映画

パク・チャヌク監督最新作『NO OTHER CHOICE』トロント国際映画祭国際観客賞受賞

2026年の米国アカデミー賞Ⓡ国際長編映画賞の韓国代表に選出された韓国の巨匠パク・チャヌク監督の最新作『NO OTHER CHOICE(英題)』が2026年3月にキノフィルムズ配給で日本公開となる。

『オールド・ボーイ』(04)でカンヌ国際映画祭グランプリ、『別れる決心』(22)で同映画祭監督賞を受賞。常にタブーを打ち破り、緻密さと完璧な美学で観客を魅了してきた巨匠パク・チャヌク監督。現代社会に生きる誰もが直面し得る“突然の解雇”という現実を独自の視点で描き出す本作では、『JSA』でタッグを組んだイ・ビョンホンを21年ぶりに主演に据え、「愛の不時着」のソン・イェジンをはじめ、豪華キャストが揃った。突然の解雇で人生が一変し追い詰められていく主人公マンス(イ・ビョンホン)に対し、危機に直面するほど強さを増す妻ミリ(ソン・イェジン)、そしてマンスとポジションを争うことになるライバルたち――それぞれ矛盾や葛藤を抱えたキャラクターの関係は、アイロニーとブラックユーモアに満ちた予測不能な展開へと観客を引き込んでゆく――。

©2025 CJ ENM Co., Ltd., MOHO FILM ALL RIGHTS RESERVED.

人が消費される現代社会への鋭い批判が映画祭の幅広い観客の共感を呼び、現地時間9月14日(日)、第50回トロント国際映画祭にて本作が新たに設けられた「国際観客賞(International People’s Choice Award)」を受賞した。同賞は今年新設され、北米(カナダ、米国)以外の作品の中から観客の投票が最も多かった作品に授与される賞となる。受賞についてパク・チャヌク監督は「公式上映の際に現地の観客の熱い反応を直接受け取っていたので受賞の知らせに驚くことはありませんでした。トロントの観客は私が望んでいた反応を見せてくれた世界最高の観客でした。関係者の皆様とボランティアの皆様に心より感謝申し上げます」とコメント。
また、本作の主演を務めるイ・ビョンホンは同映画祭で、映画界で顕著な功績を残した人物に贈られる「特別功労賞」を受賞。特別功労賞の受賞は韓国俳優初となる。

©2025 CJ ENM Co., Ltd., MOHO FILM ALL RIGHTS RESERVED.

米アカデミー賞Ⓡの前哨戦としても知られるトロント国際映画祭での受賞は大きな意味を持つ。昨年は観客賞の次点となった『ANORA アノーラ』が作品賞、監督賞などアカデミー賞Ⓡ5冠に輝いており、同賞の韓国代表に選ばれている『NO OTHER CHOICE(英題)』にとってはオスカーに一歩近づいたと言える。韓国では来週9月24日より封切となる本作の今後にご期待いただきたい!

ストーリー

「すべてが満ち足りている」製紙会社に勤めるごく普通のサラリーマン:マンスは、心からそう思い、妻と二人の子ども、二匹の犬と共に幸せな日々を送っていた。25年勤めた会社から突然解雇されるまでは。1年以上におよぶ就職活動は難航し、愛着ある自宅を失う状況に陥った時、追い詰められたマンスは成長著しい製紙会社に飛び込みで履歴書を差し出すが、無下に扱われてしまう。しかし、「自分こそが最もふさわしい人材」と確信するマンスは、ある決断を下す――「空きがないなら、自分で作るしかない」。

(2025年、韓国)

キャスト&スタッフ

監督:パク・チャヌク
出演:イ・ビョンホン、ソン・イェジン、パク・ヒスン、イ・ソンミン、ヨム・ヘラン、チャ・スンウォン

提供:木下グループ

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