映画

『風のマジム』沖縄県先行公開

この度、9月5日に沖縄での先行公開を迎え、初日に鑑賞してくれた約300名の観客の前に主演の伊藤沙莉、原作者の原田マハ、芳賀薫監督が登壇した。

観客を前に伊藤は「はいたい!伊藤沙莉です。本日は、でーじ暑い中お越しくださって ありがとうございます。真心込めて作った大切な作品を皆様にやっとお届けできてでーじ嬉しく思っています。短い時間ですが楽しんでいってくださいね。ゆたしく うにげぇーさびら。」(標準語訳:「こんにちは、伊藤沙莉です。本日はまだまだ暑い中お越し下ってありがとうございます。真心込めて作った大切な作品を皆様にやっとお届けできて大変嬉しく思っています。短い時間ですが楽しんでいってください。宜しくお願い致します。」と挨拶。

会場からはあたたかな拍手と指笛の音が鳴り響き、伊藤も笑顔で観客に手を振った。続けて芳賀監督も「はいさい 映画監督ぬ 芳賀薫やいびーん。今日(ちゅう)や 舞台挨拶んかい いめんそーち きみそーち いっぺーにふぇーでーびる。沖縄(うちなー)ぬ 良い風(かじ)に 乗(ぬ)てぃ 監督とぅし ちばてぃ ちゃーびたん。ゆたさるぐとぅ うにげーさびら」標準語訳(「こんにちは、映画監督の芳賀薫です。今日は舞台挨拶にお越したいただき有難うございます。沖縄の風に負けないように映画を頑張りました。どうぞ、よろしくお願いします」)と伊藤に続き、ウチナーグチで挨拶。また原作の原田マハからは先行公開にあたり「沖縄の風をいっぱい込めた素晴らしい映画になったと思います。」と挨拶があり、会場はあたたかい空気に包まれた。

伊藤沙莉は「いよいよ沖縄先行公開されましたが、本作を振り返ってみていかがでしたか」と問われると「元々たくさんの人に愛されている作品だと思います。映画化にあたってまじむのまっすぐな想いや人との出会いで成長していく物語がみなさんに伝わるといいなと思います。本作は“強いメッセージ”があるというよりは、みなさんの心に“ふっ”と届く作品になったと思っています!」と嬉しそうに語った。

芳賀監督は「沖縄のみなさんにこの物語を届けられて嬉しく思います。沖縄の風景や沖縄のたくさんの優しい人たちのおかげで出来た作品です。たくさんの人に届くと嬉しいです」と話し、原作の原田マハは「全編通して本当にいい風が吹いている!沙莉ちゃんの周りにはびゅうびゅう良い風が吹いていた!風を巻き起こしてくださった芳賀監督の演出、自分の作品が映画として新たに生まれ変わる喜びを教えてくれました。そして、人の背中を押してくれる作品であると思えました。」と本作への自信をのぞかせた。

ウチナーグチでの演技に関しての苦労を問われた伊藤沙莉は「とっても難しかったです。」と笑い「流れの中で音がゆるやかに変わっていくので、他の地方の言葉に聞こえてしまったりと苦戦しました。でも実際の沖縄の方の話し方のテンポがすごく好きだったので習得したいと思いながら頑張りました!沖縄のみなさんにどう受け取られるかちょっと緊張しています。」と語った。

また主人公“まじむ”に関してどういった人間か問われた芳賀監督は「まじむという女性はすごく普通の人で、すごい才能があるような人ではないけれど、たくさんの人に自分の感じていることを伝えることができる、また感じることができる女性です。沙莉さんに似ているなと思いながら描いていきました。」本作の企画のかなり最初の段階からまじむは伊藤沙莉さんだと思っていたと明かし、伊藤さんにキャスティングが決まってからはよりイメージ通り脚本を書き進めらえたと語った。

本作の主演が伊藤沙莉になったと聞いた時の感想を問われた原田は「もともと伊藤さんの大ファンで舞台などを見ていたので、すぐに伊藤さんの演じるまじむを脳内再生したくらい嬉しかったです!そして伊藤さんの演じてくれたまじむは本当にまっすぐで、頑張ろうとしているだれかの背中を押してくれる人でした。見ている人が応援してあげたくなるような人間味溢れる素敵な人。この映画で伊藤さんが見事に演じてくれたまじむの吹かせる風を感じることができて、すごい嬉しかったです」と当時を振り返った。

また主人公まじむの実家である伊波家でのエピソードを問われると伊藤は「そこに本当に存在しそうな家族だったので、すっごく居心地が良かったです!」撮影した建物も実際の豆腐屋さんだったので、ちゃんと歴史が刻まれていて、空気感に覚えがあるような場所でした。おばあやおかあと居間でごろごろしたりしたり、撮影中以外も食卓も普通に囲んでいました。本当の家族みたいでした(笑)」と嬉しそうに語った。当日はこれから視聴する観客たちを前にしての舞台挨拶だったので印象深いシーンを聞かれた際、伊藤は「内緒」と語り、会場の笑いを誘った。

また最後に伊藤は観客へ向けて「この作品は見た後に「また明日もがんばるか」と思える、だれかにそっと寄り添えるような作品になっていると思います。暖かい心でみてください」と語り舞台挨拶を締めた。原田マハは「タイトルにすべてが籠っています。まじむは真心という意味です。沖縄の人が大切にしている心がこもっていますし、沖縄の方々へのギフトのような作品になったと思う。」と語り、芳賀監督は「この映画にジャンルをつけるとしたら真心映画というジャンルだと思っています。それぞれが真心を持ち帰っていただき、周りの大切な人達にぜひ届けてほしいです」と話し、舞台挨拶は終了した。

物語
伊波まじむ(伊藤沙莉)は那覇で豆腐店を営む祖母カマル(高畑淳子)と母サヨ子(富田靖子)と暮らしながら、通信会社・琉球アイコムの契約社員として働いている。まじむは沖縄弁で「真心」を意味する言葉で祖母がつけた名前だ。
いつも祖母と一緒に通うバーで、ラム酒の魅力に取り憑かれたまじむは、その原料がサトウキビだと知る。折しも社内ベンチャーコンクールが開催され、まじむは、南大東島産のサトウキビからラム酒を作る企画で応募するが、それはやがて家族、会社、島民をも巻き込む一大プロジェクトへと発展していくーー。
風のマジム出演:伊藤沙莉 / 染谷将太 /尚玄 シシド・カフカ 橋本一郎 小野寺ずる/なかち 下地萌音 川田広樹/
眞島秀和 肥後克広/ 滝藤賢一/ 富田靖子/ 高畑淳子
原作:「風のマジム」原田マハ(講談社文庫)
主題歌 森山直太朗(ユニバーサル ミュージック)「あの世でね」
エグゼクティブプロデューサー:笹岡三千雄 製作:オーロレガルト
製作・配給:コギトワークス 共同配給:S・D・P
制作プロダクション:ポトフ 企画プロデューサー:関友彦 プロデューサー:佐藤幹也
脚本:黒川麻衣 監督:芳賀薫
2025/日本/DCP/カラー/シネマスコープ/ 5.1ch/105 分/G
©2025 映画「風のマジム」 ©原田マハ/講談社

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