沖縄最古の映画館として2022年に72年もの営業に幕を下ろした首里劇場の最期を、沖縄を代表する写真家・石川真生が撮影する姿を追ったドキュメンタリー映画『劇場が終わるとき』が、いよいよ5/24(土)よりユーロスペースでの公開がスタート!初日・2日目には監督他トークも決定!

本作は、戦後復興の時代に建てられ、2022 年4 月に経営者である館長の急逝によって72 年の歴史に幕を下ろした映画館・首里劇場を、沖縄を代表する写真家で、まもなく公開される『オキナワより愛を込めて』でも話題の写真家・石川真生が、劇場の持つ風格、わびしさ、染みついた歴史を記録で残そうと写真を撮影。石川が老いと病を抱えながら撮影する様を、本作監督の真喜屋力が追いかけるといったドキュメンタリー映画となっている。

また、急逝した金城政則館長の甥からは、家族で経営する劇場の思い出が語られる他、幼少より首里劇場を知るNPO法人シネマラボ突貫小僧代表の平良竜次、かつて上映された成人映画にも出演していた女優・ほたる、元映写技師のミュージシャン・とんちピクルス松浦浩司などが、それぞれの首里劇場への想いを語る他、石川真生の作品『大琉球写真絵巻』のモデルだったストリッパーの牧瀬茜や、かつて首里劇場でも上映されたピンク映画女優・ほたるも姿を見せる。

監督は、1992年公開のオムニバス映画『パイナップルツアーズ』の一話を監督し、その後東京のミニシアターBOX東中野(現ポレポレ東中野)や、沖縄で桜坂劇場の立ち上げにも参加し、興業、宣伝の立場からも映画に関わってきた真喜屋力。本作が長編作品としては初監督となる。

公開初日・2日目には、真喜屋監督の他、ゲストを迎えてのトークが決定!
5月24日(土)は、写真家・石川真生のキュレーターでもある、東京オペラシティアートギャラリー天野太郎、首里劇場でも撮影をした経験のある映画監督・荒木太郎。25日(日)には、出演者でもある女優・ほたると映画評論家の切通理作がゲストで登壇が決定している。
新たにコメントも到着。映画監督のリム・カーワイは「劇場に人生を捧げた最後の館長、故・金城政則さんの微笑みが、逆に生き生きと頭の隅々に蘇ってきた。」、写真家の野村恵子は「終わりのはずのラストシーンは、まるで物語のはじまりのようだった。」と本作を激賞!他に色街写真家の紅子、撮影監督の高間賢治、ミュージシャンのとんちピクルス松浦浩司などからも届いている。
到着コメント
リム・カーワイ(映画監督)
「不在」「解体」「終わり」をめぐる映画のはずだった。しかし見終わったあと、現在は更地となった沖縄の伝説的映画館「首里劇場」の姿と、その劇場に人生を捧げた最後の館長、故・金城政則さんの微笑みが、逆に生き生きと頭の隅々に蘇ってきた。この映画のおかげで、首里劇場は決して終わらない。
野村恵子(写真家)
首里劇場を舞台に人々の人生が時空を超えて交わっていくさまに心奪われた。終わりのはずのラストシーンは、まるで物語のはじまりのようだった。スマホひとつで撮り切った、秀逸なドキュメンタリー作品。おすすめです。
紅子(元ソープ嬢色街写真家)
昭和の文化遺産がまたひとつ姿を消した。本当に悲しい。でもこの映画が作られたことによって劇場に関わった人々の思いとともに永遠に残り、語り継がれる!真喜屋監督、この映画すごいです!
高間賢治(撮影監督)
悠久な沖縄時間と深い愛情を感じることができました。光の感じはとても良かったです、本当に自然でした。
とんちピクルスÄb0松浦浩司(出演者・ミュージシャン)
首里劇場の歴史と石川真生さんの人生が重なり、蝋燭の火が消える直前ひと際明るく輝く、そんな凄みを感じました。
黒川祐子(アイデアにんべん)
何かを残したいと強く願うとき、人はその美しい部分や正しさを力説し、なんならかっこよく装ってしまうものだけど、『劇場が終わるとき』はそうじゃなくてしびれた。
稲田志野(デザイナー)
のどかな雰囲気なのに、劇場も人間も、儚さも逞しさも、一瞬も永遠も、詰め込まれていました… 最後泣いちゃいますね。でも明るくて。最高です!



あらすじ
1950年に建てられ、地域文化の中心として活躍した首里劇場。やがて映画が斜陽産業となり、成人映画専門館となる。三代目館長の金城政則はそんな老朽化した映画館を引き継ぎ、20年近く守り続け、2021年に名画座へと転身するが、その翌年に癌のために急逝。劇場は閉館となり、戦前の劇場様式を引き継ぐ首里劇場は、まるでゴシック建築の幽霊屋敷のような風格を帯びながら、解体の日を静かに待っていた。
そんな中写真家の石川真生は、閉ざされた劇場に足を踏み入れる。老いと病を抱えながらも、精力的に建物に染みついた、人々の記憶や気配をフィルムに焼き付けようと試行錯誤を繰り返す。また館長の甥からは、家族で経営する劇場の思い出が語られていく。華やかなころの首里劇場ではなく、成人映画館を営む、とある家族の記憶。他にも様々な人々が訪れ、それぞれの人生の中にある《劇場》が、消えゆく劇場の中で語られる。廃虚のような首里劇場を舞台に、生きることの切なさ、たくましさを、人間くさいユーモアとともに人々が伝える中、解体の日が近づいてくる。
製作、監督、撮影、編集:真喜屋力
出演:石川真生、金城政則、牧瀬茜、ほたる、とんちピクルス平良竜次、佐久田立々夏、金城裕太、仲田幸子(特別出演)仲田まさえ
ナレーション:木村あさぎ
音楽監督:上地gacha一也演奏:kgk川崎巽也(guitar)、上地gacha一也(bass)、城間和広(drum)
音楽録音(kgk):森脇将太劇中歌:『祝日』タテタカコ『夢のなかでないた』とんちピクルス
エンディング曲『ダニーボーイ』真喜屋志保(トランペット)& kgkドローン撮影:平良竜次宣伝事務局・制作進行:林恭子宣伝デザイン:平井晋資料提供:仲栄真浩、野口麻美、入川正充、那覇市歴史博物館、金城家、NPO法人シネマラボ突貫小僧首里高校養同窓会、沖縄テレビ放送株式会社、有限会社ハマジム、石川真生協力金城家(首里劇場)、大城弘明深谷慎平、株式会社シネマ沖縄、桜坂劇場、株式会社スタートライン、株式会社丸昇建設、首里劇場調査団、有限会社ハマジム
配給宣伝協力:ムービー・アクト・プロジェクト
公式X:@eiga_gekiowa