映画

映画『おいしい給食 炎の修学旅行』初日舞台挨拶

日付:10月24日(金)
場所:丸の内ピカデリー
登壇:市原隼人、武田玲奈、田澤泰粋、栄信、片桐 仁、いとうまい子、小堺一機、綾部真弥監督

開場から約30分前、赤いジャンパーにメガネ姿で甘利田先生として登場した市原は、来場者一人ひとりに元気よく「おはよう!」と声をかけ、観客が手にしている劇場特典を見て「私ももらってない特典だ! うらやましい!」と笑顔で応じるなど、気さくな対応を見せました。また、「早くしろ! まだ時間はあるが、セリフだから言っておく」と劇中の台詞を交えて観客を楽しませる場面も。差し入れやプレゼントを受け取ると、嬉しそうに身振りで喜びを表現し、メガネをかけた観客を見つけると「メガネは無条件で友達だ!」と声をかけるなど、和やかな交流の時間となりました。

舞台挨拶の冒頭では、市原が台本を手に、演じる甘利田先生のセリフを交えながら劇場内で“点呼”をとる演出からスタート。甘利田先生の呼びかけに合わせて、武田玲奈をはじめとする共演者たちがステージに登場すると、客席からは大きな拍手と歓声が沸き起こりました。

綾部真弥監督は、最新作の公開初日を迎え、感慨深い表情を見せました。「映画づくりにはいろいろな節目がありますが、今日という日は特別です。先行上映や関係者試写などもありますが、やはり初日の幕が上がる瞬間が一番うれしく、緊張と高揚感に包まれます。自分の娘を嫁に出すような気持ちです」と語り、喜びをにじませました。

今回の映画では、シリーズ初となる“学校の外”を舞台に、青森や岩手を巡る物語が描かれています。市原は、ドラマ版の撮影前日まで綾部監督と電話でキャラクターについて話し合っていた思い出を振り返りながら、「函館での撮影(『おいしい給食 Road to イカメシ』)も奇跡のように感じていましたが、今回も夢のような時間でした」とコメント。さらに、「ドラマ版では40度を超える暑さの中での撮影でしたが、今回はまさかの寒波。氷点下の環境での撮影は大変でしたが、『おいしい給食』とともに新たな季節を越えられたことが本当にうれしいです」と笑顔で語りました。

作品の見どころについて質問された市原は、「選べません」と率直にコメント。「お祭りのように盛りだくさんで、本当に次から次へといろんなものが出てきます。給食のために学校に通っているような男が、給食以外の場所で食べる姿をどう描くのか、とても楽しみでした。青森ではせんべい汁、岩手ではわんこそばを味わいましたが、カットがかかっても皆が食べ続けていました」と撮影のエピソードを楽しそうに振り返りました。

武田は、「6年ぶりに市原さん、そして甘利田先生と再会できて、再び同じ役を演じることができたのは本当に貴重な経験でした」と笑顔を見せました。「甘利田先生は以前よりさらにパワーアップしていて、その熱量に改めて圧倒されました。『この人についていけば大丈夫!』という気持ちで撮影に臨みました」と信頼を込めて語りました。

田澤は、約1か月に及んだ撮影について「本当にあっという間でした」と振り返り、「これまでは学校で給食シーンを撮ることが多かったのですが、今回は青森や岩手を巡る“修学旅行”のような撮影で、これまでとは一味違った給食バトルやアレンジが楽しめると思います」と手応えを語りました。

栄信は、引率教員として修学旅行に同行し、東北での撮影に参加しました。「今回、木戸先生が初めて甘利田先生と食事をするんです」と語り、これまでシリーズ内で二人が食事を共にするシーンがなかったことを明かしました。「初めて甘利田先生の本質に触れたような気がして、とても嬉しかったです」と穏やかな笑顔を見せました。

片桐は、「初めてのスパルタ教師役で、怒鳴ったり定規で机を叩いたりと、自分が学生時代に一番苦手だったタイプの先生を演じました」とコメント。「でも、演じているうちにだんだん興奮してきて、自分ではないものになっていく感覚があり、まさに俳優としてのやりがいを感じました。定規は8本くらい折ってしまいました」と笑いを誘いました。

