フランス人俳優として世界的に活躍するアリアン・ラベドがメガホンをとった長編デビュー作『九月と七月の姉妹』が2025年9月5日より公開される。本作は史上最年少のマン・ブッカー賞候補となった作家デイジー・ジョンソンによる『九月と七月の姉妹(原題:Sisters)』に着想を得て制作された作品で、2024年のカンヌ国際映画祭でのプレミア上映以降も各国映画祭で賞賛を集めた。
そんな『九月と七月の姉妹』よりシーン写真7点が解禁された。アイコニックな存在として、アーティストでもある母の期待に応え、フレームにおさまる様子のほか、ままならない日常生活の中、母と共に<家の中に作った安心な場所>で寄り添う姿のほか、セプテンバーとジュライのいびつで、絡みつくような関係を捉えたものとなっている。なお、これらの写真は監督のこだわりによりすべてフィルムで撮影されたもの。フィルム特有の温かみのある味わいが、彼女たちの心の深いところの記憶まで自然に繋がっていくような、味わいのあるシーン写真となっている。





生まれたのはわずか10か月違い、いつも一心同体のセプテンバーとジュライ。我の強い姉は妹を支配し、内気な妹はそれを受け入れ、互いのほかに誰も必要としないほど強い絆で結ばれている。しかし、二人が通うオックスフォードの学校でのいじめをきっかけに、シングルマザーのシーラと共にアイルランドのノース・ヨーク・ムーアズの海辺近くにある長年放置された一族の家<セトルハウス>へと引っ越すことになる。新しい生活のなかで、セプテンバーとの関係が不可解なかたちで変化していることに気づきはじめるジュライ。「セプテンバーは言う──」ただの戯れだったはずの命令ゲームは緊張を増していき、外界と隔絶された家の中には不穏な気配が満ちていく……。
監督は、公私に渡るパートナーであるヨルゴス・ランティモスを中心として生まれた映画ムーブメント<ギリシャの奇妙な波 (Greek Weird Wave) >を継ぐ作風で脚光を浴びた、アリアン・ラベド監督。2010年、ヨルゴス・ランティモス監督が制作・出演した『アッテンバーグ』(アティナ・ラヘル・ツァンガリ監督)で映画デビューを果たし、ヴェネツィア映画祭とアンジェ・プルミエ・プラン映画祭の最優秀女優賞を受賞。本作でヨルゴス・ランティモスと出会い、2013年に結婚し、その後『ロブスター』(2015)にも出演している。また2014年には、『欲望の航路』でロカルノ映画祭最優秀女優賞を受賞、セザール賞新人女優賞にもノミネートされた。
10ヶ月違いで生まれた一心同体の姉妹・セプテンバーとジュライを演じたのは“カンヌの新星”として演技を高く評価されたパスカル・カンとミア・サリア。また、『関心領域』でアカデミー賞音響賞に輝いたジョニー・バーンによるサウンドデザインが物語を不穏な予兆で充たしていく。一体どこからどこまでが自分なのか——互いの境目がわからないほど絡み合った姉妹の絆は、やがて醒めることのない悪夢へと姿を変える。
映画『九月と七月の姉妹』は、2025年9月5日(金) 渋谷ホワイトシネクイント、 ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国ロードショー。
『九月と七月の姉妹』(原題:September Says)
監督・脚本:アリアン・ラベド
出演:ミア・サリア、パスカル・カン、ラキー・タクラー
原作:デイジー・ジョンソン『九月と七月の姉妹』(東京創元社刊)
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