完成披露上映舞台挨拶
日時: 10月5日(月)
場所: テアトル新宿
登壇:森田 剛、森川 葵、川上友里、松本まりか、森本晶一監督、佐藤快磨監督
MC:奥浜レイラ

森田剛が主演を務める映画『見上げてごらん』の完成披露上映会が10月5日、テアトル新宿で行われた。10月30日の劇場公開を前に、会場には森田をはじめ、森川葵、川上友里、松本まりか、森本晶一監督、佐藤快磨監督が登壇。完成したばかりの作品について、それぞれが撮影時のエピソードや作品への思いを語った。

森田が演じる土屋は、42歳にしていまだマンガ家を目指し続けるアシスタント。自分より先に後輩がデビューを果たし、人気声優として活躍する妻とも別居。さらに、受験を控えた娘との間にもすれ違いを抱えるなど、仕事も家庭も思うようにいかない日々を送っている。それでも長年抱き続けてきたマンガ家への思いを手放すことができない、どこか不器用な男だ。

森本晶一監督と佐藤快磨監督がタッグを組んだ本作。森田は撮影に臨むまでの過程について、「撮影に入る前にリハーサルとかも結構して」と明かし、そこで台本の変更などもありながら、さまざまな可能性を試したという。「そこで試した時間も僕にとってはすごく大きかった」と振り返り、「その時に2人の考えていることがわかって、すごく楽しい時間でした」と様子を語った。

森川が演じるのは、マンガ編集者の潮田ユキ。仕事に対してもどこか熱を持ちきれない、淡々とした雰囲気をまとった人物だ。そんなユキのキャラクターにも親しみを感じたという森川は、本作への出演を決めた理由について、「熱すぎず、淡々と進んでいく感じが好きで、これを撮ったら、そして自分が演じたらどうなるのだろうか?という興味からやってみたいと思いました」とコメント。

マンガ家としてのデビューを目指す山田ぽてとを演じる川上。

「私は佐藤監督の『泣く子はいねぇが』が大好きで。それが一番の決め手」と話し、「あとは森本さんのほうは……その時は知らなかったけれど、それが決め手です」と続けると、会場は笑いに包まれた。佐藤監督への強いラブコールを送る一方で、森本監督については後から知ったという正直な告白で、会場を和ませた。

土屋の妻を演じる松本は「私の初主演ドラマを森本監督が撮ってくださって、大信頼の監督だったんですけれど」と振り返り、今回も監督から直接オファーを受けたことを明かした。

さらに、「森田剛さんが主演で、しかも妻役という、私はすごく少ないシーンなんですけれど、剛さんと一緒に芝居ががっつりできるっていうのが一番の決め手でしたね」と、限られた出番ながらも楽しみにしていたことを語った。

森田は土屋という役について、「森本さんが書いてるし、森本さん自身っていうか。分身みたいな気持ちで僕は捉えた」と明かし、監督の姿を重ねながら演じていたという。

これに対して森本監督は、もともとは「自分のことを映画にしてみよう」という思いから企画が始まったと説明。ただ、脚本を書き進めるうちに「自分から離れよう」と考えるようになり、撮影中には自身がモデルであることさえ忘れていたそう。それでも森田の芝居を目にすると、ふと自分との共通点に気づくことがあり、「佐藤くんに『これ、ちょっと俺みたいだよね』とか話したりしてました」と振り返った。

すると森田は、「モロ出てましたよ。初めて会った時から『これ、監督だ』と思ってました」と率直にコメント。あまりの即答に森本監督は照れながら、「本当ですか? 森田さんが『坊主どうですか?』と言った時に思ったんですけど」と返し、会場からも笑いが起こった。

続いては、作品のキャッチコピー「夢をかなえるって、そんなに大事?」にちなみ、幼い頃に思い描いていた夢についてトーク。松本がフリップに記したのは、「マザー・テレサ、ダイアナ妃、アンジェリーナ・ジョリー」という3人の名前だった。

「夢というものがなかったんですけれど」と切り出した松本は、幼少期にテレビで目にした3人の姿が印象に残っていたと説明。貧しい国の子どもたちを支援するなど、誰かのために行動する姿に憧れ、「こんなことができる人になりたいな」と思っていたという。

「程遠いですけれど」と笑いながらも、「やっていける人になりたいなと思っています」とコメント。

一方、川上が挙げたのは「習字の先生」。森川は「イルカ」と答え、「幼稚園くらいの時に憧れていて。イルカのように泳ぎたかった」と、微笑ましい夢を披露した。

そして、森田は「サッカー選手」と回答。「小学5年くらいの時にJリーグが出来たので、あの華やかな世界に憧れがありました」と、懐かしそうに語った。

イベントの最後には、それぞれ作品への思いを語った。

松本は「ファーストシーンから最後まで、画面の中がずっと面白い」と「何かすごいことが起きるわけじゃない。それなのに、ずっと面白く観ていられる」と、その魅力を表現した。

「普通だったらカットされちゃうようなリアクションがずっと映っている。それがたまらなく面白い」と語り、「ちょっと恥ずかしいところというか、見られたくないところが、逆にものすごいリアル」とコメント。

森本監督は、本作の英題が「The Potentials」であることに触れ、「まだまだ可能性のある人々」という意味を込めたタイトルだと紹介。「この映画を観ていただいて、少しでも前向きな気持ちになっていただけたら」と、作品を通して観客に届けたい思いを明かした。

佐藤監督も「この映画に出て来る皆さんが本当に素晴らしく、楽しい演技をされているので、ぜひともお楽しみください」と出演者たちの芝居を称えながら、鑑賞を呼びかけた。

一方、主演の森田は「僕は分からないんです。この映画の魅力が。どう伝えていいのか」と、独特の作品世界を言葉にする難しさを率直に吐露。それでも「とにかく好きなんです」と作品への愛着を語り、「出演している皆も、両監督もすごく気に入っています」と笑顔を見せた。

「何も考えずに観ていただいて、気に入っていただけたら本当に嬉しい」と呼びかけると、「後からジワジワくるんで、良い映画だと思います」と最後まで作品への愛情をたっぷりと語っていた。

主演:森田剛、森川葵、川上友里、阿部寛、松本まりか、武田鉄矢、早瀬憩、前田航基、吉田晴登、伊島空、上田遥、岩橋道子、金光泰市、愛理、祷キララ、坂口辰平、松澤匠、真田理希、神谷圭介、四宮義斗、真織、乃木涼介、牧亮佑、友咲まどか、おかやまはじめ、猪股俊明、木村真奈美、小倉早貴、かんこ、五頭岳夫、小林きな子
監督:森本晶一&佐藤快磨
原案・脚本:森本晶一
音楽:池永正二
企画・プロデュース:江守徹
エグゼクティブプロデューサー:巖本博、 小佐野保、赤澤芳樹
製作幹事:巖本金属、ギークピクチュアズ
制作プロダクション:ギークピクチュアズ

日本公開:2026年10月30日(金)テアトル新宿他全国順次ロードショー
配給:ギャガ
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