いとうは、「今回も出演できてほっとしました」と笑顔でコメント。本作の魅力について「給食を作る立場としては、生徒たちが修学旅行で学校にいないのは少し寂しいですが、物語は給食というテーマを大切にしながら、笑いも涙もあって心温まる作品になっています」と語りました。市原さんからは「影のヒロインですから!」と声をかけられ、会場を和ませました。

小堺は、「家族に久しぶりに褒められました」と笑顔を見せました。作品では毎回、校長と甘利田先生が1対1で語り合うシーンが描かれていますが、市原隼人さんとの共演について「まるで乙女のような気持ちになります。市原さんの目の奥には、まるで劇画のような炎が見える。“熱い”という言葉がぴったりの方です」と、市原さんの情熱を称えました。

また、映画のテーマにちなみ、「人生で全力で取り組んだこと、または取り組んでいること」という質問が登壇者に向けられました。武田玲奈さんは「サウナにずっとハマっています。昨日も行きました」と笑顔で答え、リフレッシュの時間を楽しんでいる様子を語りました。いとうまい子さんは、女優業の傍ら研究者として大学に所属しており、「細胞培養の実験に夢中です。6〜7時間続けて作業していても楽しいです」と研究への情熱を語りました。田澤泰粋さんは「まだ17歳ですが、今は勉強と野球に全力で取り組んでいます。今日は午前中に定期テストを受けてから来ました」と学生らしい一面をのぞかせました。

最後に、市原は「今はまさに『おいしい給食』にすべてを注いでいます」と力強くコメント。「“炎の全国キャラバン”で1日に3県を回ることもあり、各地で舞台挨拶をして飛行機や新幹線を乗り継ぐ日々ですが、この作品を応援してくださる皆さんにお会いできることが何より嬉しいです」と感謝の気持ちを込めて語りました。

綾部真弥監督は、2020年公開の『劇場版 おいしい給食 Final Battle』で一度シリーズを締めくくる予定だったことを明かしました。「3月に公開した直後に新型コロナウイルスの影響で緊急事態宣言が出てしまい、思うように上映ができませんでした。当時は全国で約50館ほどの劇場で上映していただいていたのですが、大作映画が次々と公開を見合わせるなか、結果的に『おいしい給食』が約100館で上映されることになり、まるで“敗戦処理”のような気持ちでした」と当時の複雑な心境を振り返りました。

さらに、「映画館が再開してから数か月後、東京で唯一上映していた劇場に行ったところ、平日の昼間にもかかわらず15人ほどのお客様が観に来てくださっていました。ご家族連れや小学生、年配のご夫婦、会社員の方など、幅広い方々が笑ったり涙したりしている姿を見て、本当に胸が熱くなりました」と語り、「いつか満席の観客の前で『おいしい給食』を上映したい」と強く心に誓ったといいます。

そして、「一人でパソコンやテレビで観る映画も素敵ですが、みんなで同じ時間を共有しながら笑い合うことこそ、この作品の魅力だと思います。その思いを胸に、『卒業』という形で再び作品を届けることにしました。こうして当時叶わなかった武田さんやいとうさんと一緒に舞台挨拶ができて、本当に感慨深いです。映画を続けてきて良かったと、心から思います」と感謝を込めて語ると、会場は大きな拍手に包まれました。

最後に、「生まれ変わってもこの作品に出会いたいと思うほど、大切な作品です。この作品を育ててくださった皆様に、心からありがとうございます」と語り、会場は大きな拍手と温かい歓声に包まれました。

おいしい給食 市原隼人
武田玲奈 田澤泰粋 栄信 田中佐季
片桐仁 いとうまい子 赤座美代子 六平直政 高畑淳子 小堺一機

監督:綾部真弥 製作総指揮:吉田尚剛 企画・脚本:永森裕二 プロデューサー:岩淵 規
撮影:小島悠介(JSC) 照明:西野龍太郎(JSL) 録音:井家眞紀夫 美術:伊藤悟 小道具:千葉彩加 衣裳:小磯和代 ヘアメイク:近藤美香 フードスタイリスト:松井あゆこ 助監督:湯本信一 制作担当:田山雅也
音楽:沢田ヒロユキ・ペイズリィ8(ロゴ有り) 編集:岩切裕一 グレーディング:河野文香 整音:田中俊 効果:佐藤祥子 ポスプロ・マネージャー:豊里泰宏
主題歌:「君の花~4th session~」(AMG MUSIC) 制作プロダクション:メディアンド
企画・配給:AMG
©2025「おいしい給食」製作委員会

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