映画

『海辺へ行く道』公開記念舞台挨拶

公開記念舞台挨拶
日程:8月30日(土)
場所:新宿ピカデリー
登壇:原田琥之佑、高良健吾、唐田えりか、菅原小春、蒼井旬、中須翔真、山﨑七海、新津ちせ、宮藤官九郎、坂井真紀、横浜聡子監督

漫画家・三好銀による原作を実写映画化した『海辺へ行く道』が全国公開を迎えた。公開翌日の8月30日(土)には新宿ピカデリーで公開記念舞台挨拶が行われ、主演の原田琥之佑をはじめ、高良健吾、唐田えりか、菅原小春、蒼井旬、中須翔真、山﨑七海、新津ちせ、宮藤官九郎、坂井真紀、そして横浜聡子監督が登壇した。

原田は「2月にベルリンで上映され、先月には小豆島でも上映され、そして昨日から全国公開となりました。本日はこれだけ多くのキャスト・監督と一緒に登壇できて嬉しいです」と挨拶。ラストシーンの“絵を描く場面”については「奏介は考えて描くより、描きながら考えるタイプだと思ったので、自分も同じ気持ちで臨みました。ただ横浜監督は僕の演出以上に猫の演出にこだわっていて……最後は猫に全部持っていかれた気がして悔しかったです」とユーモラスに語り、会場を和ませた。

一方、中須は、自身が演じる役が特殊能力でおじいさんの腰を曲げるシーンに触れ「深く考えるより直感的に“こんな感じかな”と力を込めて演じました」と回想。また、知り合いのおばあさんのために作ったマスクがきっかけで騒動となり、高校を中退するテルオを演じた蒼井旬は「テルオはいろいろな角度から見られるキャラクター。彼の二面性、三面性をどう表現できるかを意識しました」と役作りを振り返った。

新聞部で独自の嗅覚を発揮する平井を演じた山﨑七海は、「私は平井のように明るい性格ではありませんが、演じるうちに彼女の持つ正義感や、さまざまなことに興味を持つ姿勢にはとても共感しました」と振り返った。

また、テルオの妹・加奈を演じた新津ちせは「加奈は才能の赴くままに創作していく男子たちに怒りを覚えながらも、同時にその夢中になれる姿を羨ましく思っているキャラクター。お菓子を食べるシーンでは、その複雑な気持ちを同時に表現できるよう意識しました」と役作りを語った。

そうした子どもたちをみずみずしく描いた横浜聡子監督は、「子どもってよく分からない存在なので、近づきすぎず適度な距離感を保つようにしました。彼らが自分たちの力で絆を育んでいく姿が映せれば十分だと思いました」と演出の狙いを説明した。

共演陣も監督の独特な映画世界に魅了された様子で、高良は「横浜さんが作る作品は、もはや“ジャンル=横浜聡子”。その中に役として関われたことが嬉しい。台本をいただいた時も『エセ関西弁でいい』と言われるなど、自分に委ねてもらえる部分が多かった」と明かした。

さらに唐田も「横浜さんの映画には独特の世界観があって、特に子どもたちの表情の切り取り方が好き。本作を観て“これぞ横浜さんの映画だ”と思い、ますます好きになりました」と語り、監督の作風への深い共感を示した。

菅原は、「これまで動ける役をいただくことが多かったのですが、横浜監督からは『借金取りの役はどう?』と提案され、動きを封じられたことが新鮮で嬉しかったです。監督はラブリーでユーモアにあふれる方で、その感性が細部まで映画に反映されています」と監督を称賛した。

宮藤は、脚本を読んだ際の驚きを明かしつつ「キッシュを食べる場面で監督から『食べる時はプププと音がしますよね』と言われて戸惑いました。結局、何度挑戦してもできずにいたら『忘れてください』と言われて。完成した映画でも鳴っていないので、いまだに正解が分からない」とユーモアを交えて語り、会場を和ませた。

坂井は「横浜さんは優しく温かく、そして静かな狂気を持っている。高良さんが言うように、まさに“ジャンル=横浜聡子”。静かなカリスマだと思います」と絶賛。これに横浜監督は「撮影以来、皆さんと再会できたことが本当に嬉しい。ありがたいです」と照れながらも感謝を伝えた。

イベントの最後には、主演の原田が「この作品は大人たちが子ども以上にはしゃいでいる姿が魅力のひとつ。新たな代表作が加わったことがとても嬉しいです」と手応えを述べた。横浜監督も「個性豊かな共演者に囲まれながら、原田さん演じる南奏介が見事にその中を泳ぎ渡り、物語を完成させてくれた。映画はお客さまに観ていただいて初めて完成するもの。SNSなどで感想を発信していただき、本作を一緒に育てていただけたら嬉しいです」と呼びかけ、舞台挨拶は温かな余韻に包まれて幕を閉じた。

物語
アーティスト移住支援をうたう、とある海辺の街。のんきに暮らす14歳の美術部員・奏介(原田琥之佑)とその仲間たちは、夏休みにもかかわらず演劇部に依頼された絵を描いたり新聞部の取材を手伝ったりと毎日忙しい。街には何やらあやしげな“アーティスト”たちがウロウロ。そんな中、奏介たちにちょっと不思議な依頼が次々に飛び込んでくる。ものづくりに夢中で自由奔放な子供たちと、秘密と嘘ばかりの大人たち。果てなき想像力が乱反射する海辺で、すべての登場人物が愛おしく、優しさとユーモアに満ちた、ちょっとおかしな人生讃歌。
海辺へ行く道

原作:三好銀「海辺へ行く道」シリーズ
(ビームコミックス/KADOKAWA刊)
監督・脚本:横浜聡子
出演:原田琥之佑
麻生久美子 高良健吾 唐田えりか 剛力彩芽 菅原小春
蒼井旬 中須翔真 山﨑七海 新津ちせ
諏訪敦彦 村上淳 宮藤官九郎 坂井真紀
製作:映画「海辺へ行く道」製作委員会
配給:東京テアトル、ヨアケ

2025年/日本/スタンダードサイズ/5.1ch/140分/G
©2025映画「海辺へ行く道」製作委員会

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