのかもしれないが『佐々木、イン、マイマイン』を撮っていなければ
『しびれ』を撮れることはなかったかもしれないと思うと誇らしい。
台北の皆さまには、ぜひ内山拓也の川を辿って源流まで辿り着いていただきたい。謝謝。
――藤原季節
内山拓也監督、台北映画祭での特集開催、おめでとうございます。
監督の作品を通して、彼の眼差しや作家性が台湾、そして海外の皆さまへ届いていくことを、僕自身とても嬉しく感じています。
『若き見知らぬ者たち』も上映されるとのことで、現地の皆さまがどのように作品を受け取ってくださるのか、今からとても楽しみです。
キャスト、スタッフ、そして作品に関わる人たちから深く愛される内山監督の魅力が、この特集を通してさらに広がっていくことを願っています。
――磯村勇斗
『内山拓也』という監督は、映画に愛されています。
そして映画を通して世の中を見ているのです。
現在から未来へ残せる映像を追い求めているのです。
僕ら役者は彼のシナリオの中で共に生きて共に悩んで共に笑い共に泣く。
その日々がたまらなく愛しいのです。
そんな時間が何よりも映画でした。
――北村匠海
世界各国の多様な映画を紹介しながら、アジア映画の発展にも大きく寄与してきた台北映画祭にて、特集上映を開催していただけることを、大変光栄に思っています。
自主制作の『ヴァニタス』から、劇場デビュー作の『佐々木、イン、マイマイン』、商業デビュー作の『若き見知らぬ者たち』、そして最新作『しびれ』に至るまで、これまでの長編作品をすべて振り返っていただけることは、映画監督として、本当に名誉ある出来事です。
台北映画祭は長年にわたり、世界的な巨匠から新しい才能まで、数多くの映画作家を紹介し、国や地域を越えて、多角的な視点から映画文化を発信し続けてきました。そのような映画祭が、自分の作品の中に映画作家としての輪郭や、創作における表現への視点や執着などを見出してくださったことを、とても嬉しく感じています。
映画づくりを始めた頃から自分は、感情や人と人との距離感のようなものを、映画という形でどう掬い上げ、可視化できるかを考え続けてきました。
その中で、自分の拠り所になってきたのは、強い物語や技巧というより、「生の強度」に触れた記憶です。衝動として立ち上がる一瞬、時間の中で持続していく感覚、そして言葉にならないけど残り続けるものを、これからも追い求めていきたいです。
そんな自分の映画づくりを共にしてくれた、すべてのスタッフ・キャストに感謝しています。そして、これから暗闇の映画館で作品に触れてくれる、まだ見ぬ友人たちへ。本当にありがとうございます。
まだまだ道半ばではありますが、これからも一本一本、誠実に映画と向き合っていきたいと思います。
――内山拓也監督
初めて内山拓也監督の『しびれ』を観たとき、私たちは一瞬にして、彼の緻密な画面設計と、その映像表現に宿る言葉にできないほど繊細なテクスチャーに惹きつけられました。この出会いをきっかけに、私たちは内山拓也という映画作家のこれまでの軌跡を、より深く辿ることにしました。
世界各国の新たな才能を紹介してきた私たちは、内山監督の4本の長編作品に、確固たる創作意志とビジョン、そして極めて私的な経験や感覚への深い眼差しを見出しました。
それらの作品は、内山監督の代えがたい作家性を確立すると同時に、現代を生きる若者たちの孤独、不安、葛藤を、豊かな映画的表現によって浮かび上がらせています。大規模かつ商業性の強い映像作品が産業の中心となる現代において、内山監督は芸術的な洗練と、観客との感情の接続を高い次元で両立させている、稀有な才能です。
私たちは、内山拓也という映画作家が、今後、日本映画の現在地を語るうえで欠かせない存在になっていくと確信しています。
――台北映画祭
※特定の個人からではなく、映画祭全体からのコメントとなります。











映画『しびれ』
監督・原案・脚本:内山拓也
出演:北村匠海 宮沢りえ
榎本 司 加藤庵次 穐本陽月
赤間麻里子 / 永瀬正敏
企画・制作:カラーバード 製作幹事・制作プロダクション:RIKIプロジェクト
配給:NAKACHIKA PICTURES
2026年公開





