クリエイター育成・発掘の短編映画プロジェクト第7弾『MIRRORLIAR FILMS Season7』(5月9日公開)がついに完成! 5月5日には都内映画館で完成披露試写会が実施され、加藤浩次監督、加藤シゲアキ監督、雛形あきこ(出演)、正門良規(出演/Aぇ! group)、阿部進之介(プロデューサー)、山田孝之(プロデューサー)、坂本ショーン監督、武⽥成史監督、香月彩里監督が登壇した。
満員御礼での実施となったこの日、愛知県東海市で撮影した『Victims(ビクティムズ)』『SUNA』、一般応募作『ウェディング』『KUTSUYA』『ヒューマンエラー』が上映された。本プロジェクトおプロデューサーの阿部は「二人のW加藤監督作品を柱に素晴らしい濃密な世界がある。いろいろなテーマのある作品が揃って、オムニバスだからこその個性的な上映になった」と手応え。

同じくプロデューサーを務める山田は「それぞれの作品が面白かった。監督をすることでその人がどんな事を考えて表現したいのかが出る。だから面白い」と述べた。
22年来の付き合いのある雛形を招いて『Victims(ビクティムズ)』を手掛けた加藤浩次監督は「雛形とは『めちゃイケ』を22年間やっていたので、裏側の雛形あきこを見ている。その裏側をそのまま脚本に落とし込みました。そう、雛形あきこは人に嫌がらせをする女です!」と仲が良いからこその大毒舌。

これに雛形は「どんな切り取られ方するのか分からないんだから、悪目立ちさせるのは本当にやめて(笑)!」と、長い付き合いだからこその掛け合いに会場は爆笑。

改めて加藤浩次監督は「雛形さんが出てくれて現場にいるだけで助かった。僕が作ったというよりも、役者さんがアドリブやエチュードを重ねて作ってくれた」と盟友に感謝しきり。雛形は「加藤さんが監督をやられると聞いて、二つ返事でした。初監督作品に出られるのは幸せ。撮りたいものも明確でした」と監督として尊敬していた。

正門を招いて刑事バディ『SUNA』を手掛けた加藤シゲアキ監督は「僕は脚本を書いてからキャスティングについて考える。出演を頼むときに断られたくないので、断らなさそうなやつにしました(笑)」とニヤリ。

加藤シゲアキ作の舞台に出演した経験のある正門は「舞台の際は自分の経験が浅くて心配をかけたけれど、成長しているところを見せたかった」と意気込み十分だった。

ただペーパードライバー歴5年という正門は「運転シーンは助手席に加藤君が乗って。やめてくれ!と思った。よく内容を変えずに突き進んだなと思った」とぶっちゃけると、加藤シゲアキ監督は「やめてくれ、はこっちのセリフだよ!」と爆笑しつつも「目の下にクマを作るために寝ずに徹夜で来てくれた」と正門の本気度に感謝。撮影最終日には「(正門が)楽屋に行ったら死んだように爆睡していた。(正門の)役作りが功を奏して、劇中の緊張感に繋がった」と確信していた。
加藤シゲアキ監督は『SUNA』について「彼は小説を書いているから内容も文学的。現場で考えたというよりも、画作りがしっかりと出来ている人。映画だな!と思った」と絶賛。加藤シゲアキ監督は『Victims』について「最初の編集の段階で30分以上あったと聞きました。それだけ撮れ高が高いのだろうと思った。それを15分に切り詰めたからこそ、独特のテンポ感とコメディ感があった。ほかにはない濃密さがあった」と述べると、加藤監督は脚本執筆の段階で1ページ=1分尺という常識を知らなかったと告白。「それを最初に教えてよ!」と吠える加藤に、山田孝之は「結構、常識なので……(笑)」と苦笑いするしかなかった。
W加藤監督は次回作にも興味津々。加藤浩次監督が「映画は総合芸術だと思ったし、やっていて楽しかった。監督に挑戦したことで裏方の苦労もしたので、これ以降現場で文句を言っていません。僕は今まで態度が悪かったけれど、それが変わった(笑)。大きな影響を受けました。56歳にしてそれに気づけたのは大きい」と実感。加藤シゲアキ監督も「10代に映画にハマって脚本を勉強したことがきっかけで小説を書くようになったので、今回原点に立ち返った。改めて映画愛を実感しました」としみじみしていた。
『ウエディング』を手掛けた坂本監督は「才能と実績のあるアーティストの方々とご一緒出来て光栄です。私の映画が観客の皆さんに届いて嬉しく思います」、『KUTSUYA』を手掛けた武田監督は「何者でもない5人で作った作品がこのような大きなスクリーンで、多くの皆さんに観ていただき光栄です」、『ヒューマンエラー』を手掛けた香月監督は「『MIRRORLIAR FILMS』は夢のあるプロジェクトだと思います」と喜びを噛みしめていた。



