『第99回キネマ旬報ベスト・テン』授賞式 主演女優賞をシム・ウンギョンが受賞
この日、シム・ウンギョンは、三宅唱監督の映画『旅と日々』で、韓国人俳優として初めて主演女優賞を受賞した。これは、1993年に『月はどっちに出ている』でルビー・モレノが受賞して以来32年ぶりの快挙となる。また、『旅と日々』が同年の日本映画ベスト・テン第1位に選出されたこととあわせての受賞であり、その意義は大きい。
壇上に登壇したシム・ウンギョンは、映画関係者や観客に向けて受賞の喜びを述べ、「歴史あるキネマ旬報の表彰式で賞をいただき、大変光栄です。特に『旅と日々』という作品で受賞できたことを、より一層うれしく思います」とコメントした。さらに、「この映画を通して、共に映画を作り上げることの意味と喜びを強く実感しました」と語った。
シム・ウンギョンは受賞スピーチで、女優としての葛藤についても率直に言及した。「『俳優』という職業は常に悩みが多く、難しいと感じることがあり、時には諦めたいと思った瞬間もあった」と明かしたうえで、「本作を通して、今後も精進していきたいと改めて決意しました。それは“共に”作品を作り上げる瞬間があったからこそ抱けた思いです」と語った。

また、制作陣への感謝の意も示し、「このような機会を与えてくださった三宅唱監督とスタッフの皆さま、そして原作者のつげ義春氏、共演者の皆さまに心より感謝申し上げます」と述べた。最後には「現状に満足することなく、これからも学び続け、努力を重ねていきたい」と今後への意欲を語り、スピーチを締めくくった。

日本の映画界では、今回の受賞コメントについて、単なる喜びの表明にとどまらず、演技に対する真摯な姿勢や作品への愛情、共演者や制作陣への敬意が感じられる内容だったとの受け止めが広がっている。
シム・ウンギョンは今後も韓国での活動を予定しており、3月に放送開始予定のtvNドラマ『大韓民国で建物のオーナーになる方法』で約6年ぶりにドラマ出演を果たす。同作で新たなイメージに挑むとされている。
『第99回キネマ旬報ベスト・テン』受賞一覧
【作品賞】
・日本映画作品賞(日本映画ベスト・テン第1位):『旅と日々』
・外国映画作品賞(外国映画ベスト・テン第1位):『ワン・バトル・アフター・アナザー』
・文化映画作品賞(文化映画ベスト・テン第1位):『よみがえる声』【個人賞】
・日本映画監督賞:李相日『国宝』により
・日本映画脚本賞:奥寺佐渡子『国宝』より
・外国映画監督賞:ポール・トーマス・アンダーソン 『ワン・バトル・アフター・アナザー』により
・主演女優賞:シム・ウンギョン『旅と日々』により
・主演男優賞:吉沢亮『国宝』ほかにより
・助演女優賞:伊東蒼『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』により
・助演男優賞:佐藤二朗『爆弾』ほかにより
・新人女優賞:鈴木唯『ルノワール』により
・新人男優賞:黒崎煌代『見はらし世代』ほかにより
・読者選出日本映画監督賞:李相日『国宝』により
・読者選出外国映画監督賞:ポール・トーマス・アンダーソン『ワン・バトル・アフター・アナザー』により
・読者賞:秦早穗子(連載『シネマ・エッセイ 記憶の影から』により)








