ジュディ・オング主演、1970年大阪万博台湾パビリオンのコンパニオンに合格した少女が、かつて自分を助けてくれた名も知らぬ台湾の恩人を探すべく駆け回る、音楽、ダンスが鮮やかなスペクタクル・エンタテインメント「萬博追踪」が邦題『万博追跡 2Kレストア版』として、1970年の公開から56年の時を経て2Kリマスター版で日本公開決定!4月10日(金)より、シネマート新宿、池袋シネマ・ロサほか全国公開となります。
『万博追跡 2Kレストア版』
この度、1970年の大阪万博を振り返りながら、本作の魅力をご紹介。

台湾映画の保存・振興機関である国家電影及視聴文化中心(TFAI)の協力でデジタル修復され、本国公開から55年の歳月を経て、昨年開催された第21回大阪アジアン映画祭のオープニング作品として日本初上映された2Kレストア版がついに公開となる。6400万人以上の来場者を魅了した1970年の大阪万博。明るい未来感に溢れた実際の万博会場でも撮影され、会期中の「中華民国館」内部で撮影された展示のディテールをはじめ、世界各国のパビリオンや企業パビリオンも続々登場。さらに、テーマ館中央に堂々とそびえる「太陽の塔」、ロープウェイからの眺望やジェットコースターなど、目の前に広がる近未来的光景に圧倒された当時の熱狂と興奮、高揚感、臨場感が追体験出来る、貴重な映像資料としても価値が高いとされている。また、万博会場のみならず、大阪、京都、奈良、北海道、果ては大戦末期の上海に至るまで壮大なスケールの物語が展開される。

台湾、日本、アジアを席捲し、国際的スターとして絶大な人気を誇る歌手・俳優のジュディ・オングを主演に起用し、撮影当時20歳であった彼女の光り輝く存在感と歌唱が本作の魅力のひとつになっている。日本で台北駐日経済文化代表処の文化広報部長を務めた経歴を持つ『小翠』『ニセのお嬢さん』のリャオ・シャンションが監督を務め、美術の三上陸男、顧問の八木政雄(正夫)など、「ゴジラ」「ガメラ」シリーズなどを支えた日本特撮映画人たちも多数参加している。
『万博追跡 2Kレストア版』
1970年に開催された大阪万博は、日本が高度経済成長の頂点にあった時代を象徴する国家的イベントであり、「人類の進歩と調和」をテーマに、当時の最先端技術と未来像を世界に示した点で画期的だった。
シンボルとして圧倒的な存在感を放ったのが、岡本太郎による《太陽の塔》である。会場中央にそびえ立つこの塔は、未来的で整然とした万博空間の中に、原始性や生命力を剥き出しのまま持ち込む異物として機能し、単なるモニュメントを超えて「万博そのものの記憶装置」となった。また、動く歩道(動くベルトコンベア式歩道)も象徴的存在で、広大な会場を効率的に移動できるその仕組みは、未来の都市生活を体感させる装置として強い印象を残した。
人気を集めたものとしては、各国パビリオンが競い合うように披露した映像技術や展示演出が挙げられる。アメリカ館の「月の石」は象徴的な目玉展示で、宇宙開発時代の到来を実感させた。一方、ソ連館、中国館をはじめとする各国パビリオンは、自国の歴史・文化・科学技術を総動員して紹介し、来場者は“世界一周”を疑似体験することができた。企業館も高い人気を誇り、家電、通信、映像、音響といった分野で、日本企業の技術力の高さが強く印象づけられた。
そして大阪万博の本当に凄かった点は、展示を「見る」だけでなく、未来社会を「体験させた」ことにある。コンピューター制御、映像の大型化・多面化、音響演出、情報ネットワークの萌芽など、今日では当たり前となった概念が、万博という空間の中で初めて大衆化された。来場者数は延べ6,400万人を超え、万博は単なる博覧会ではなく、日本人の未来観や国際意識そのものを更新する社会的イベントとなった。
大阪万博は、技術、芸術、国家の自信、そして未来への期待が一体となった、戦後日本を象徴する「到達点」であり、今なお語り継がれる理由はそこにある。
『万博追跡 2Kレストア版』
本作はゲリラ撮影だったため、突然大スターであるジュディ・オングが、万博会場を縦横無尽に動き回り、その姿に気づいた来場者たちの興奮する様子などが映し出されるのも、本作の鑑賞ポイントの一つだろう。また、パビリオンのコンパニオンに選ばれたジュディ・オングが、生き生きと母国の歴史や文化について語るシーンにも注目していただきたい。

4月10日(金)より、シネマート新宿、池袋シネマ・ロサほか全国公開

物語
1970年大阪万博のコンピニオンに選ばれた日本育ちの台湾人の雪子(ジュディ・オング)は、同級生の藤本哲男と一緒に大阪に向かうことに。母は雪子にふたつの使命を授ける。台湾から生活費を送ってくれている謎の人物・陳春木と、上海で父を謀殺した謎の人物のふたりを探すというもの。手あたり次第、パビリオンで聞き込みをするのだが、ようやく陳春木を知っているという人を見つけ、陳春木の妹に会いに神戸に向かうことに。彼女は自分が台湾にいる兄に仕送りを依頼したが、それも別の誰かに頼まれた事だという。しかしそれが誰なのかは口止めされていて語ろうとせず…。

監督:リャオ・シャンション
出演:ジュディ・オング、フォン・ハイ、フー・ビーホイ、スー・ウェイ、チェン・クオチュン、原田玄、川名美彌、衫森麟
2025年(オリジナル版:1970 年)|台湾|97分|中国語|スコープサイズ|モノラル|カラー|原題:萬博追踪(2K數位修復)|翻訳:藤原由希
配給:ハーク|配給協力: Elles Films|協力:大阪アジアン映画祭 (c) 2025 Taiwan Film and Audiovisual Institute. All rights reserved.
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